訃報
また、悲しいお知らせです。
全日本プロレスに参戦されていました
リックフレアーのご子息、リード・フレアーさんが
アメリカの宿泊先ホテルで逝去しました。
享年25。
何故若くして亡くなったのかは憶測の域を出ないので記しませんが
3月17日の両国大会で西村・渕と対戦したのが最後の試合でした。
実力的にはまだまだ駆け出しでしたが、端正なマスクと体格もよく
あのフレアーの息子ということで将来を嘱望されていただけに残念です。
合掌。
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また、悲しいお知らせです。
全日本プロレスに参戦されていました
リックフレアーのご子息、リード・フレアーさんが
アメリカの宿泊先ホテルで逝去しました。
享年25。
何故若くして亡くなったのかは憶測の域を出ないので記しませんが
3月17日の両国大会で西村・渕と対戦したのが最後の試合でした。
実力的にはまだまだ駆け出しでしたが、端正なマスクと体格もよく
あのフレアーの息子ということで将来を嘱望されていただけに残念です。
合掌。
こんばんわ。
WASの話ではありませんが、
最近コン様の生きる希望になっているイチャラブコメ漫画「7時間目の音符」
24話が漫画タイムきららフォワード5月号に掲載されております。
連載完結間近を暗示しているのか、表紙にタイトルも載らず、後ろのほうに掲載。
起承転結でいえば結に向かいつつあります。
前回の23話で吹奏楽部部長・葉平くん(2年)とその彼女、あずみ先輩(3年)はついに音楽室でふたりっきり、明確な描写こそないものの一線を越えたもよう。その翌日、葉平くんは興奮して?明け方まで眠れず寝不足で登校、そしてあずみさんは葉平と顔をあわせるなり「かかかか」と顔を赤らめる。まるで純愛エロゲーの初えっち後の会話イベント。
「いつごろからそーゆー事考えてたの」「それなりに前から」「えっち!」
そして痴話げんか、拗ねるあずみさん。そしてそのあと公園で仲直り。「卒業後も一緒にいたいからどうすればよいか、ふたりで考えよう・・・」とまとめる。同棲エンドか?
単行本4巻で完結するのであれば来月以降あと3回で最終回と思われる。むしろ脇役の高校教師30歳米子ちゃんと、卒業間近の米くん先輩18歳の禁断の恋の行方が気になる。文化祭デートみたいなのとか先生倒れてお見舞いに来るイベントとかで好感度は確実にあがっていると思われるので・・・・
SPZスター選手列伝 84
従業員コード:098
情熱バカ 相羽和希
本名:同じ。2051年7月12日、石川県金沢市出身、SPZ59期として、2067年4月19日釧路厚生年金アリーナ大会での対 村上千秋戦でデビュー。荒削りだが、スタミナ切れを恐れない当たって砕けるファイトで場内を沸かせる。得意技はノーザンライトスープレックス。
2076年6月22日、さいたまドーム大会での対 小川あかり戦で引退。稼働月数111ケ月。出場試合数(概算)808試合
タイトル歴なし
奥森リングアナコメント
レスリングセンスもあり、スタミナもそこそこあったのだが、ファイトスタイルが猪突猛進型で、ブレード上原、セイウン草薙やハルカといった上位の選手には分の悪いところがあった。あれでもう少しずるい攻めや駆け引きを覚えたら一流選手となっていたかもしれない。VIP戦線中盤どまりで、とうとうSPZ世界王座のベルトを巻けずに終わった。キャリアの終盤は若手の壁として、前座戦線を良く盛り上げていた。
引退後はコーチ兼レフェリーとして会社に残り、若手・新人選手を熱心に指導されている。
SPZスター選手列伝83
従業員コード096
南国の太陽 神塩ナナシー
本名:同じ。2050年11月12日、沖縄県石垣市出身、ブレード上原は同じ中学の一期先輩。ブレード上原に紹介されてSPZ58期でデビュー。2066年5月11日、カイメッセ山梨大会での対 ジュリア渡辺戦でデビュー。おっとりとした性格ながらリング上では思い切りのいいファイトを見せる。
第61回SPZクライマックスで優勝し、先輩の上原といよいよトップ争い。自分のペースで試合を作れるうまさに磨きをかけ、SPZ世界王者に輝く。得意技はアラビアンプレス。ネックブリーカードロップ。
2076年5月25日、横浜スペシャルホール大会での対 小川あかり戦で引退。稼働月数121ケ月、出場試合数(概算)855試合
タイトル歴
第169代SPZ世界王者
第172代SPZ世界王者
第184代SPZ世界王者
第61回SPZクライマックス優勝
奥森リングアナコメント
おっとりとした性格ながら、リング上では一つ一つの技を丁寧に決めてゆくという、相手からすれば厄介なタイプの選手であった。ただ仕掛けるのが遅いということが多く、攻め手を欠いて時間切れドローという結末も多く見られた。あれでもう少し爆発力があればとてつもない選手になっていた可能性もあるが、まあ性格なので仕方がないと思われる。
若い選手にありがちな、強引な攻めや無理してフォールを返すということをほとんどしない選手であり、キャリアのほとんどをハードなシングルマッチで闘ったにもかかわらず、10年の長きにわたりSPZマットを盛り上げたのだから、基本的技量はそうとう高かった。
引退後は支援者のつてで、都内のスポーツジムにスポーツインストラクターとして勤務されている。
今回ご紹介するのは、足4の字固め。
あおむけにダウンした状態の相手の片足を取って、そのままくるっと回転しつつ(回転しない入り方もある)相手のもう一方のひざの上に取った足を乗せ、その上から自分の足をかぶせるようにロックする技です。
ポイントをついて決まるとものすごく痛いらしく、かつ両足がふさがるので、脱出するには上半身の力だけでロープに逃げるか、裏返して仕掛ける方も痛くするというムーブに持ち込むしかありません。
この技を日本に持ち込んだのが、あの白覆面の魔王、ザ・デストロイヤー。力道山や馬場さんとの抗争でこの技をよく決めていました。あとはリック・フレアー、ジャック・ブリスコらのアメリカマットの本格派の選手も得意としていました。
大昔からある技なのですが、近年になって武藤敬司が低空ドロップキックやドラゴンスクリューから足4の字につなぐ足殺しムーブとして多用しだし、いまなお脚光を浴びている技です。フィニッシュになることは少ないのですが、試合中盤から後半の痛め技としてよく見られます。
WASでは実装されていませんが、WAS2では実装されているようです。杉浦美月か富沢レイあたりに実装させてみたいですね。
皆様こんばんわ。WAS没頭中筆者のkonnoです。
桜は咲きましたが花粉症がなかなか収まりません
今週のスポーツニュースのようなもの。
■元大関 雅山引退
1月場所から急速に衰えが見られ、十両9枚目で迎えた今場所は3勝12敗と大負けし、幕下転落が決定的になった。35歳の大関経験者が無給の幕下で取るわけにはいかないので引退決断。「身体がついて行かない」との弁。
学生相撲の実績を引っ提げ、幕下付け出しでデビューし、ものすごい勢いで大関まで駆け上がったが怪我もあり大関から落ち、その後11年にわたり幕内で活躍。ネット上ではブタスとか言われていたが、180kgある巨体、怖そうな風貌、破壊力のある突き押しと強烈な個性のある力士だった。長い間お疲れ様でした。
大相撲その他
旭天鵬は前頭8枚目で7勝8敗の負け越し。ちょっと力が落ちてきたか。でも四つ相撲はテクニックでカバーできるので来場所以降何とか踏ん張ってほしい。
けっきょく白い子は全勝優勝。つまらん。幕内通算勝ち星でも650勝と小錦を抜いて8位に上がってきた。1位魁皇の879まであと229。いまのペースならあと3年であっさり抜くぞこれは。日馬が絶好調時以外はほかの力士はつぶしあうだけというのが実証されたので。
■週刊プロレス買った
「プロレスをなめるな」表紙。あの全日両国大会で白石オーナーのアクションが乗っています。なんとKENSOにビンタをかまし、激怒した佐藤光留が向かっていった。これはどこまでが仕込みなのか。そしてKENSOはこのままリストラされてしまうのか。
■マラソン
最強市民ランナー・川内優輝は3/24のさいたまシティマラソンのハーフに出場、ソウルのフルマラソンから1週間ながら1時間5分台でまとめる。次の出走は4/21の長野マラソン(フル)の予定らしい。
■野球
金満巨人の激励会が都内のホテルで。ナベツネ会長86歳が久々に公の場に現れて激励。そのあと白石オーナーがスピーチで「いい選手であると同時にいい社会人であってください」と述べる。名指しこそはしなかったが誰のことを指しているのは明らか。
今週はこんなところ。
第68回SPZクライマックス。大混戦が予想されたが負けなしでしのいだペガサス藤原が最終戦を待たずに優勝を決めた。優勝争いの本命とみられていたセイウン草薙はまさかの失速で2勝4敗・・・・
最終戦は横スペ大会。
すでにSクラの行方は決していたが、地元本拠地なので超満員札止めの盛況。
第3試合のシングルマッチで小川あかりがNOTORIにSTFで初めて勝った。
リーグ戦最後の4試合は消化試合となった・・・・
玄海(10点、掌底からの体固め 14.47)カガミ(4点)
ラリアットで相手の動きを止めた玄海が重量感に満ちた攻めで追い込み、
「どうりゃっ」
ラストライドは態勢がやや崩れて返されたものの、ふらふらと起き上ってきたカガミへ掌底をぶち込んで3カウント奪取。玄海、10点でリーグ戦を終え、ここから先の試合結果を待たず準優勝が決まったので「横浜中華街のお食事券」5万円分を受け取って引き揚げたが、表情は浮かばれなかった。
「自分に甘い面があった。切り替えて来月から頑張る」
鳴り物入りで凱旋したカガミ、4点という不本意な結果に終わったが、北条の足を引っ張るなど一定の存在感は残した。
F紫月(9点、デスクロノグラフ 22.31)Dジョーカー(1点)
ダークジョーカーのラフファイトにフォルトゥナ大苦戦、ノーザン2連発、ギロチンドロップ、ニーリフトの猛攻を食らってもうだめかと思われたが、最後の最後で大どんでん返し、起死回生のデスクロノグラフががっちり決まり、ダークジョーカーついにタップ。フォルトゥナ紫月逆転大勝利。9点でリーグ戦を終え、淡々とした表情で引き揚げた。
P藤原(13点、ブレーンバスターからの片エビ固め 22.41)神田(6点)
すでに優勝を決めているP藤原、この日は後輩の神田相手に自信を持ってファイト。相手の攻めをある程度受けてからジャーマン、DDTの波状攻撃で追い詰め、最後はブレーンバスターで3カウントを奪った。この試合も22分41秒のいい勝負。
「この顔ぶれのSクラで1失点ですんだのは運っていうかなんというか…でも、まあうれしいです」(P藤原)
S草薙(6点、アキレス腱固め 9.05)北条(7点)
横スペ大会のメインは消化試合。ここまでの連戦で両者相当疲労しているのか、5分経過の段階から大技が乱れ飛ぶエキサイティングな試合となった。
「これで決めます」
セイウン草薙、切り札の草薙流兜落としを早々に繰り出したがこれでムッとした北条、フォールを返して立ち上がるや
「もう遊びの時間は終わりだ!」
剛腕ラリアット。大きく吹っ飛んだセイウン、不用意に近づく北条。ここでトラップが待っていた。
「うごあああ」
セイウン草薙、たまに見せるムーブ、アキレス腱固め。虚を突かれた北条はギブアップ。9分5秒という短い試合だったが、内容はエキサイティングだった。セイウン草薙、6点という不本意な結果でリーグ戦を終えた。
「ちょっと大崩れしました。まあ済んだことは仕方ありません」
メイン終了後表彰式、まず3位入賞のF紫月にスポーツドリンク1ケースが贈られ、そのあと優勝者ペガサス藤原に賞金200万円と副賞のブランド腕時計が贈られた。
「これからも努力と根性で頑張ります!」(P藤原)
ペガサス藤原、Sクラ優勝者に贈られる大トロフィーを抱きしめた。
第6戦は若鯉球場大会
玄海(8点、ラストライドからのエビ固め 17.53)F紫月(6点)
1敗同士の対戦、優勝争いに大きく影響する一番、しかし、
―同じ相手に2連敗はできない、絶対に
力でF紫月をねじ伏せた玄海。ラストライドで相手の戦意を不稼働に追いやった。
「先月タイトル戦で負けてるんですよ。ここで負けたらあの人に苦手意識が残ります」
フォルトゥナ紫月、優勝争いから大きく後退してしまった・・・・
P藤原(9点、レッグラリアットからの体固め 23.05)カガミ(3点)
ペガサス藤原、単独トップを守る。カガミのしつこい足責めに手こずったが、ジャーマンで形勢打開するや一気の攻め。フィニッシュはレッグラリアットだった。
「行けるかも・・・」(P藤原)
北条(5点、ラリアットからの片エビ固め 12.06)Dジョーカー(1点)
地力に勝る北条が手堅くファイトして、最後は剛腕をブンと振って快勝。
「まあ、あとは1点でも多く勝ち点を集めるだけです。あとは最終戦のメインでセイウンさんに勝つこと」(北条)
神田(6点、フロントハイキックからの片エビ固め 11.14)S草薙(2点)
セイウン草薙、格下相手にまさかの敗戦。この日は順当に大技を積み重ねていっただけに快勝かと思われたが、ローリングしての裏拳を連発でもらって動きが止まってしまった。
そこへ神田がフロントハイキックを叩き込み大金星の3カウント。
ええええええええええええええええええ?
