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2013年3月18日 (月)

第1,469回 加賀美明日香、再上京。

時に西暦2076年、

加賀美明日香は東京行の新幹線に乗っていた。

ちょうど1年前、ハルカの試合中の事故で、SPZは選手の安全を顧みない危険な団体だというバッシングがあり、動顛した加賀美の父親によって実家へ連れ戻されてしまった加賀美明日香。しかし彼女はプロレスを辞める気はさらさらなく、九州のローカル団体に時折参戦して小遣い稼ぎをしていた。

とはいえ前座の第2試合あたりに出て、地元ローカル団体の女子選手とグラウンドの地味な攻防を10分近くやって、最後は足関節を取ってギブアップ勝ちを収めるだけの試合内容。

(こんなところでくすぶっていられませんわ・・・・)

杉浦新体制になって、まず杉浦新社長が交渉に動いたが、加賀美の父親の意志は固く、「娘をそんな危険な場に置けぬ」の一点張りであった。何度も長崎へ飛んで交渉にあたった杉浦社長だが、埒が明かない状況が続いた。

「わたくしももう18歳、仕事するのにいちいち親の同意などいらないと思いますので、脱走してもいいですよ」

「いや、さすがにそれは・・・・」

本人は戻る気満々だったのだが、杉浦社長は強行突破をあきらめ、からめ手で攻めることにした。

「あ、もしもし、黒田さん、例の手筈、よろしくお願いいたします」

5月、SPZに元経済産業省の天下り役人が「非常勤顧問」として就任した。その人は流通業界に顔の利く元高級官僚であった。そしてSPZ経営陣はそのルートで加賀美の実家の会社の切り崩しを図った。

***************************

長崎市内にある「和食創作・おたけび」の本社ビル会議室。

「好条件の物件が4つ・・・・・SC内にわが社のレストランを出店できるのか」

九州の大規模ショッピングセンター内に加賀美の父親が経営するレストランを4店舗、相場よりやや安い賃料で出店しませんかという話が持ち込まれた。

ーこの商談が成功すればうちの年商は10億アップは固い・・・

加賀美の父親が居住まいを正す。地方経済の状況は良いとは言えない。そんな中売上上積みにつながる商談はぜひとも成功させたい・・・

「ただ、競合もいくつかその区画に出たいという話もありますので」

黒服の仲介業者が条件を切り出す。

「加賀美明日香選手を本人の希望通り再度上京させて、プロレスリングの第一線でファイトさせることで、SCに影響力のある有力者が御社の出店を後押しする方向で口利きいただけるとのことです・・・」

「む・・・・・!!」

そのあともすったもんだあったのだが、けっきょく加賀美の厳格な父親は折れて、娘の再上京を承諾した。

「どうなっても知らぬぞ」

「お父様、わたくしはそんなヘマはやりません。億のお金を稼いで、必ず長崎へ戻ってきます」

こうして加賀美明日香は1年ぶりに横浜の道場へ戻ってきた。

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