第1,445.7回 SPZに非常ベル
時に西暦2075年8月
宇都宮市の救急病院。
宇都宮大会の試合直後に倒れたSPZ60期のハルカは意識不明の重体が続いていた。
開頭手術で応急処置したものの、症状は予断を許さない状態だった。
事故以降、彼女の婚約者である加藤貴明(31:コンテック流通機器2課 課長)は宇都宮郊外にウイークリーマンションを借り、病院に日参したが、ハルカは意識を取り戻さなかった。
「また・・・いらしてたんですか」
ハルカ入院対応担当兼SPZミュージアム館長の上原清香(24)、病院のロビーで、
「進展ありませんか」
「・・・・ええ」
加藤貴明、椅子に腰掛け手で顔を覆った。天国から地獄へ突き落された加藤氏、都内の会社でのSEの仕事も滞りがちになり、社内での評価を落としていた・・・・
(ハルカ・・・戻って来てくれ・・・)
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「責任者は責任を取るためにいる」
SPZの緊急幹部会議で、黒田宏社長が辞任を表明。
「今回こういうことがあったわけだから、事故調査委員会の報告とともに引責辞任する」
「後任については、自分に案があるので、後日、推薦させてほしい。基本的には受け身を取った方で…考えている」
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横浜戸塚のSPZ本社倉庫
SPZクライマックスの駅貼りポスターが大量に置かれていた。年に一度の書き入れシリーズで、宣伝広告も結構な額をかけていたが、今回の事情をかんがみ、駅貼り広告、テレビCM、デジタルサイネージなどのPR活動は「当面自粛」となった・・・
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