場内大番狂わせにどよめきと悲鳴
セイウン草薙に勝った。神田、飛び上がって喜ぶ。セイウン草薙、これはもう落日なのか、ここまでまさかの1勝4敗。
「何も言えません・・・」(S草薙)
**************************
第7戦は仙台大会、リーグ戦も佳境。
F紫月(7点、時間切れ引き分け)カガミ(4点)
凄く厳しい組み手争い。玄人好みの攻防が長々と続いた。だが時間経過とともにF紫月が優勢になる」。デスクロノグラフを懸命にロープに逃げるカガミ。この流れが3回繰り返された。結局時間内に仕留めきれなかったF紫月、タイムアップのゴングを聞いた。
5点ロストのF紫月は優勝の望みが消えた。
北条(7点、バックドロップからの片エビ固め 13.24)神田(6点)
一昨日S草薙を破る大金星を挙げた神田だが、北条のパワーに押されてしまい、最後はバックドロップに屈した。
P藤原(11点 タイガーSH 16.34)玄海(8点)
優勝の行方を占う大一番。P藤原はこの試合に勝てば優勝が決まる。ここまで1分けで来ているP藤原と1敗で来ている玄海が激突。
パワーなら玄海だが、P藤原にはレスリングセンスがある。攻め合いしのぎ合うシビアな攻防が展開されたが、玄海の掌底でガクッと崩れたP藤原、
―これ以上は受けられない
P藤原、起死回生のジャーマン。これは返した玄海だが、立て続けに
「うぅわああー」
ペガサス藤原が気合一閃、玄海のガタイをタイガースープレックスホールドで投げ切った。
場内どよめきの中3カウントが入った。場内ものすごいペガサスコール。ペガサス藤原が最終戦を待たずして優勝を決めた。
「やっ・・・・た・・・・・」
S草薙(4点、パワーボムからのエビ固め 7.13)Dジョーカー(1点)
セイウン草薙、いまさらながらの2勝目。ジョーカーに7分少々で完勝した。
第68回SPZクライマックス、強豪同士のつぶしあいを制したのはペガサス藤原。最終戦を待たずに優勝を決めて、横浜での表彰式を待つ・・・・
第68回SPZクライマックス。セイウン草薙が5連覇に挑む。
第4戦はなにわパワフルドーム大会
Dジョーカー(1点、時間切れ引き分け)カガミ(1点)
「しつこいと嫌われますわよ」
カガミ、得意のアキレス腱固めを繰り出すが、ジョーカーもロープエスケープした後アキレス腱固めのお返し。そのあとレッグドロップ、ミサイルキック連発。カガミどこか動きに精彩がない。もう一度アキレス腱固めを狙うもなんとか耐えきったジョーカー、そのまま両者相譲らずドローとなった。
玄海(4点、ブレーンバスターからの片エビ固め 14.04)神田(4点)
2連勝スタートの神田、玄海にも打撃勝負を挑んでいったが、岩のような肉体を誇る玄海を倒すに至らない。逆に滞空時間の長いブレーンバスター2連発。これで神田は敗退・・・・
P藤原(5点、トラースキックからの片エビ固め 14.22)北条(3点)
ともにF紫月に引き分けての1勝1分けできた両者が激突。優勝争いのことを考えるとここはお互い負けられない。しかし、きれいにジャーマンを決めたP藤原が優位に立ち、ふらつく北条をトラースキック2連発で退けた。
「あのジャーマンをもらって訳が分からなくなった…甘くないな」(北条)
F紫月(4点、デスクロノグラフ 13.28)S草薙(2点)
お互い失点2を喫し、負けたほうが優勝戦線からほぼ脱落するシビアな一戦。しかし空気投げ、ノーザン、パワーボムといつも以上に厳しい攻めを見せたS草薙、相手をグロッキーに追い込むがこれはたまにF紫月が見せる罠だった。
「これでっ」
F紫月、一発逆転のデスクロノグラフ(変形ドラゴンスリーパー)
「は・・・・あ・・・あ・・・・ぐうう・・・・」
S草薙懸命にこらえたが抜けきれず、ガクッと力が抜けて、危険と判断した山本レフェリーが試合を止めた。
担架で運ばれる屈辱を味わったセイウン草薙。2敗目を喫し5連覇が厳しくなった・・・
************************
第5戦は福岡、九州ドーム大会
玄海(6点、ブレーンバスターからの片エビ固め10.44)Dジョーカー(1点)
地元の大声援を受けて気分よくファイトした玄海、10分経過と同時にラッシュをかけて、スクラップバスター、ブレーンバスターの猛攻でダークジョーカーを仕留めた。これで玄海3勝目。
「やっぱり最後はパワーの差が出たな」(玄海)
F紫月(6点、腕固め 29.55)神田(4点)
フォルトゥナ紫月、格下の神田にも地味でねちっこいファイト。さくっと勝ち点2を取りに行くということはしないで自分のプロレスを貫く。しかし神田も懸命にディフェンスを固める。このまま時間切れかと思われたが、残り時間10秒の時点でスッと腕を極めたF紫月。たまらず神田はギブアップ。
カガミ(3点、アキレス腱固め 14.28)北条(3点)
もうこれ以上は星を落とせない北条、重量感あふれる攻撃でカガミを追い込む。しかしカガミもシャイニングウィザードを2で返して、そのあとアキレス腱固め!
「ウヮァァッァ」
極められて痛がりあられもない声を上げる北条。痛みに耐えきれず無念のタップ。
「私はサウンドクリエーター。お楽しみいただけましたか?敵を屠(ほふ)った後に飲む紅茶もまた格別ですわ。」
大番狂わせ。北条が失点5(2敗1分け)で優勝戦線から脱落。
P藤原(7点、バックドロップを押しつぶしての体固め 17.27)S草薙(2点)
「これでどうだっー」
優勝戦線のトップを走るP藤原。この日もS草薙相手にジャーマンを決めたが、S草薙も草薙流兜落とし、バックドロップで猛反撃。お互いフラフラの状況となり、先に立ち上がったセイウン草薙が
「はああっ」
バックドロップを狙う、が、ペガサス藤原、上空で巧みに体をかぶせ入れて押しつぶし、そのままのしかかって3カウントを奪った。
ええええええ!!
沸き立つ九州ドーム。セイウン草薙がこのような形で3カウントを許すというのもなかなかないことである。
「どうしちゃったのでしょうか・・・」
頭を抱えるセイウン草薙、3敗目を喫し優勝の可能性が消滅した。
第68回SPZクライマックス。ペガサス藤原が7点でトップを走り、6点で玄海恵理とF紫月が追う展開・・・・
68年目8月
恒例のSPZクライマックス。出場者は以下の8名。
◆セイウン草薙(22)
5年連続6度目の出場
第64・65・66・67回大会優勝
「全力で行きます」
◆フォルトゥナ紫月(22)
4年連続4度目の出場
SPZ世界王者
「すでに全てのカードは私の手中にあります」
◆ペガサス藤原(21)
3年連続3度目の出場
「優勝狙っていきます!」
◆北条咲(19)
初出場
「ことしは出場者の実力が拮抗していると思うので、気力の戦いになると思いますが、粘ります」
◆玄海恵理(17)
2年連続2度目の出場
「ベルトを取られた悔しさをぶつける」
◆神田幸子(19)
初出場
「私はみんなの白星配給係じゃない。リーグ戦を引っ掻き回す」
◆カガミ・アスカ(18)初出場
「記者会見で飲む紅茶もまた格別ですわ・・・」
◆ダークジョーカー(年齢不詳)初出場
「AACのルードとして、悪の限りを尽くすぞ」
2戦目の札幌から、地獄のリーグ戦がスタート。
神田(2点、裏拳からの片エビ固め 12.22)Dジョーカー
ダークジョーカーのラフファイトにやや手こずった神田だったが、打撃に活路を見出し、最後は大きく振りかぶって裏拳で殴りつけて3カウント。Sクラ初参戦で勝利をゲット。
F紫月(1点、時間切れ引き分け)P藤原(1点)
リーグ2戦目にして早くもSPZ王者と元王者の対戦が組まれた。いつものようにグラウンドでねちっこく試合を作っていくフォルトゥナ。懸命にディフェンスを固めて行った藤原、残り2分でようやく得意のジャーマンで反攻開始したが、フォールを返したフォルトゥナ、その後もみ合っているうちにタイムアップになってしまった。
「別に・・・想定内・・・」(F紫月)
北条(2点、ビッグブーツからの片エビ固め 20.25)玄海
SPZ前王者と元王者が対決した一戦、前の試合とは打って変わってド迫力の攻防が展開。
「ウオオオ」
玄海強引にバックドロップを狙ったが北条巧みに上から押しつぶす。焦れた玄海が場外乱闘に引きずり込むが、玄海のパンチに怒った北条が場外ジャーマンという無茶苦茶な攻めを見せ、玄海がふらふらとリングに戻ったところを北条がビッグブーツで玄海を仕留めた。
「第一の難関突破ですね。リーグ戦ではここ(頭を)使わなければいけません」
S草薙(2点、ティロフィナーレからの片エビ固め 13.38)カガミ
「私の名はサウンドクリエーター、セイウン草薙の悲鳴を会場中に響かせますわ」
インドの山奥で修業したカガミが団体最強のセイウン草薙と相対。しかし相手の関節技を警戒したS草薙が10分経過の時点で兜落としを繰り出して相手の勢いを殺し、あとは適切に大技を積み重ねるいつものパターンで手堅く勝利。フィニッシュはB上原から盗んだティロフィナーレだった。
**********************
第3戦は一気に名古屋に飛んでのしゃちほこドーム大会。
神田(4点、裏拳からの体固め 18.57)カガミ(0点)
カガミ凱旋試合と同じカード。インドの山奥で修業した(ということになっている)カガミが巧みにグラウンドレスリングを仕掛けるが、神田もそうはさせじとエルボーや頭突きを叩き込んでカガミのペースを狂わせる。そして17分過ぎに繰り出した神田のステップキックが入ったのか、カガミがガクッと崩れる。ざわつく場内、察した神田が引きずり起こしてのショートレンジ裏拳でなぎ倒して3カウント。
「こっちはアンタがふけてた1年間SPZマットでもまれたんだ。インドの山奥だかチベットだか知らねえがそんなんにはやられねえぜ」(神田)
P藤原(3点、ジャーマンSH 11.16)Dジョーカー(0点)
藤原にとっては取りこぼせない試合だったが、終始余裕の表情で相手のせこい反則その他を受けていたP藤原、そのあと猛然と反撃しジャーマンで終わらせた。
北条(3点、時間切れ引き分け)F紫月(2点)
現SPZ王者と元SPZ王者の対戦は北条が制した。馬力に勝る北条が主導権を握り、レッグドロップ、ニーアタックとダイナミックな攻めを見せる。
「行くぞっ」
ラリアットで豪快に打ち抜いた北条、しかしフォルトゥナもフォールを懸命に返し、
「はああっ」
珍しく裏投げで反撃、両者ダウン。ドワアアアアア。よろよろふらふらと両者が起き上がったところでタイムアップのゴングが鳴った。
「ちょっと慎重になりすぎた。この1点ロスがどう響くか」(北条)
玄海(2点、パワースラムからの片エビ固め 14.40)S草薙(2点)
試合開始早々にラストライドを繰り出した玄海、しかしセイウンも落ち着いてキックアウトし空気投げで反撃。しかしそのあとも玄海、重量感あふれる攻め、ただのスクラップバスターも威力満点。苦しい戦いを強いられたセイウン、次第に焦りの色が。パワースラムを2で返したのち、もうこれ以上受けられないと草薙流兜落としで反撃するも、受けきった玄海が2度目のパワースラム。圧倒的肉体につぶされたS草薙、無念の3カウントを聞いた。
「玄海選手の執念に負けました。あのパワースラムはほかにない威力なので・・・」
そして第5試合、セミ前。
発表されていたカードは「神田幸子VS X」
