第1,456回 フォルトゥナ紫月の燗酒
67年目12月
セイウン草薙が写真集を発売。過酷な防衛ロード続きだったので、会社サイドが話題作りをかねて写真集休暇を与えた。
しかしSPZ新王者のフォルトゥナ紫月も右ひざの負傷が発覚してえらいことに。SPZのマッチメイク委員会は紛糾したが、最終戦のさいたまドーム大会でのタイトルマッチ(VS北条咲)のみフォルトゥナ紫月を限定参戦させる方向で話がまとまった。
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「セイウン草薙を激闘の末、腕固めで下したフォルトゥナ紫月だが、その代償はあまりにも大きく、F紫月は右ひざの負傷を悪化させてしまった」
「これも運命」
初戦のどさんこドーム大会、オーロラビジョンに映し出された新SPZ王者フォルトゥナ紫月の(身体にバスタオルを巻いてはいるが)温泉入浴シーンに場内どよめき。
「シリーズ中に初防衛戦を行わなければならないため、フォルトゥナ紫月は外傷に効くといわれている上諏訪温泉で温泉治療に励むのであった」
「んん・・・おいし・・・」
温泉治療とか言いつつ露天風呂で燗酒をたしなむF紫月に場内爆笑。
「失意のセイウン草薙が写真集撮影する中、SPZベルトに挑戦の名乗りを上げたのが若手の北条咲、そしてジャーマンの女王ペガサス藤原であった」
このあおりVTRがあって、札幌大会メインで北条咲とペガサス藤原が激突。
エンタメ色を濃くしても試合内容はこの2人は保証書つき。24分44秒の激闘の末、ペガサス藤原が相手の力押しをしのぎ切り、ジャーマン、タイガーSHのスープレックス攻勢で北条から3カウントを奪った。
「く・・・ばかな・・・」
「北条さん、あなた、そんな弱くてよくタイトルマッチとか言えるわね。さいたまドーム、代わりにやってあげるから、休んでなさい!」
ペガサス藤原が初めてマイクアピール。場内どよめき。
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そこから連日、メインはペガサス藤原と北条咲が交互に務めた。どうやらこの2人に欠場中のF紫月、S草薙とでSPZの4強を形成しようというのがSPZ上層部の判断らしい。
そして最終戦は新日本ドーム大会。
第1試合開始前、あおりVTRが流された。
上諏訪温泉旅館で療養していたフォルトゥナ紫月、露天風呂からサバッと上がるや
(この瞬間どよめく場内)
「ん、もう大丈夫」と言って湯煙の特殊効果が入り、次の瞬間フォルトゥナはリングコスチュームに着替え完了し、そのまま迎えの車に乗り込み諏訪インターから中央道を経て一路さいたまを目指したというギミック。
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第1試合は小川あかりVSオーロラマスク。
「縁故採用で入った小川あかり、いまだに勝てない。母親譲りのぐだぐだっぷりを今日も晒すのか」
セブン山本統括部長が笑うに笑えないアナウンス。
小川あかり、練習の成果を発揮してよく動いたのだが、オーロラマスクのほうがスピードで勝り、徐々に追い込まれていって
「HA」
サイドスープレックスで投げられて13分17秒、3カウントを奪われた。
小川あかり、勝てない。デビューから8か月たっているのに、勝てない。
(あららら・・・やっぱりあの子は格闘技に向いていない・・・・)
ペイパービューで観ていた母親の西花子(48:元フローラ小川)、顔を覆った。
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