第1,485回 68年目1月 タッグ世界王者決定戦
68年目1月
シリーズ最終戦 新日本ドーム大会。
セミファイナルでフォルトゥナ紫月を熱戦の末パワーボムで下したセイウン草薙は最後の試合を戦い終えても、厳しい表情を崩さず花道を引き揚げた。戦いの場で喜怒哀楽をあらわにするのは相手に失礼。草薙流戦士としての矜持だった。
花道奥でもう一度一礼し、控室に入ってバッタリ倒れこむ。荒い息づかいが止まらない。若手選手が何人も駆け寄るが手で制した。
「大丈夫です。しばらく横になれば落ち着きます・・・・」
セイウン草薙、1分ほど横になって呼吸を落ち着かせてから、着替えを持ってシャワーに向かった。
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「ただいまよりSPZ世界タッグ新王者決定戦を行います!!」
ドワアアアアア
メインイベントはSPZタッグ王者決定戦。封印されていたタッグベルトが17年ぶりに。
先月のタッグリーグ1位と2位の対決。北条咲、神田幸子 組VS玄海恵理、NOTORI組。先月のタッグリーグ公式戦では玄海組が勝っているカードだが。
先発は玄海と北条。いきなりド迫力のタックルの打ち合い。昨日SPZシングルのベルトを失ったばかりの北条だが、そのショックを感じさせないファイト。
神田幸子も玄海の力押しをこらえて、ステップキックで反撃、しかし玄海のラリアットを連発でもらってしまう。
「私が何とかする」
北条がたまらずリングイン、ブレンバスターで玄海を投げつける。玄海たまらずNOTORIにタッチ。しかし北条、格下のNOTORIをバックドロップ。場外へ逃げたNOTORIだが、北条、場外パワーボムの追撃。
「ぐ・・・・・」
北条、NOTORIを連れ戻してリング内で改めてパワーボム、ああ終わったという空気に包まれたが、NOTORI、返した
ドドドドドド
NOTORI,フェイスクラッシャーで反撃して玄海につなぐ。しかしこれでNOTORI,ダメージが深くリング下でのびてしまった。
ーこれで向こうはタッグチームとして機能しなくなった
「行けるぞ!」
「はい」
神田幸子、玄海が攻めづかれてきたのを狙って、
ガシッ
裏拳。
まともに入ったこれは。
前のめりに崩れ落ちる玄海。
神田、ひっくり返してカバー。
ワン、トゥ、
スリー。
玄海返せず。勝負タイム39分24秒、北条、神田組がSPZタッグベルトを奪取。
伝統あるベルトを授与されて感激しきりの神田だった。
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メイン終了後、セイウン草薙の引退セレモニー。
ピアノアレンジされた「暉映の戦場」が流れる中、
黒いジャージに着替えたセイウン草薙が花道をゆっくりと歩いてリングに上がった。
10カウントゴングの後、ファンに最後のあいさつ。
「私はもう・・・納得のいくファイトができなくなりました。ファンの皆様、すみません・・・・あとは、後輩たちに託します」
その圧倒的な爆発力でSPZを席巻した女帝がリングを降りた。
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セイウン草薙
SPZ61期
2069年4月12日、釧路厚生年金アリーナ大会での対 初瀬唯戦でデビュー。2077年1月15日、新日本ドーム大会での対 フォルトゥナ紫月戦で引退。稼働月数94ケ月、出場試合数(概算)687試合
タイトル歴
第176代SPZ世界王者
第179代SPZ世界王者
第182代SPZ世界王者
第185代SPZ世界王者
第187代SPZ世界王者
第190代SPZ世界王者
第193代SPZ世界王者
第195代SPZ世界王者
通算防衛回数22回(歴代6位)
第64回SPZクライマックス優勝
第65回SPZクライマックス優勝
第66回SPZクライマックス優勝
第67回SPZクライマックス優勝
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