エックスって誰だ。話題になっていたカード。先に入場した神田幸子、入場テーマがかかるや表情が険しくなった。
場内に流れる「HALLUCINO」
ドワアアアア
1年ぶりに加賀美明日香がSPZマットに戻ってきた。ハルカの事故で実家といろいろあって、無期限欠場していたが、ついに復帰した。
「赤コーナー!カガミ・アスカー!!」
リングアナのコールを受けて両手を上げる加賀美明日香改め、カガミ・アスカ。
「エックスはおまえだったのか・・・」
神田
「私は1年間某所で特訓してまいりました、」
だが試合が始まるや、神田がエルボーやキックといった打撃攻勢で優位に立つ。カガミ、寝かそうとするがそれは相手も承知。うまく間合いをとられてしまう。
「遊びじゃないんだ」
裏拳を叩き込む神田。しかしカガミも復帰戦で負けるわけにはいかないのでフォールを懸命に返して、アキレス腱固め、スリーパーで反撃。そのまま30分時間切れとなった。
荒い息をつく両者。ぐったりと倒れているカガミ、右足を気にしている神田。判定があったら神田がやや有利だったか。
ここでセブン山本統括がマイク。
「加賀美明日香は昨年8月以降、思うところあって再調整の修行に単身出た。インドの山奥でインドの古式レスリングを習得し、、カガミ・アスカとして上陸したのだ。とりあえず来月SPZクライマックスに参戦させるからよろしく。」
ドワアアアアア
セミファイナルはセイウン草薙、NOTORIに対するは北条咲、ペガサス藤原のタッグマッチ。セイウン草薙が最初から全力で飛ばし、23分2秒、合体パイルドライバーで北条から3カウントを奪取した。
そしてメインはSPZ戦、王者玄海恵理、初防衛戦の相手はフォルトゥナ紫月。
―あのパワーをいなさないと、勝ち目はない・・・
とにかく相手の組み手に持ち込まない。ディフェンスを固めて試合に臨んだフォルトゥナだったが、頭突き連発を食らって苦しい表情に。
「どおりゃあ」
ラリアット、ボディスラムを食らってフォルトゥナの表情が険しくなったが、
20分過ぎ、いきなり玄海が勝負に出た
「ウォォオォォォ」
バァアアアアアアン
ラストライド炸裂。しかしフォルトゥナ、懸命にカウント2.5で肩を上げたが、衝撃で目がうつろ、それでもスクラップバスター、ストレッチプラムで玄海を追い込んだのはさすが
「ウォォォ」
玄海キャプチュード、これで決まったかと思われたがロープに近い。かろうじてロープに逃れたフォルトゥナ
「ウガアアアー」
突っ込んでくる玄海恵理、
「い、いまだ・・・」
フォルトゥナ紫月、ジャンプしてタイミングぴったりでウラカンラナ気味に丸め込んだ。
ワン、トゥ、スリ
セブン山本レフェリーがマットを3つ叩いた。
王座移動。フォルトゥナ紫月がSPZ王者に返り咲いた。勝負タイム42分57秒。フォルトゥナ紫月大逆転。
場もたせの場当たりで書き始めたこの連載も50回を数えました。
今回ご紹介するのは
股裂き。
相手の股関節にダメージを与える関節技です。
原理は単純ですが威力の高い技です。
スタンディングとグラウンドの2系統あり、グラウンドで仕掛けるタイプを
「レッグスプレッド」とも呼ばれていて、こちらは試合前半の地味な痛め技となっています。
スタンディングは倒れている相手の片足を踏みつけ、残った足を両腕で高く上げて相手の股関節を痛めつけるえげつない技です。
1960年、ジャイアント馬場さんは、この技で田中米太郎からギブアップを奪いデビュー戦を白星で飾っています。あの巨体を利しての股裂きはものすごい威力だったことでしょう。80年代くらいまで痛め技として時たま使用されているのがyoutubeで確認できます。
グラウンドでの股裂きは現代プロレスでも多くの人が使っています。得意としているのが渕正信。基本技でいて、ねちっこくいやらしい攻めなのでけっこうな頻度で繰り出されていました。菊タローなどをこの技で悲鳴を上げさせていました。
WASでは残念ながら実装されていません。女の子相手に仕掛けると面白そうなのに。
こんばんわ、WAS没頭中の筆者konnoです。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
花粉症が酷くて鼻の穴にメンソレータム塗ってます・・・
■プロレス
・渕正信59歳まさかのJrタッグリーグ出場
3.17両国大会でカズハヤシの挑戦を退けた金丸義信、Jrタッグリーグ戦のパートナーに指名したのはまさかの渕正信59歳。大量離脱時には一介の若手だった金丸が戻ってきてかつての大先輩とタッグを組む。よくできた話である。渕さんは記者会見で「全試合でドロップキック決行」を表明。その齢で大丈夫なのか。
・征矢学長期離脱
世界タッグベルトを秋山潮崎に奪われた征矢学、頸椎ヘルニアなどを理由に長期離脱。迷タッグチーム、ゲットワイルド消滅か・・・・?
・諏訪魔三冠奪還
バックドロップホールドで船木を沈め三冠を取り戻す。まあ純プロレス路線への回帰なのか。
・KENSOと白石新会長がやりあう
ここのところカード的に冷遇されているKENSOが白石会長と3.17のメイン後に舌戦。うっわー。チャンピオンカーニバルで存在感を発揮できるか。
■相撲
旭天鵬が4勝6敗
無印の力士にも星を落とすようになってきたのでちょっと心配。前頭中位、9枚目なので幕内残留にはあと一つ勝っておきたいところ。優勝争い?どうせ白い子が(略)
■マラソン
川内優輝ソウルマラソンで2時間8分14秒、自己ベストを1秒更新
あの別府大分から1か月しかたっていないのにまた2時間8分台を叩きだす。(4位)まさに規格外。本人は7分台を狙ったが果たせなかったので悔し泣きしたらしい。そして翌日帰国してそのまま出勤。4月1日付で異動があるかもしれないので練習環境がどうなるかわからないとのこと。次回出走は3月24日のさいたまシティマラソンでハーフを走る予定。
■野球
世界一大会は残念でした。まあ日本が3連覇しちゃうのも国際大会としてどうかとも思うので、野球の世界普及のためにはこれでよかったのかもしれない。決勝はドミニカVSプエルトリコ。野球の本場は中米カリブ海なのか。
DeNA筒香、左足首ねん挫で開幕微妙
これで中村ノリの2000本達成の可能性が高まった。
今週はこんなところ。
68年目7月
「サマースターナイツシリーズ」開幕。
SPZ王座から陥落し、失意のセイウン草薙に同期のフォルトゥナ紫月が手を差し伸べた。
「セイウンさん、あなたの恐ろしさは同期の私が一番よく知っている、次のシリーズ、一緒にタッグを組んで闘いましょう」
この申し出をS草薙も受け入れ、7月シリーズのメインはS草薙、フォルトゥナ紫月のタッグが連日実現の運びとなった。
初戦青森大会、セイウン草薙、フォルトゥナ紫月、NOTORIのトリオが実現。センターには誰が来るのかというのが話題だったが、センターにはS草薙が入り、コールもS草薙が後だった。そして北条、玄海、神田組と対戦。実力者同士のめまぐるしい攻防に場内沸いた。しかし最後はNOTORIが戦線離脱してしまい、実質2対3の状況となってしまい、セイウン草薙がバックドロップで玄海のガタイを投げるも決定打とならず
「オラオラオラー、これが、力だ!!」
玄海恵理のラストライド炸裂。セイウン草薙、3カウントを奪われた。勝負タイム38分14秒。
「ウオーッ!さあ、新SPZ伝説の始まりだ!古い役者は第一線から消えろ!!」
頭を押さえて動けないセイウン草薙、指さしてマイクアピールする玄海。SPZ、時代は流れたのか・・・
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シリーズ第2戦盛岡大会、
「わたしが・・・メインイベント?」
なんと小川あかりがメイン登場。S草薙、F紫月、小川あかりVS玄海、P藤原、神田というカード。要するに相羽や中森、神塩といった中堅実力ベテラン勢の引退で、若手にチャンスが回ってきたのである。だがやはり小川が狙われる苦しい展開。なんとかS草薙につなぐも、セイウン草薙昨日のダメージが残っているのか相手チームに押されっぱなし。フォルトゥナも相手チームの猛攻を止められない。ムーンサルトは神田にかわされた。
「これでトドメだ!どりゃあ」
この日はF紫月がラストライドの餌食となった。勝負タイム24分12秒。
そして第5戦宇都宮大会、S草薙&F紫月の「2人」のタッグがついに実現、北条咲&神田とメインで激突。北条の力押しに手こずったものの、最後は神田を捕まえて20分40秒、合体パワーボムで終了。
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そして最終戦は新日本ドーム大会。
第1試合は小早川志保VSノティア・コプト。前座の定番カードである。だがまだ受けに難のある小早川、ちょっと守勢に回るともう挽回できない。けっきょく9分44秒、ボディスラムで投げられて敗北。
「ウェルカム トゥー SPZ」
ここでセブン山本統括部長が挨拶。
「皆様こんばんは。先月のさいたま決戦で玄海恵理がついにセイウン草薙を倒し、SPZ女王になってしまいました。で、その仇討に立ち上がったのが、同期のフォルトゥナ紫月。この両者が本日のメインイベントで激突しますのでお楽しみに。」
第2試合、小川あかりが登場。対戦相手はダークジョーカー。やはりまだ実力派外人相手だとパワー不足で苦しい小川あかり、一方的に攻め込まれて、最後は8分40秒、スクラップバスターで敗れてしまった。
「まだまだ努力が足りないみたい・・・」
第3試合、レッド・ロシアンVSブラディキラー1号の外人対決。初来日のレッド・ロシアンがバックドロップでブラディキラーを仕留めた。その試合が終わると休憩。
休憩後はフェアリー三井寺&アプリコットつばさの人気タッグが登場。ベケシャ・ウトン&ヴェゲアラカ・ウトンと対決。ただやはりウトン一族のコンビネーションは一流で、アイドルタッグの2人は大苦戦、しかしカットプレーで決定的ピンチをしのぎ、最後はアプリコットつばさが延髄斬りでベケシャを仕留めた。場内大歓声。勝負タイム19分43秒。
そして第5試合、セミ前。
発表されていたカードは「神田幸子VS X」
エックスって誰だ。話題になっていたカード。先に入場した神田幸子、入場テーマがかかるや表情が険しくなった。
場内に流れる「HALLUCINO」
ドワアアアア
1年ぶりに加賀美明日香がSPZマットに戻ってきた。
時に西暦2076年、
加賀美明日香は東京行の新幹線に乗っていた。
ちょうど1年前、ハルカの試合中の事故で、SPZは選手の安全を顧みない危険な団体だというバッシングがあり、動顛した加賀美の父親によって実家へ連れ戻されてしまった加賀美明日香。しかし彼女はプロレスを辞める気はさらさらなく、九州のローカル団体に時折参戦して小遣い稼ぎをしていた。
とはいえ前座の第2試合あたりに出て、地元ローカル団体の女子選手とグラウンドの地味な攻防を10分近くやって、最後は足関節を取ってギブアップ勝ちを収めるだけの試合内容。
(こんなところでくすぶっていられませんわ・・・・)
杉浦新体制になって、まず杉浦新社長が交渉に動いたが、加賀美の父親の意志は固く、「娘をそんな危険な場に置けぬ」の一点張りであった。何度も長崎へ飛んで交渉にあたった杉浦社長だが、埒が明かない状況が続いた。
