第1,472回 圧倒的肉体がセイウン草薙を襲う
68年目8月
恒例のSPZクライマックス。出場者は以下の8名。
◆セイウン草薙(22)
5年連続6度目の出場
第64・65・66・67回大会優勝
「全力で行きます」
◆フォルトゥナ紫月(22)
4年連続4度目の出場
SPZ世界王者
「すでに全てのカードは私の手中にあります」
◆ペガサス藤原(21)
3年連続3度目の出場
「優勝狙っていきます!」
◆北条咲(19)
初出場
「ことしは出場者の実力が拮抗していると思うので、気力の戦いになると思いますが、粘ります」
◆玄海恵理(17)
2年連続2度目の出場
「ベルトを取られた悔しさをぶつける」
◆神田幸子(19)
初出場
「私はみんなの白星配給係じゃない。リーグ戦を引っ掻き回す」
◆カガミ・アスカ(18)初出場
「記者会見で飲む紅茶もまた格別ですわ・・・」
◆ダークジョーカー(年齢不詳)初出場
「AACのルードとして、悪の限りを尽くすぞ」
2戦目の札幌から、地獄のリーグ戦がスタート。
神田(2点、裏拳からの片エビ固め 12.22)Dジョーカー
ダークジョーカーのラフファイトにやや手こずった神田だったが、打撃に活路を見出し、最後は大きく振りかぶって裏拳で殴りつけて3カウント。Sクラ初参戦で勝利をゲット。
F紫月(1点、時間切れ引き分け)P藤原(1点)
リーグ2戦目にして早くもSPZ王者と元王者の対戦が組まれた。いつものようにグラウンドでねちっこく試合を作っていくフォルトゥナ。懸命にディフェンスを固めて行った藤原、残り2分でようやく得意のジャーマンで反攻開始したが、フォールを返したフォルトゥナ、その後もみ合っているうちにタイムアップになってしまった。
「別に・・・想定内・・・」(F紫月)
北条(2点、ビッグブーツからの片エビ固め 20.25)玄海
SPZ前王者と元王者が対決した一戦、前の試合とは打って変わってド迫力の攻防が展開。
「ウオオオ」
玄海強引にバックドロップを狙ったが北条巧みに上から押しつぶす。焦れた玄海が場外乱闘に引きずり込むが、玄海のパンチに怒った北条が場外ジャーマンという無茶苦茶な攻めを見せ、玄海がふらふらとリングに戻ったところを北条がビッグブーツで玄海を仕留めた。
「第一の難関突破ですね。リーグ戦ではここ(頭を)使わなければいけません」
S草薙(2点、ティロフィナーレからの片エビ固め 13.38)カガミ
「私の名はサウンドクリエーター、セイウン草薙の悲鳴を会場中に響かせますわ」
インドの山奥で修業したカガミが団体最強のセイウン草薙と相対。しかし相手の関節技を警戒したS草薙が10分経過の時点で兜落としを繰り出して相手の勢いを殺し、あとは適切に大技を積み重ねるいつものパターンで手堅く勝利。フィニッシュはB上原から盗んだティロフィナーレだった。
**********************
第3戦は一気に名古屋に飛んでのしゃちほこドーム大会。
神田(4点、裏拳からの体固め 18.57)カガミ(0点)
カガミ凱旋試合と同じカード。インドの山奥で修業した(ということになっている)カガミが巧みにグラウンドレスリングを仕掛けるが、神田もそうはさせじとエルボーや頭突きを叩き込んでカガミのペースを狂わせる。そして17分過ぎに繰り出した神田のステップキックが入ったのか、カガミがガクッと崩れる。ざわつく場内、察した神田が引きずり起こしてのショートレンジ裏拳でなぎ倒して3カウント。
「こっちはアンタがふけてた1年間SPZマットでもまれたんだ。インドの山奥だかチベットだか知らねえがそんなんにはやられねえぜ」(神田)
P藤原(3点、ジャーマンSH 11.16)Dジョーカー(0点)
藤原にとっては取りこぼせない試合だったが、終始余裕の表情で相手のせこい反則その他を受けていたP藤原、そのあと猛然と反撃しジャーマンで終わらせた。
北条(3点、時間切れ引き分け)F紫月(2点)
現SPZ王者と元SPZ王者の対戦は北条が制した。馬力に勝る北条が主導権を握り、レッグドロップ、ニーアタックとダイナミックな攻めを見せる。
「行くぞっ」
ラリアットで豪快に打ち抜いた北条、しかしフォルトゥナもフォールを懸命に返し、
「はああっ」
珍しく裏投げで反撃、両者ダウン。ドワアアアアア。よろよろふらふらと両者が起き上がったところでタイムアップのゴングが鳴った。
「ちょっと慎重になりすぎた。この1点ロスがどう響くか」(北条)
玄海(2点、パワースラムからの片エビ固め 14.40)S草薙(2点)
試合開始早々にラストライドを繰り出した玄海、しかしセイウンも落ち着いてキックアウトし空気投げで反撃。しかしそのあとも玄海、重量感あふれる攻め、ただのスクラップバスターも威力満点。苦しい戦いを強いられたセイウン、次第に焦りの色が。パワースラムを2で返したのち、もうこれ以上受けられないと草薙流兜落としで反撃するも、受けきった玄海が2度目のパワースラム。圧倒的肉体につぶされたS草薙、無念の3カウントを聞いた。
「玄海選手の執念に負けました。あのパワースラムはほかにない威力なので・・・」
« 第1,471回 カガミ・アスカ、襲来 | トップページ | 第1,473回 フォルトゥナ紫月のデスクロノグラフがセイウン草薙を襲う »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント