第1,479回 セイウン草薙の一線
68年目11月
「ダイヤモンドシリーズ」開幕。
前SPZ王者のフォルトゥナ紫月が腰痛のため欠場。
SPZ王者に返り咲いた北条咲の次期挑戦者は、けっきょく過去の実績を勘案し、セイウン草薙が選ばれた。
シリーズ初戦の青森大会で前哨戦。北条咲、神田幸子VSセイウン草薙、小川あかり組み。だがセイウン草薙の動きに一時の爆発力がない。並みのレスラーに戻ってしまっている。フォローするはずの小川あかりはまだまだ力不足。北条の頭突き、シャイニングウィザードをもらって苦しむ。そして孤立したセイウンを北条が攻め立てる。けっきょくセイウン草薙、ローンバトルに耐えきれず、20分1秒、バックドロップに力尽きた。
「セイウン草薙さん。もういつまでもあなたの時代じゃないんですよ。そんなに弱くてよくタイトルマッチとか言ってられますね。最終戦の横浜大会はお休みになられて、ベイサイドホテルでお茶でも飲んでいたらいかがですか。」
北条咲がマイクアピール。セイウン草薙は横たわって聞くしかできなかった・・・・
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そして最終戦は、新日本ドーム大会。
第1試合は小早川志保VSトーニャ・カルロス。初来日のトーニャ、なかなかの動きで小早川を追い込み、最後は鋭いスクラップバスターで小早川を下した。
第2試合は小川あかりVSフェアリー三井寺。地道に努力を重ねてきた入社2年目の小川あかりが三井寺に挑戦したが、馬力の差が歴然。逆片エビを序盤で延々とかけ続けられてて主導権を握られてしまい、最後はローリング気味のエルボーでなぎ倒されて3カウントを奪われた。勝負タイム10分32秒。
外人同士のシングルマッチを挟んで休憩。そのあとのタッグマッチにペガサス藤原が登場。アプリコットつばさと組んで、レッドロシアン、ブラディキラー1号と対戦。しかしペガサス藤原、今日は本来の動きではなく外人チームに攻め込まれる予想外の展開。そしてアプリコットつばさは力不足。しかし最後に大逆転、アプリコットつばさがシューティングスタープレスでブラディキラーから殊勲のフォール勝ち。勝負タイム19分7秒。
その次もタッグマッチ。神田幸子、NOTORI対ダークジョーカー、ダークデイジーの一戦。しかし神田幸子が蹴りを食らって鼻から出血するなど苦しい展開。これで本来の動きを見失った神田、NOTORIに後を託さざるを得なくなり、NOTORIもあっさり裏拳連発でのされてしまった。勝負タイム15分15秒。
セミは玄海恵理VSカガミ・アスカのシングルマッチ。やはりパワーでは完全に上をゆく玄海が主導権を握る。カガミも腕関節を取ってゆこうとするが、玄海もすかさず防御。
「どうりゃっ」
ブレーンバスター2連発であっさりとカガミを下した玄海、SPZベルトに挑戦するぞと怪気炎。
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そしてメイン。SPZ戦
「今日負けたら、SPZタイトル戦線から身を引く覚悟。セイウン草薙の入場」
ドワアアアア
「新時代を築くか 北条咲」
ドワアアアア
午後8時22分、運命のゴング。
一時の勢いがなくなったとはいえ、幾多もの修羅場をかいくぐってきたセイウン草薙が相手なので、慎重に試合を作っていった北条。まずは基本技の応酬で場内を沸かせる。
セイウン草薙が思いのほかしつこくスリーパー責めでスタミナを削ろうとしてきたが、北条も頭突き、ドロップキックで手数を返す。しかしセイウン草薙、腰でも悪いのか、得意の投げ技乱発に持ち込めない。せいぜい散発的に空気投げを繰り出すぐらい。そのままズルズルと試合が進み、最後はパワーボム、ラリアットの波状攻撃を食らってセイウン草薙は負けてしまった。勝負タイム26分48秒、王者が初防衛に成功。
「これが現実です。もうSPZベルトには挑戦しません」
セイウン草薙、肩を落としながら引き揚げた。そしてリングには玄海恵理、ペガサス藤原が上がりあたしが挑戦するとマイクアピール。しかし山本統括部長が「まあわかったから。年明けに舞台は用意すっから。とりあえず、次のシリーズはタッグリーグの復活だ」と言ったので場内はどよめいた。」
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