「わたくしももう18歳、仕事するのにいちいち親の同意などいらないと思いますので、脱走してもいいですよ」
「いや、さすがにそれは・・・・」
本人は戻る気満々だったのだが、杉浦社長は強行突破をあきらめ、からめ手で攻めることにした。
「あ、もしもし、黒田さん、例の手筈、よろしくお願いいたします」
5月、SPZに元経済産業省の天下り役人が「非常勤顧問」として就任した。その人は流通業界に顔の利く元高級官僚であった。そしてSPZ経営陣はそのルートで加賀美の実家の会社の切り崩しを図った。
***************************
長崎市内にある「和食創作・おたけび」の本社ビル会議室。
「好条件の物件が4つ・・・・・SC内にわが社のレストランを出店できるのか」
九州の大規模ショッピングセンター内に加賀美の父親が経営するレストランを4店舗、相場よりやや安い賃料で出店しませんかという話が持ち込まれた。
ーこの商談が成功すればうちの年商は10億アップは固い・・・
加賀美の父親が居住まいを正す。地方経済の状況は良いとは言えない。そんな中売上上積みにつながる商談はぜひとも成功させたい・・・
「ただ、競合もいくつかその区画に出たいという話もありますので」
黒服の仲介業者が条件を切り出す。
「加賀美明日香選手を本人の希望通り再度上京させて、プロレスリングの第一線でファイトさせることで、SCに影響力のある有力者が御社の出店を後押しする方向で口利きいただけるとのことです・・・」
「む・・・・・!!」
そのあともすったもんだあったのだが、けっきょく加賀美の厳格な父親は折れて、娘の再上京を承諾した。
「どうなっても知らぬぞ」
「お父様、わたくしはそんなヘマはやりません。億のお金を稼いで、必ず長崎へ戻ってきます」
こうして加賀美明日香は1年ぶりに横浜の道場へ戻ってきた。
68年目6月シリーズ
最終戦・さいたまドーム大会、セミ前の試合
「次の試合に登場する相羽和希選手はこの試合が最後のファイトとなります、ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします」
相羽和希、大声援の中入場。対戦相手は小川あかり。攻めやすいところがあるので引退試合の相手に最適だろうとマッチメイク委員会が判断した。
相羽和希、序盤から巻き投げを連発し、小川あかり相手に優位に試合を進め、弱ったところを裏投げ!!
「うわあっ」
小川あかり、頭を押さえて苦しむ。
「こーれで最後!!」
相羽和希、バックドロップ炸裂。
そのあと上に載って片エビ固め、
ワン、トゥ、スリー
セブン山本レフェリーがマットを3つ叩いた。勝負タイム10分7秒。
勝った相羽和希、四方に礼をしてから引き揚げた。
***************************
セミはフォルトゥナ紫月VS北条咲。次期SPZ挑戦権のことを考えるとお互い負けられない一戦。そのせいかお互いどことなく様子見のファイトに終始。そのまま30分が経過し、時間切れドローとなった。
メインイベントはSPZ選手権。王者セイウン草薙に挑むのは玄海恵理。
先月北条に勝った実績が評価され、挑戦者に選ばれた。下馬評ではセイウン草薙の有利は動かないところだったが、序盤からラリアットを叩き込むなど、玄海も懸命に攻めたので盛り上がった。そしてスクラップバスターで叩きつける
―こんなのに付き合ったら壊される
セイウン草薙、早めに仕掛けて草薙流兜落とし、そしてバックドロップは切り返されたものの、パワーボム。しかし玄海もきっちりフォールを返して
「オラオラオラー」
パワースラム炸裂。2で返したセイウンだが息が詰まってしまたのか様子がおかしい。
「・・・・・・ぐっ・・・・」
「これでトドメだ!!」
玄海恵理、2度目のパワースラム。セイウン草薙、フォールを返せなかった。
えええええええええええええええええ!!
勝負タイム21分40秒、王座移動。玄海恵理が第196代SPZ王者に輝いた。場内どよめきと歓声。セイウン草薙まさかの敗北。
場内にとどろく「いざゆけ若鷹軍団」。そして玄海恵理の腰に年代物の黄金ベルトが巻かれる!!
「セイウンさんに勝ててうれしい。でも一度勝ったぐらいで超えたとは思っていない。7回やって4回は勝てるようにならないと」
************************
メイン終了後、中森あずみ休職セレモニー。車椅子でガラガラと運ばれて入場した中森あずみ、場内どよめき。上原課長に抱えられてリングに上がった。
中森あずみがふらつきながらリング中央に立ってマイクを握った。
「御覧の通りの状況になりましたが、ハルカの苦しみに比べれば大したことはありません。ハルカがこういう状況なのに、自分だけマット界から足を洗うわけにはいきませんので、しばらくお休みして体を治します。皆さん、本日はお越しいただきまして誠にありがとうございました。またいつの日かお会いしましょう」
中森あずみ、腰の具合は相当悪そうだが、はっきりした口調でファンに別れのあいさつ。会社サイドとの話し合いではとりあえず休職扱いにすることになった。
***********************
そのあと相羽和希引退セレモニー。
「ボクは・・・・・・普通の女の子に戻りますが、SPZの応援をよろしくお願いいたします!」
引退後はコーチとして団体に残ることが決まっている相羽和希、涙ながらにファンに最後のあいさつ。
相羽和希
2067年4月19日釧路厚生年金アリーナ大会での対 村上千秋戦でデビュー。2076年6月22日、さいたまドーム大会での対 小川あかり戦で引退。稼働月数111ケ月。出場試合数(概算)808試合
タイトル歴なし
68年目6月
「体力の限界を感じちゃいました。普通の女の子に戻ります」
SPZ59期・相羽和希が引退を表明。トップまであと一歩のところまでいったのだが、けっきょくSPZベルトには手が届かず中の上どまりの選手で終わった。
「どうやら自分はもう戦えないようです」
SPZ59期・中森あずみ、腰の状態がひどく、試合出場はおろか日常生活にも支障が出る状況で、SPZを休職し入院して手術を受けることになった。引退するかどうかはまだ「判断を留保したい」と申し出たので、「無期限休養」と発表された。
「バトルアトランティス」開幕。
初戦沖縄大会で小川あかりVS小早川志保のカードが組まれた。入社2年目の小川あかり、まだプロ入りしてからシングル勝利がまだなので、後輩の小早川をゆったりとしたファイトで追い込んでゆく。首投げで転がしてレッグドロップ2連発。これで小早川の動きが止まった。
「えい」
3度目のレッグドロップがさく裂し、これで3カウントが入った。8分15秒、小川あかり、遅まきながらプロ入り初勝利。苦しい練習が報われた。
「やっと…勝てました・・・」
**********************
沖縄大会メインは、セイウン草薙・相羽和希組に対するは玄海恵理、神田幸子組のカード。メインイベント登場に張り切った相羽だが、玄海のパワー攻勢の前にタジタジ。早々と戦線離脱してしまい、あとは玄海とセイウンがド迫力の攻防をやってのけた。
「・・・・っ」
実質2対1の状況が長く続いてしまい、セイウン草薙大ピンチ。なんとかしのいで幾分ダメージの回復した相羽にタッチしたが、ここで神田が仕掛けてきて、裏拳、DDTの前にフォール負け。勝負タイム20分13秒。
「セイウン草薙さんよ!最終戦さいたま、ベルトは頂くゼェ」
ダウンしたままの相羽、がっくり膝をつくセイウンを横に、玄海がマイクアピール。
*********************
そして最終戦はさいたまドーム大会。
「相羽和希最終試合」の大看板が掲げられた。
第1試合は先月同様小早川志保VSノティア・コプトのシングルマッチ。よく応戦した小早川だったが、コプトがバックのとり合いからスッと腕を極めて8分10秒ギブアップを奪った。
「みなさんこんばんは」
第1試合終了後、セブン山本統括部長が挨拶。
「今日のメインなんですが、セイウン草薙にあの怪力自慢、玄海恵理が挑戦。まあ玄海のラストライドがさく裂すればどう転ぶかわからないよ、それでわ」
第2試合は神田幸子VSブラディキラー1号。地方ではタッグでメインに出ることも多い神田だが、きょうはカード編成の都合で第2試合に回った。ブラディキラーのパフォーマンスにも動じず、10分経過とともにラッシュをかけて10分46秒、DDTで快勝した。
そして第3試合はアプリコットつばさ&フェアリー三井寺の人気タッグが登場。この日はベケシャウトン&ヴェゲアラカ・ウトンの実力派外人コンビと対戦。負傷欠場明けのアプリコット、動きが今一つで、外人チームにつかまってしまい、合体パイルドライバーの前に悶絶。勝負タイム13分12秒、その試合が終わると休憩。
休憩明けもタッグマッチ。前月ベルトどりに失敗したペガサス藤原が登場。NOTORIとタッグを組んで、ダークジョーカー、ダークデイジー組と対戦。
ダークジョーカーは今回来日にあたり、パブのバウンサーをしていたというふれこみの友達を連れてきて、「ダークデイジー」のリングネームで参戦させた。悪の限りを尽くす2人だが、NOTORIも懸命に耐えて耐えてP藤原につなぐ。
しかし外人チーム、栓抜き攻撃でP藤原を鼻から流血に追い込む。これでペガサス藤原、スイッチが入ったのか、
「これでどうだぁ!」
見事なジャーマンでダークデイジーを倒した。勝負タイム13分7秒。
そしてー
「次の試合に登場する相羽和希選手はこの試合が最後のファイトとなります、ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします」
場内ドワアアアア
(続きます)
68年目5月
「次の試合に登場する神塩ナナシー選手は最後のファイトとなります。ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします」
特別ゲストのブレード上原がアナウンス。そして流れる「リバースオブザビート」場内大歓声。元SPZ王者、神塩ナナシーがラストファイトのリングへ向かう。
そして「セントポール組曲 ダーガソン」が流れ、小川あかりがリングへ。もうこれは小川あかりがジョブをする内容だろう。
「はっ」
いつものようにゆったりとしながらも確実に一つ一つの技を繰り出してゆく神塩ナナシー、スクラップバスター連発で小川あかりを追い込んで、
「行きます!!」
アラビアンプレス炸裂。9分30秒、これで3カウントが入った。
神塩ナナシー、起き上がって一礼。ほっとした表情で引き揚げた。
******************
そしてセミファイナルは北条咲VS玄海恵理。パワーには自信のある両者が真っ向勝負。
「ウオオーッ」
玄海のラリアット。体重を乗せて打つのがうまくなった。しかし北条も掌底で応戦。
-正面からやったら向こうに分がある、なんとか機転を利かせないと
突っ込んでくる相手の力を利用する動きを見せた北条だが、
「オラオラオラー」
玄海、キャプチュード。これで北条動きが止まりかけたが
「はああっ!」
北条もラリアット、しかし玄海はフォールをぎりぎりで返し、重爆ドロップキックで反撃。
「ウオオオオー」
ここで玄海、必殺のラストライド。ロープ際だったので足をロープににかけた北条だったが、目が死んでいた。ふらふらと起き上ってくるところを掌底で殴り倒した玄海が勝利、勝負タイム23分24秒の熱戦を制した。
