第1,484回 暉映の戦場
68年目1月
最終戦は新日本ドーム大会。
「セイウン草薙 最終試合」
の大看板が掲げられた。SPZで一時期を築いた大横綱クラスの選手の引退試合とあってチケットのでも好調で、当日券も開場前にはけてしまった。セイウン草薙の個人グッズ投げ売りセールも滞りなく終了し、午後6時にはすべての個人グッズが完売。
第1試合開始前にセイウン草薙の偉業をたたえるビデオが上映された。彼女の得意技、空気投げのスーパースロー映像などもあったりして場内どよめき。組んでから投げるまでの時間がごくわずか。
第1試合は小早川志保VSイタリアンマスク。新人の小早川志保、相手のスピードに対応できず、DDTをくらってふらついてしまう。
「・・・・っ」
いつもならそのままズルズルいってしまうところなのだが、ここからドロップキック、ローリングソバットを連発する粘りを見せ、14分0秒、3度目のローリングソバットでイタリアンマスクからフォール勝ちを収めた。場内どよめき。
続く第2試合はフェアリー三井寺、アプリコットつばさのアイドルタッグが登場。外人実録派のダークデイジー&ダークジョーカーと激突。タッグリーグの公式戦の時もそうだったが、やはり個々の力が違うので、悪の外人コンビにいたぶられる三井寺とAつばさ。
最後は三井寺がつかまってしまい、デイジーのハイキック、ダークジョーカーのミサイルキック、スクラップバスターを立て続けに食らって敗北。勝負タイム19分53秒。
第3試合は外人同士のシングル戦。
そのあと第4試合は小川あかりVSレッドロシアン。やはりパワーの差は明らかで、小川あかり防戦一方。ただ耐える展開が続く。STFで逆転を狙うも力で振りほどかれてしまう。
「地獄に落ちナ」
レッドロシアンのバックドロップで悶絶した小川あかり、無念の3カウントを聞いた。勝負タイム15分14秒。
その試合が終わると休憩。
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休憩明けはSPZ新王者になったばかりのペガサス藤原が登場。インド式レスリングマスター、カガミ・アスカと対戦。基本的な攻防をきっちりやる2人に場内どよめき。凄いシビアな攻防が続く。
「はうっ」
カガミのグラウンド攻めに苦しんだP藤原だが、ジャーマンで反撃開始、返されるやDDT。そしてもう一発ジャーマン。しかしカガミも2.8でキックアウト。そしてカガミ、得意の足殺しアキレス腱固めで反撃するがロープに近い。
(これで、向こうは受けきったと油断するはず・・・・)
しかしカガミ、もうひとつ罠を仕掛けていた。
「はっ」
カガミ、DDTで弱らせておいて、そしてストレッチプラム!!
「うぁああああ・・・」
ペガサス藤原、痛みをこらえきれずギブアップ。勝負タイム22分19秒、カガミがSPZ王者に勝ってしまった。
「・・・・・・」
呆然とするペガサス藤原。
「私はサウンドクリエーター。敵を始末した後に飲む紅茶もまた格別ですわ・・・・」
カガミ・アスカは例によって紅茶を飲むパフォーマンス。
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そして、会場に
「暉映の戦場」がかかる。
ドワアアアア
「次の試合に登場するセイウン草薙選手はこの試合が最後のファイトとなります!ファンの皆様より一層のご声援をよろしくお願いいたします!」
花道奥から白いロングガウンに身を包んだセイウン草薙が一歩ずつ歩いてリングイン。
ざわめきの中始まったセミはセイウン草薙最終試合。セイウン草薙VSフォルトゥナ紫月。タッグパートナー同士の対戦だが、以前はSPZベルトをかけて幾度も死闘を繰り広げた間柄。
(最後の試合、めいっぱいやろう・・・・)
フォルトゥナのほうが動きが硬い。S草薙のほうは空気投げ、フランケンシュタイナー、ノーザンと一つ一つの技を確かめるように繰り出してゆく。フォルトゥナも懸命に腕関節を取ってゆくが、セイウン草薙の気迫に押されたのか手数が返せない。
「・・・はあああっ!」
そしてパワーボム炸裂。さいごは全体重をかけてF紫月の上に覆いかぶさったS草薙が17分58秒、ラストマッチを飾った。
セイウン草薙、一礼した後、ゆっくり転がってリングを降りて、花道を引き揚げた。
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