****************************
そしてメインイベント。王者セイウン草薙に挑む今回の挑戦者はペガサス藤原。だがセイウン草薙のペースで試合が進んでしまう。空気投げ連発、そしてノーザン連発。P藤原も得意のジャーマンで反撃したが後が続かない。そうとうダメージが深いのか。S草薙バックドロップ。これでP藤原の動きが止まった。
「これで決めます」
最後は草薙流兜落としがさく裂。頭から落ちたP藤原、フォールを返せなかった。勝負タイム22分34秒、王者が初防衛に成功。通算の防衛回数も22となり、歴代6位の吉田龍子に並んだ。
****************************
メイン終了後、神塩ナナシーの引退セレモニー。
「みなさーん、わたし今日で引退しちゃいまーす!ありがとうございましたー!!」
神塩ナナシー
SPZ58期
2066年5月11日、カイメッセ山梨大会での対 ジュリア渡辺戦でデビュー。2076年5月25日、横浜スペシャルホール大会での対 小川あかり戦で引退。稼働月数121ケ月、出場試合数(概算)855試合
タイトル歴
第169代SPZ世界王者
第172代SPZ世界王者
第184代SPZ世界王者
第61回SPZクライマックス優勝
今回ご紹介するのはポピュラーな丸め込み技
「スクールボーイ」
その名の通り学校に通う子供が習うレベルの技という位置づけで、ただ背後から相手の股の間に手を差し入れて相手を倒して、そのあとエビ固めのような感じで覆いかぶさって、3カウントを狙う丸め込み技です。スモールパッケージや逆さ抑え込みに比べるとシンプルな動きなので、新人や若手レスラーが逆転を狙ってよく仕掛けます。
とはいえ、よほど意表を突かないとこの技で3カウントを取るのは難しいので、それまで劣勢だった相手がこの技で丸め込もうとして「逆転か~?」とファンをおおっ!と思わせる動きとなっています。
シングルリーグ戦などで、調子のよかった選手が不覚を喫する際に決まり手としてよく出てきます。「叩きのめされた」わけではなく一瞬のすきを突かれての敗北なので負けた側のプライドが保てる決まり手なのでしょう。
誰もが使う技なのですが、印象的なシーンでは98年の全日ドーム大会で、小橋・エースがハンセン・ベイダーとやった時の試合で、攻め込んでいたはずのハンセン・ベイダーが、試合終盤小橋がハンセンにスクールボーイを仕掛け、なんとかハンセンは返したのですが、これで動揺したのか、続く首固めに3カウントを取られてしまったというのがあります。
女子だとスクールガールになるはずなのですが、WASでは実装されていません。小川ひかるや保科優輝に覚えさせると面白そうなのですが。
こんばんわ、WAS没頭中筆者のkonnoです。春の陽気を感じるこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今週のスポーツニュースのようなもの行きます。
■プロレス
全日本3.10後楽園、三冠前哨戦KOギブアップマッチは船木が三角締めで諏訪魔からTKO勝ち。前哨戦で諏訪魔を落とした船木。3.17両国ではどういうケツマツになるか。
4月頭は全日ジュニアタッグリーグ
カズ近藤、ジュニスタ、スシアンディ、大和佐藤の予想できたコンビに、鈴木青木、金丸&Xの元ノア勢が絡む。エックスって誰だろう。
■野球
世界一野球大会
もし台湾に負けていたら、キューバとどちらかが脱落するサバイバル戦を戦わなければならないわけだったから恐ろしい。金曜日に笹塚のジムで観ていたが95%負けだと思われた試合だった。が、9回2死から鳥谷の盗塁、井端の同点タイムリーという起死回生の展開。野球は恐ろしいスポーツだ。王建民が投げ続けていたらやばかった。80球という球数制限ルールに救われた面もある。
この原稿を書いている日曜の夜時点、オランダにまさかの16-4コールド勝ち。東京ドームの送風機でも操作したのかと思うくらいの一発攻勢。新宿のバーで観ていたがつるべ打ち。マエケンもよく投げた。これでアメリカ行決定。準決勝と決勝は、時の運に左右される部分もあるので、メジャー勢がいない中ここまでこれただけでも上出来だろう。
杉内、森福、涌井に福岡で女性問題スクープ。フライデーされてしまう。何をやっておるのかと思う。2次ラウンドで敗退していたら要因の一つに挙げられてたぞ。
■北朝鮮の恫喝が凄まじい件
ソウルとワシントンを火の海にしてやるなどと中二病国家まるだし。しかし韓国は同民族だしアメリカを本気で怒らすと消滅するから日本に核ミサイル飛んでくる可能性もある。やられたくなければカネと食糧出さんかいということか。新宿が焼け野原になる可能性も。まあ失うもののない組織は強いからねえ。がくがくぶるぶる。
今週はこんなところ。
68年目5月
「そろそろ限界のようですわ」
SPZ58期、団体最古参の神塩ナナシーが引退表明。
さすがに10年やってもう限界らしい。アプリコットつばさが右足首負傷で欠場。
5月シリーズ「バトル・カデンツァ」開幕。
************************
初戦山梨カイメッセ大会で新人・小早川志保のデビュー戦。さすがに緊張した面持ち。
対戦相手は相羽和希。
「ボクがリードする」
相羽和希、鋭いタックルを連発して小早川をなぎ倒す。小早川、ほとんど何も出来ぬままプロの痛みにのたうちまわる状況。
「動かないでッ」
最後は角度を調整した裏投げで相羽が完勝。勝負タイム6分35秒。
ぼうっとした衝撃で横たわる小早川志保。
・・・何もできなかった・・・・
小早川志保、デビューの味は苦かった・・・
**********************
山梨大会メインイベントに神塩ナナシー登場。S草薙、中森あずみと組んでフォルトゥナ紫月、北条咲、神田幸子と6人タッグで対戦。終盤のバタバタする乱戦をよく見ていて、最後は18分19秒、ネックブリーカーでフォルトゥナを仕留めた。
シリーズはそのあと九州各地を転戦。神塩ナナシー、いつも通りのサーキットをこなした。
第7戦長崎大会第1試合、神塩ナナシーと小早川志保が最初で最後の対戦。年の差10歳対決である。
小早川志保15歳、やる前から神塩ナナシー25歳のオーラに気圧されていた。
「たあっ」
神塩ナナシー、エルボー、スクラップバスターをゆったりとした間合いで繰り出し、最後は6分20秒ムーンサルトで3カウント奪取。
「第1試合は久しぶりです。まあこれが彼女の経験になればいいのですが。あと一つなので頑張ります」(神塩)
***************************
最終戦は横スペ大会。
「神塩ナナシー引退試合」
の大看板が掲げられた。
第1試合は小早川志保VSノティア・コプト。新外国人のコプト、レスリング技術はそれなりのものを持っているのでこんかい小早川の壁役がてら来日させた。この日もグラウンドで圧倒し、最後は脇固めで痛めつけてからのソバットで新人の小早川を仕留めた。
「WELLCOME TO YOKOHAMA!!」
セブン山本レフェリー兼統括部長が挨拶。新生SPZの狂言回し役である。
「今日は元SPZ王者、神塩ナナシーの引退試合がある。まあ対戦相手は全敗女の小川あかりだからあっさり終わると思いますよ。そしてメイン。こんかいセイウン草薙に挑むのはスープレックスマシーン・ペガサス藤原。そろそろあの女を止めないと営業的にまずいんで。じゃあ皆さん楽しんでいってください」
場内笑い。
第2試合は相羽和希VS中森あずみ。ベテラン同士の一戦だが、じっくりと寝技主体で攻めた中森が優位に立ち、最後は鋭いスクラップバスターで相羽を下した。勝負タイム23分48秒のいい勝負。
「・・・・・がっ!?」
だが勝った中森のほうがなかなか起き上がれなかった。ざわつく場内。どうやらフィニッシュのスクラップバスターのインパクトで自らも腰をやってしまったようだ。異変を観客に悟られまいと、平静を装ってなんとか起き上がり、一歩一歩ゆっくり歩いて引き揚げた。
「大事に至らなければよいのですが」(解説の杉浦美月)
そして第3試合は神田幸子、NOTORIが登場、対戦相手はダークジョーカー、ブラディキラー1号組。SPZの若手カッコいい系2人がタッグを組んだが、外人2人もせこい反則で応戦したので盛り上がった。ダークジョーカーの顔面かきむしりに場内ヒートアップ。
最後は4人が入り乱れる攻防の中、ダークジョーカーがノーザンライトSHでNOTORIを仕留めた。勝負タイム18分52秒。その試合が終わると休憩。
***********************
後半に入り第4試合、前SPZ王者のフォルトゥナ紫月が登場。この日はフェアリー三井寺と組んでベケシャ・ウトン、ヴェゲアラカ・ウトンと対戦。この日は楽な位置で登場したフォルトゥナ。持ち前の体力で外人姉妹を追い込む。だが外人姉妹も絶妙のタッチワークで応戦。フォローすべきフェアリー三井寺は外人2人のやられまくる状態とふがいない。
がそれは罠だった。やられたふりをしながらもフェアリー三井寺、コブラツイストをヴェゲアラカに決めて絞り上げる。フォルトゥナがスッとベケシャのまえに出てきて通せんぼポーズ。
「ウオァアアア」
ヴェゲアラカ、無念のタップ。勝負タイム18分16秒。
フェアリー三井寺の作戦がズバリ的中。フォルトゥナ紫月とがっちり握手。
そして、セミ前の試合、神塩ナナシーVS小川あかり
「次の試合に登場する神塩ナナシー選手は最後のファイトとなります。ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします」
(きょうで私、SPZを卒業する)
神塩ナナシー、黄色いマント状のガウンを羽織ると、花道へ続くカーテンを開けた。
(こうして最後の試合を迎えられることは、幸せだ)
ドワアアアア
場内に流れる「リバース・オブ・ザ・ビート」
神塩ナナシーは最後の戦いへ向かった。
68年目4月
SPZ旗揚げ67周年記念興行IN新日本ドーム
第2試合は外人同士のシングルマッチ。アルーシャ・サンチェスがヒップアタックでトリム・リチャーズを下した。
第3試合は人気のアイドルタッグが登場。アプリコットつばさ&フェアリー三井寺が登場し、ブラディキラー1号、ルシャガワーノ組と対戦。いい勝負が展開されたが、最後は4人が入り乱れる混戦に紛れて強烈なラリアットを叩き込んだフェアリー三井寺がブラディキラーを下した。勝負タイム13分12秒、その試合が終わると休憩。
*********************
休憩明けはタッグマッチ。神田幸子、NOTORI組に対するは神塩ナナシー、中森あずみの元SPZ王者コンビ。さすがに元王者が2人並ぶと貫録が凄い。
「いくら元チャンプといったっていまは型落ちでしょう。踏み台になってもらいますよ」
神田が打撃をガスガス撃ってゆく。しかし最後は中森が元王者の貫録を見せ、ストレッチプラムで弱らせてからパイルドライバーで神田を仕留めた。勝負タイム22分51秒。
そのあと3大シングルマッチ。
「なに、あれ?」
セミ前に登場したダークジョーカー、コーナー最上段に上がってホースから怪しい気体をまき散らすパフォーマンス。
対戦相手は玄海恵理。トリッキーな動きを繰り返すダークジョーカーに玄海苦しむ。ミサイルキック3連発に追い込まれたが、最後は玄海が最近多用しているキャプチュードでダークジョーカーを退けた。12分25秒。
セミはペガサス藤原VS北条咲。
次期SPZ挑戦権のことを考えるとお互い負けられない一戦。北条のタイガードライバー、P藤原のジャーマン。どちらに転ぶかわからない好勝負となったが
「これで終わらせる!」
北条ラリアット、しかしP藤原返す。ならばと北条ジャーマンを狙ったが
P藤原前方回転エビに切り返す。
ドドドド
何とか力任せにフォールを返した北条が、これで動揺したのか、続くペガサス藤原のレッグラリアートを返せなかった。勝負タイム18分45秒。
********************
そしてメイン、SPZ戦。王者フォルトゥナ紫月に挑むのは前王者セイウン草薙。
―戦いが長引くと危険。一気に潰すしかない。
5分すぎにいきなりS草薙が仕掛けた。草薙流兜落とし、空気投げ、そしてレッグドロップ、これで顔色を変えたフォルトゥナ、
「これで終わり」
肥薩のデスクロノグラフを仕掛けたが、セイウン草薙うまく体をよじって脱出。場内ため息。
―決めます。
ダイビングプレス、フランケンシュタイナー、ノーザンの大技攻勢であっさり3カウント奪取。勝負タイム23分39秒、セイウン草薙がSPZ王者に返り咲いた。
「紫月さんの絞め技はあれなんですけど、仕掛けられた状態から脱出する訓練を積みましたので、それが本番でもうまくいきました。」(S草薙)
レッスルエンジェルスサバイバー プレイ日記
輝くエッセンシャル
68年目4月
新人テストで小早川志保を採用。小柄だが運動神経がよさそうだったので採用した。
「旗揚げ67周年記念エッセンシャルシリーズ」開幕。
ドーム級の会場を回るBIGなシリーズ。SPZ上層部はメインにそれなりのカードをぶつけないと集客は図れないと判断し、第2戦なにわ大会ではメインのカードにセイウン草薙VSP藤原を据え(14分くらいでセイウン草薙がノーザン連発で勝利)、
第3戦広島若鯉球場でもメインにセイウン草薙VS北条咲をもってきた。(これも19分35秒、アキレスけん固めでセイウン草薙が勝利)
「SPZはカードの出し惜しみはしません。それに最終戦までセイウン草薙に強敵をぶつけて疲労させればそのぶんだけフォルトゥナ紫月が有利になります」
セイウン草薙のベルト奪取をよしとしない山本統括部長が意地悪なカード編成をする。
「シングルマッチ連戦でも大丈夫です。以前はそれが当たり前でしたから。それに勝ち癖をつけることができますし」(S草薙)
第6戦どさんこドーム大会で玄海を余裕で下したS草薙(18.29、ノーザン)、難敵を連破してタイトル戦に弾みをつけたか。
*************************
そして最終戦は新日本ドーム大会。
「旗揚げ67周年記念大会」ということで67粒入りのキャンディアソートボックスが入場者全員に配られた。
カン、カン、カン、カン、カン
ゴングがいつものように5回鳴らされる
18時30分、最初に鳴ったテーマ曲はホルストの「セントポール組曲第4楽章」いつものようにTシャツを羽織った小川あかりが花道を走って入場。そのあと対戦相手の相羽和希がゆっくり歩いてリングイン。
淡々と第1試合30分1本勝負が始まる。
小川あかりVS相羽和希。
あの相羽ちゃんが第1試合にまで落ちたかとファンはため息。相羽ちゃん、さすがに若手のいいところを引き出す大人のファイト。
―ボクにこういうファイトをさせてるようじゃダメなんだよ。
「・・・・うう、いてっ!」
小川あかりのエルボーを食らって大きくのけぞる相羽のパフォーマンスに場内笑い。この日の相羽はともかく後輩の攻めを受けた。
「う、あーッ!」
腕関節を取られてもおおげさに痛がりながら防御する。そのまま25分が過ぎた。まさかこのまま時間切れ引き分けかとざわつきだす場内。だがその辺は相羽ちゃんも心得ていて、
「そろそろいいよね。」
相羽和希、ノーザンライトスープレックス。これは本気の投げ。
「・・はうっ!」
相羽の肩が腹にめり込む。小川あかり、一発で戦意を喪失し、無念の3カウントを聞いた。勝負タイム27分55秒。
相羽和希のテーマ曲「胸を張ろう!」が流れる中、相羽和希はリング上で人差し指を突き上げ勝利をアピールしてから引き揚げた。
「ううっ」
小川あかり、25分遊ばれたうえで相羽のノーザン一発に屈した。苦しそうな表情。
「解説の杉浦さん、この試合は」
「相羽選手が新人を手の上で動かしましたね。小川あかりの攻めも悪くはないんですけど、相羽選手は「あいつに一発で眠らせる攻撃はない」と読み切っていましたね。そんで最後はノーザン一発で終わり。もっと小川選手は受けを鍛えた方がいいですね」
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「wellcome to SPZ」
第1試合終了後、仕切りたがりの山本統括部長が挨拶。
「今日はメインでタイトルマッチがあります。セイウン草薙VSフォルトゥナ紫月。まあセイウン草薙が痛みにのたうつシーンをご鑑賞いただければと存じます」
場内笑い。
(旗揚げ67周年記念大会 続きます)
小川三代インタビュー(3)
小川あかり(SPZ67期) 本名:西明里(16)
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昨年4月にSPZからデビューした期待の新星レスラー、小川あかり。なんと母親も祖母もSPZで活躍した名レスラー。その3代目がついにSPZマットデビュー。まだまだ駆け出しだが、プロレス一家ではぐくまれたその素質に期待する関係者は多い。
―はじめまして、京スポ新聞の福田です。
「初めまして、SPZの小川です」
―お母さんもおばあさんもプロレスラーというレスラー一家の家系に生まれたとのことで
「自分の中では、プロレス一家だという意識はなかったですね。わたしはおばあちゃんっ子で、週末は良く祖母の実家の松本に行ったのですけど、レスラー時代のことはまったく話してくれませんでした。それは母も同様でした。同じ苦労をかけさせたくないという思いだったのでしょうか」
―実家から小川ひかるのリングシューズを見つけたのがプロレス入りを意識した最初とのことですが
「そうですね。あれは小学1年か2年の頃だったと思うんですけど、祖母の実家がやたら広くて、笹塚の自宅マンションの3倍くらいあって・・・札束とか宝石とか落ちてないかなと思って走り回ってたら、段ボールに銀色の長靴がいっぱい入ってたんですよ」
―それが小川ひかるのシューズだった
「祖母に見せたところ動揺して、『そ、それは若いころ仕事で使っていた靴なのよ』ってしどろもどろになって話して・・・でもかっこいい靴だなあって思ったんですね、子供心に。あとから聞いた話では『死んだおじいちゃんからもらったので捨てられなかった』と言ってました。けっきょくそのリングシューズはデビュー前にもらって、今でも試合の時に使っています」
―それでスポーツジムに通いだしたそうで
「プロレスラーになるためにはどうすればいいかって考えて母に相談したら「フッ」て笑われまして。それでちょっとイラッとして本とか読んで調べたんですけど、昔のレスラーさんの自伝とかを読むと試合のことより練習がきつい、死ぬかと思ったっていう描写が多かったので、ジムに通えばいいかなって思って頑張りました。チェストプレスとかけっこうはまりましたね。先週できなかった重さが今週はできるようになったのが面白くて」
―首尾よくSPZの入門テストに合格されましたね
「けっきょく母は最後まで『あなたは格闘技に向いていない』って首を縦に振ってもらえなかったんです。それでも自分のことは自分で決めたくて、SPZに書類出して入門テストを受けたんですけど、ジムで鍛えまくっていたのが功を奏してか、なんとか規定のメニューをクリアしたら、審査員のなかに杉浦(現SPZ社長)さんがいて、『あなた、まさか、フローラ小川さんの』って言っていただいて、それで入門が決まっちゃったようです」
―そして昨年の4月にデビューされました
「見るのと実際にやるのは大違いです。練習では手加減して投げてもらっても、本番ではシビアにやってきますから、きちんと受け身をとるだけで大変です。一歩間違えると大怪我するってのがよくわかりました。でもリングに上がると満員のお客さんが、頑張れよ、次も頑張れよって言ってくれますので、何とかついて行こうかなって思っています」
―母親のフローラ小川さんからは何かアドバイスを受けていますか。
「ことあるごとに相談してるんですけど、『縁故採用で入ったとみられているのに私がいろいろ教えたらますますそういう目で見られるわよ。それにプロレスで大事なことは自分で体得しないと身につかない』って突っ返されてます。いまでも私の試合をテレビで見て『後ろ受け身の取り方がなってない、心臓に悪い』っていってますから・・・・早くいっぱしのプロレスラーになって、『フローラ小川』を見返してやりたいですね」
―祖母の小川ひかるさんとは話をされていますか
「祖母も最近東京に出てきたので、いろいろ相談に乗ってもらっていますが、『プロレスはもうだいぶ昔の話なので忘れた』って返されますね。自分で頑張れって暗に言ってるのだと思います」
―今後の目標は
「まだ未勝利なので、シングルマッチで勝てるように頑張ります。会社も自分は『小川一家の3代目』として売り出したいようなので、祖母や母の名に恥じないようなレスリングをやっていきたいと思います」
小川三代インタビュー(2)
フローラ小川(元SPZ世界王者) 本名:西花子(49)
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小川ひかるの一人娘にしてSPZ34期として入門したフローラ小川、母親譲りのレスリングセンスに加え、そこそこの耐久力やパワーを身につけ、一時期はSPZのトップグループで闘って、ついにSPZ世界王者に輝く。現在は料理人として第2の人生を生きるフローラ小川に近況をインタビュー。
―どうも、京スポ新聞です。
「あ、お久しぶりです。」
―近況とかをお聞かせください
「そうですね、最近はしがない料理人をやっています。年取って遠距離通勤がしんどくなってきたので、最近は近場の洋食店で調理補助してます」
―プロレス団体社長の家に生まれて、レスラーを志したいきさつを聞かせてください
「ひとことでいうと・・・・家に一人でいることが多くて、父も母も仕事が好きで、よく家でDVDを見ることが多くてですね。見ちゃったんですよ。小川ひかるのファイトを。あれが原点でしたね」
―それでSPZに
「SPZの待遇条件を聞いたら頑張れば年収1000万は固いという話だったので、やはりコネを使わない手はないだろうと(笑)判断して、父に相談したんです。そしたら『吉田(龍子・元SPZ社長)さんに口利きだけしといてやる、あとは花ちゃんで何とかしてね』って言われました。でも裏で話ができていたらしくすんなり入門テストに通って・・・そのあと1か月で後悔しました、練習がきつくてきつくて、脱走を真剣に考えましたね」
―でもトップにまで上がりました
「一つ上に佐久間さんっていう優しい先輩がいまして、技術的なこととかトレーニング方法とかは親身に相談に乗ってくれたんですよ。『あなたは体が小さいから、それを補うあなたなりの技術がないといけない』と口を酸っぱくして言われましたね。初めて佐久間さんに勝った時、『まさかあなたに取られるとは思っていなかった、ごめん』って試合後に言われました。」
―12年もの長い間レスラーとして活躍されました
「あ、あれは…父が持っていた団体の株を譲り受けて、辞めるにやめられなかったという事情がありました。無駄に人気があったので(笑)キャリアの終わりのころは一方的にやられるだけというムザンな試合も多かったのですが、それでもお客さんが手を叩いてくれるのですから、プロレスっていう競技は奥が深いんでしょうね。野球とかだったから10対0で負けたら罵声が飛びますよ、ピッチャー代えろとか監督辞めろとか」
―最後はレスラーのライセンス返納勧告が出たそうで
「今の主人と結婚しても、プロレスを辞めさせてくれそうになかったので、懇意にしていたお医者さんの欲野さんに相談しましたら、バンプの取りすぎで腰と首が相当酷い状態だったようで(笑)ライセンス返納勧告書を書いてくれましたね」
―第2の人生は料理人を選びました
「SPZ道場の近くに『よこ川』っていう和食のお店があったんですけど、立ち上げのころから選手が常連になっていたので、マスターに冗談半分で『オレの料理がなければSPZが大きくなることも、あなたが生まれてくることもなかったんじゃないの』って言われまして、おいしい料理には人を変える何かがあるんじゃないかって思うようになりまして、27歳からは包丁を握ってますね。出産で離れていた時期もあったんですが、いろいろなお店で修業させていただいてます。和食は繊細さが要求されるので、どちらかというとローストとか炒め物とかのほうが性に合ってますね(笑)」
―娘さんもSPZの新人レスラーとして入門されました
「やめろって言ったんですよ・・・・身体も大きくないし力もないのに・・・・でも「今の時代つらくない仕事などないでしょう」って言い負かされて推薦なしで入門テスト受けて、そのあとすぐ杉浦(美月)さんから私の携帯に電話があって『3代目として売り出します。お預かりさせていただいてよろしいでしょうか』っていってきたんですよ。苦笑いするしかなかったですね。でも格闘技に向いてない性格なのでかなり苦労すると思いますよ。あの子がいつ逃げ出してもいいように明里の部屋はそのままにしてあります(笑)」
―今後の目標などがありましたら
「父が良く言ってたんですけど、『倒れるときは前のめりだ』って。その通りカラオケで歌った直後に血を吐いて倒れちゃいましたからね。人生楽しいのが一番だと思います。近い将来、自分の食堂を持ちたいですね、人に雇われるのもいいですけど、自分で経営もやってみたい気がします。2,3年でもいいから」
WAS没頭中 連載6周年記念書き下ろし
小川三代インタビュー(上)
時に西暦2076年春、京スポ新聞に3日連続でインタビューが掲載された。親子3代とも人気女子プロレスラーという小川3代のインタビュー。けっこう反響があった。
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SPZ入門第1号 小川ひかる(83)
今や日本有数のプロレス興行団体として世界にその名をとどろかせているスーパースターズ・プロレスリング・ゼット。年3回のドームツアーは常に満員の盛況で、本拠地の横浜スペシャルホール興行のチケットはなかなか取れない固定客の多さを誇る。その入門第1号選手である今野(旧姓・小川)ひかるは、今は東京都内の介護付きマンションで暮らしている。
―創業者の今野さんが亡くなられてから郷里の松本に帰られたと聞いていたのですが、また都内に戻って来られたのですか。
「おととしの冬、ちょっと心臓疾患で倒れまして・・・・娘夫婦が『すぐ駆けつけられるところで暮らしてほしい』と言ってきまして・・・・それに松本の実家も一人で暮らすには広すぎましたし、処分することにしました」
―SPZの入門1号選手とのことですが
「・・・・・まさか自分がプロレスやるなんて思ってもいなかったんですけど、体力作りのためにアマレスをかじっていたら話が来て、初代社長の今野さんと面談して、条件が良かったので判断しちゃいましたね、お金に目がくらみました(笑)」
―ご苦労も相当あったとお聞きしています
「まあそれは・・・できたばかりの団体でしたから・・・・いまの選手たちと違って、会場のリング設営とかイス並べとかぜんぶ自分たちでやらなければならなかったですね。ただ、そんな大きくない団体だったので、試合では、自分はただやられるだけでお客さんが沸いてくれました。いまの選手たちは大きい会場でやるのが当たり前になってますから、内容がともなってないといけないですから、そういう意味ではいまの選手たちの方がいろいろ大変だと思いますね」
―9年間ファイトされて、タッグ世界王者にもなられました
「あれは、パートナーの・・・・・草薙さんに全面的に助けられました。自分はそんなに力もセンスもあるほうではなかったのですが、こっぴどくやられることで盛り上がってくれましたから、プロレス業界はなにが幸いするかわかりませんね(笑)」
―引退後に創業者の初代社長とご結婚されて
「まあ、現役時代から・・・・あの人に狙われていたようですから(笑い)試合で負けて意識をなくしちゃうときがよくあったんですけど、そういうとき社長が血相変えてリングに上がって手を握ってくるのは自分の時だけだったんですね。それでまわりの選手にもろにバレていたようです。選手のうちは上司と部下だったので一線を引いていましたが、やめてから交際を始めました。プロポーズの言葉『一緒に靖国神社へおまいりへいこうか』だったかと思います」
―そのあと公認会計士として長い間ご活躍されていたようですが
「あの人は年がら年中、仕事で家を空けることが多くて、自分だけ家に居続けるというのもどうかと思ったので、第2の人生は監査法人のお手伝いをさせていただきました。元レスラーということでかなりお取引先からは驚かれました」
―娘さんもプロレスラーになられました
「危ないからやめなさいっていったんですけど。もともと活発な子で『太く短くぱあっと生きたい』とか言ってですね・・・SPZの門をたたいちゃったんですよ。でも力は自分よりぜんぜんありましたし、練習環境もよかったので一時期はトップにまでなって・・・・・あの時は自分の事以上にうれしかったですね」
―お孫さんもレスラーとしてデビューされました
「娘は私以上のワーカホリックで、料理人の仕事が忙しくて、孫の明里の世話を自分に押しつけていたんですよ(笑)実家にしまってあったリングシューズを見たのがきっかけのようで・・・鍵つきの倉庫を買っておけばよかったです(笑)でも本人がプロレス入りを判断したことですから、いまさら年寄りの私がどうこういえません」
―お孫さんからは技術的な相談とかを受けているようで
「明里とはちょくちょく電話のやり取りをいまでもしていますね。クラッチの切り方とか逆エビの返し方とかを相談してくるんですけど、自分もこまかいことは忘れてますから、『人の試合を見たり、男子団体のDVDを見なさい』ってアドヴァイスしています」
―最後にファンの皆さんに一言
「私も、もう83歳になりました。もうかんぜんに余生ですね。楽しみと言えば京プラの創作和食を食べに行くことと、孫の小川あかりのプロレスを見るくらいです。残された人生をできるだけ楽しんで、今野さんの待っているところへ行こうと思います」
みなさんこんばんわ。
WAS没頭中筆者のkonnoです。
今年は花粉が飛びまくっています。こういう時に外で遊ぶと身体の中の抗体が暴れ出してちょっとした刺激でも敏感に反応する悪循環になってしまうので3月が終わるまでは極力外出を控えるしかないのです。
■プロレス
全日本プロレス スピードパートナーズ社に事実上買収されていた
旗揚げ41年の老舗プロレス団体が企業再生会社に事実上買収されていた。新オーナーの2年以内にドーム進出とか総合格闘技進出とか四天王プロレス越えとか発想がアナログ時代のそれだ。プロレスと総合格闘技は別の競技なのに。まあ全日本の負債がやばいことになっていたので助けてくれる人がいないとつぶれてしまうのだが。
まあこれで秋山らバーニング勢5人の参戦も合点がいく。レスラーに限らず、羽振りのよさそうな会社に群がるのは職業人として当然の行動。
しかし、よほどの投資をしない限り斜陽化したプロレス興行の客入りが改善するとは思えないので、数年後新オーナーが見放した後が怖い。
3.17両国大会、メインは諏訪魔VS船木の三冠戦。とりあえずいまできる最強のカードをぶつけた。渕さんは西村と組んでKENSO、フレアーの息子と対戦。
■野球世界一大会
この原稿を書いている5日昼時点ではブラジル、中国戦になんとか勝って2連勝スタート。Cubaといっしょに2次ラウンド行きはほぼ決定。台湾でやっているB組はオランダ、韓国、台湾の争い。不調のマー君をブラジル戦でさっとひっこめたり勝負どころの代打井端などいまのところ采配はまずまずなので、ベスト4進出してサンフランシスコに行けるかもしれない。
中日岩瀬38歳オープン戦初登板
最強346S守護神投手が広島とのオープン戦に登板し、1回を投げて広島の下位打線相手に2塁打2本を浴びて1失点。中日スポーツはまだいろいろ試している段階と好意的に書いていたが、これはもう落日なのか。
■マラソン
川内優輝、ハーフマラソンで19歳に敗れる
熊本県玉名ハーフマラソンに出走し1時間3分台でまずまずの走りを見せるも19歳の実業団選手に敗北し2位に終わる。まあ職場の高校のお仕事が受験受付対応で忙しい時期というのと毎週毎週本気を出すと壊れるからこれでいいのだろう。くまモンと記念撮影していい笑顔。3月5日に26歳の誕生日を迎えました。次回出走は3/17のソウルマラソンの予定。
■ブラック企業に勤めているんだが
上司が社長なので引退を切り出せない。月間労働時間300時間、不整脈を理由で切り出すアングルを考えてはいるんだけど。
67年目3月
「まだ…大丈夫・・・ツ」
SPZ王者となったフォルトゥナ紫月が右ひざ負傷で欠場。こんどは治すほうを優先させた。これを受けてSPZはストーリーラインの一部変更を行った。
3月シリーズの終盤にセイウン草薙、ペガサス藤原、北条咲、玄海恵理の4人による「挑戦者決定リーグ戦」を行い、その勝者がF紫月の持つベルトへの挑戦権を得ることになった。
第6戦宇都宮大会。
北条(2点 ラリアットからの体固め 11.59)玄海
宇都宮大会セミで北条がしなるようなラリアットを決めて玄海を破り、前回対戦の雪辱を晴らした。
「同じ相手に2連敗はできない」(北条)
S草薙(2点、アキレス腱固め 17.07)P藤原
ペガサス藤原もよく応戦した。セイウン草薙のフランケンシュタイナーをパワーボムに切り返したシーンでは沸いたのだが。直後に足を取られアキレス腱固めで極められてしまい、
「うああああ!!」
耐えきれずギブアップ負け。
「あーあ!やっちゃいました」(P藤原)
第7戦幕張大会。
P藤原(2点 14.44ブレーンバスターからの体固め)玄海(0点)
P藤原の強烈ジャーマンで頭を打ってしまった玄海。続くブレーンバスターを返せず終了。
「ま、プロレスは馬力だけじゃないですからね」)(P藤原)
S草薙(4点、フランケンシュタイナーからの体固め 19.41)北条(2点)
セイウン草薙の波状攻撃を北条受けきれずフォール負け。
*************************
そして最終戦はさいたまドーム大会。
第1試合は外人同士のシングルマッチ。
そして第2試合はタッグマッチ。中森あずみ、神田幸子VSヴェゲアラカ・ウトン、ベケシャ・ウトン。ノーザン連発を食らって動きの止まった中森、たまらず神田にタッチ。しかしその神田も外人チームにつかまってしまい25分40秒、フロントスープレックスで勝負あり。
第3試合は神塩ナナシーVSブラディキラー1号。ベテランの神塩が休憩前の位置でファイト。ゆったりとしたペースで試合を組み立て、最後は伝家の宝刀アラビアンプレスでブラディキラーを仕留めた。勝負タイム14分32秒。
第4試合は人気タッグ、フェアリー三井寺、アプリコットつばさが登場。相羽和希、NOTORI組と対戦。4者譲らぬ熱戦が展開されたが、最後はアプリコットつばさ得意のシューティングスタープレスがNOTORIに決まり終了。勝負タイム15分34秒
セミ前の第5試合、
「次の試合に出場するユーリ・セモポヌメ選手はこの試合が最後のファイトとなります、ファンのみなさまより一層のご声援をお願いいたします」
SPZの常連外人、セモポヌメがラストファイト。この日は小川あかりと対戦。相手のスリーパーやドロップキックを受けた後、反撃開始。
「オラー」
ニーアタック、フロントスープレックスで追い込む。ラリアットは脇固めで切りかえされたが、落ち着いてフロントスープレックスを3連発、これで動けなくなった小川あかり、ラリアットを叩き込んで完全に動きを止めてから、客席にアピールして
「FINISH!」
急角度バックドロップ炸裂。11分45秒、これで小川あかりを仕留めた。
「セモポヌメ!セモポヌメ!!」
満場のセモポヌメコール。第60回SPZクライマックスを制したことのあるセモポヌメ、本国で結婚したためもう危険な仕事を続けられないと判断し、今回が最後の来日となった。
「ウァハハハハ」
コーナー2段目に上がり缶ビールを飲むパフォーマンス。豪傑常連外人がリングを去った。
セミメインは挑戦者決定リーグ戦。
S草薙(6点、ノーザンライトSH 11.56)玄海(0点)
王座挑戦権争奪リーグ戦はセイウン草薙が全勝で制した。玄海の力押しを受け止めたセイウン。得意のノーザン連発で若手の挑戦を退けた。
北条(4点、パワーボムからのエビ固め 44.17)P藤原(2点)
さいたまドームのメインイベント、両者の意地がぶつかりあったが最後はパワーボムを決めた北条がP藤原を下し、44分に及んだ熱戦を制した。
*****************************
「グッバーイ!SPZ!!」
メイン終了後、ユーリ・セモポヌメの引退セレモニー。テンカウントゴングの後、全選手参加の胴上げ、SPZ杉浦社長から金一封の贈呈、本人からのあいさつと、所属選手並みのセレモニーが行われた。引退後はロシアに帰りスポーツインストラクターとして第2の人生を送るらしい。
67年目2月
「スノーエンジェルシリーズ」開幕。日本海側の都市を回り、最終戦は本拠地に戻り横スペ大会。
「WELLCOME TO YOKOHAMA」
山本統括部長のあいさつの後、第1試合、小川あかり VS NOTORI。
デビュー以来勝ち星のない小川あかり。この日もNOTORIにいいように攻められ、最後は掌底でがスッと殴られて敗退。勝負タイム12分10秒。
第2試合は神田幸子VSブラディーキラー1号。神田の打撃は当たらない。ブラディーキラーのほうがタイガードライバー、フェイスクラッシャーとたたみかけ、3カウントを奪取。勝負タイム12分31秒。
第3試合は神塩ナナシーVSセモポヌメ。ベテラン同士の対戦は、お互い譲らぬ好勝負になったが、
「これでフィニッシュです」
アラビアンプレスを決めた神塩が3カウント奪取。勝負タイム14分17秒。その試合が終わると休憩。
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後半最初の試合はタッグマッチ。フェアリー三井寺、アプリコットつばさのアイドルコンビに対するはオーロラマスク&ミスティックR組。スピード感あふれる攻防が展開されたが、アプリコットつばさが7分22秒ダイビングプレスでミスティックRを退けた。
セミ前は中森あずみ、相羽和希のベテランコンビが登場。対戦相手はベケシャ・ウトン&ヴェゲアラカ・ウトン。
「うううっ」
ウトン一族の猛攻を懸命に耐える相羽ちゃん。しかしラリアットを食らって吹っ飛んでしまう。頼りの中森あずみもタッグマッチだと極めきれないのか、グラウンドでもどこかふがいない状況。最後は相羽ちゃんが無理矢理パイルドライバーを狙ったところをリバースに切り返され敗北、勝負タイム24分29秒。
セミは北条咲VS玄海恵理。
前SPZ王者の北条が若手の玄海の挑戦を受ける。玄海、馬力では北条の上を行き、パワースラム、ブレーンバスターであと一歩まで追い込むが
「いくぞっ」
北条、スクランブル発進。ラリアット、パワーボムの猛攻。しかし玄海恵理もギリギリで返して2度目のパワースラム。
両者ダウン、名勝負となった。
ワーワーワーワー。
北条、執拗にサソリ固めを仕掛けたが耐えきった玄海
「ウォォォォォ」
初公開のキャプチュード。
ワン、トゥ、スリー
23分50秒、玄海恵理が前SPZ王者の北条を倒した。
「ばかな・・・・玄海の力も強くなってきたのか・・・」(北条咲)
そしてメインイベントSPZ戦。
王者セイウン草薙VS挑戦者フォルトゥナ紫月。
「さあ公開失神ショーの始まりだ!」
セブン山本レフェリーが叫んでからF紫月が入場。そのあとセイウンが入場。
だが、試合が始まったらセイウン草薙のペース。空気投げの連発で隙を見せない。しかしフォルトゥナもデスクロノグラフで締め上げ。懸命にこらえたセイウン、ギブアップだけは口にしなかったが、これで動きが止まった。そしてフォルトゥナ、ストレッチプラム
「あ・・・あああ・・・・っ」
これも懸命にこらえたセイウン草薙、しかしこれでぐったりとしてしまったセイウン草薙、
「はっ」
ここでF紫月が勢いよくジャンプして決めたフランケンシュタイナーこれで3カウントが入ってしまった。
王者初防衛に失敗。勝負タイム28分24秒。どうも最近のセイウン草薙はフォルトゥナ相手の苦手意識を持っているようだ・・・
時に西暦2075年
SPZ宇都宮大会で試合後、脳出血により意識をなくしたハルカ(SPZ60期)、宇都宮市内の病院に救急搬送され、開頭手術の結果一命は取り留めたものの意識は戻らないままであった。
「うわああああああああああ」(婚約者、加藤貴明、慟哭)
「東京に移そう、その方が可能性出てくるかもしれない」
SPZのメインドクター・アポカリプス病院の欲野深三医師、ハルカを東京のアポカリプス病院へ移送することを判断。年の瀬の早朝、ハルカは点滴チューブがつながれた状態のまま、明け方の東北道を医療救急車で搬送され、東京都内のアポカリプス病院に転院となった。
「ハルカ・・・目を覚ましてくれ・・・戻ってきてくれ・・・・」
加藤氏の思いをよそに、ハルカは、ただ眠り続けていた。
*********************
67年目1月
新年最初のビッグマッチ・新日本ドーム興行のあと、一行は四国各地を転戦し、最終戦は新潟市体育館大会。ここで6人タッグマッチが解禁された。
セミファイナルのカードが、セイウン草薙、神塩ナナシー、相羽和希VSフォルトゥナ紫月、北条咲、中森あずみ組。相羽以外の5人がSPZベルトの戴冠経験がある凄いカード。
いきなりS草薙がフォルトゥナに兜落としを決めて場内どよめき。そのあとは6人が持ち味を出すいい試合となったが、相羽ちゃんがつかまってしまい、10分すぎに戦線離脱。これで実質2対3になったが、セイウン草薙が2人分の働きをする猛攻。北条をダイビングプレスで痛めつける。神塩ナナシーはS草薙のフォローに徹するうまいファイト。
そして中森あずみが草薙流兜落としを食らって悶絶。このながれをよく見ていた神塩ナナシーがアラビアンプレスで中森あずみから3カウント。勝負タイム24分42秒の熱戦を制した。
「6人タッグも…おもしろいものですね」
セイウン草薙が満足げにコメント。
それでもSPZサイドはタッグでのメインイベントにまだ抵抗があったのか、この新潟大会のメインは玄海恵理VSセモポヌメのシングルマッチだった。
「ウォーッ」
シングルメインに燃えた玄海だが、セモポヌメも「若手には負けん」とハッスルしたのかバックドロップ。そしてド迫力の場外乱闘をやってのけた。
セモポヌメ、2度目のバックドロップ、そして膝蹴り、これで玄海の体が沈んだ。
「ドゥハハハハ!!」
フロントスープレックスで玄海を投げつけたセモポヌメ、覆いかぶさって3カウント奪取、17分58秒。ノリノリのセモポヌメ、試合後はコーナー2段目に上がって缶ビールを一気飲みするパフォーマンスを見せた。
「くっそ・・・・」
敗れた玄海だが、セモポヌメと大立ち回りを演じ、メインイベントの仕事を果たした。
今回ご紹介するのはエルボー。
相手の顔面(または胸元)めがけて肘をガーンと突き入れるだけの打撃技です。
しかし空手でもひじ打ちは技の一つなので、まともに入ると相手を昏倒させる威力があります。
90年ころ、三沢光晴が渕相手にダイビングエルボーを仕掛けて、この一発が入ってしまったのか、渕さんがのびてしまって、次の技を仕掛けようとした三沢さんが異変を察知してすかさず3カウントを奪い、新聞のテレビ欄に「三沢エルボー、渕失神」と書かれたこともあります。
三沢さんが初めてハンセンから3カウントを奪ったのもエルボーでした。不沈艦・最強外人ハンセンが負けるとしたら大技貰って負けるよりは打撃がクリティカルで入ってしまって昏倒して負けた・・・というほうがストーリーとして自然なのでしょう。
「あの試合の最後の瞬間はよく覚えてないんだ」(ハンセン)
以来エルボーは三沢さんの代名詞となり、ローリング式なども開発し、90年代後半の三冠戦線で猛威を振るいました。
WASでは打撃技で実装されております。どちらかというと序盤の手数という位置づけです。
まんが雑誌を定期購読するなんて久々なのですが、
志摩時緒さんの連載「7時間目の音符」が気になって気になって。
前々回21話でついに葉平くんが一歩踏み出してあずみ先輩の服の上から胸を…という描写がありましたが。
今回23話は意味深な展開。
部活終了後、誰もいない音楽室で。
あずみさんと葉平くんがふたりっきり。
壁掛け時計が意味深。(志摩先生小道具の使い方がうまい)
6時10分から米子先生に鍵を返すまでの40分間に何があったか。
掲載誌きららフォワードの性格上、直接描写はできないので、ぼかした描写でヤることヤったのか。まあ読者の想像にお任せしますというところでしょう。
自分から音楽室のカギを閉めるあずみさんがもうかわいい。
「あまあま」ほどの床ローリング破壊力はないものの、ラスト2ページの両者の赤面具合が気になります。
単行本3巻は3月中旬発売。
最近小職の数少ない生きる楽しみになっております。
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