第1,490回 SPZ史上初のハンディキャップマッチ
69年目4月
SPZも人員が減ってきたので、新人テストを行った。今年は不作で、基準に達しない状況であったが、頭数は揃えないといけないと判断したので、小柄だが運動神経のありそうな少女、野村あおばを採用した。とりあえず4月は道場に閉じ込めて基本動作の練習に終始させた。
「旗揚げ68周年記念エッセンシャルシリーズ」開幕。しかし参戦する所属選手が10名しかいないので、こぢんまりとしたサーキットになり観客動員も苦戦した。
(筆者ここで寝落ち)
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最終戦は新日本ドーム大会。
第1試合は小早川志保が登場し、マスクドミスティと対戦。今回の対決はミスティのエルボーが入ってしまい、小早川志保が無念の敗退。
第2試合はフェアリー三井寺、アプリコットつばさのアイドルタッグが登場。ベケシャ・ウトン、ブラディキラー1号と対戦。外人軍のパワーに苦しんだアイドルタッグだが、連携攻撃でうまく流れを変え、最後は13分18秒、三井寺が力のこもったパイルドライバーでベケシャを仕留めた。
休憩前第3試合は埼玉ソウルプロレスから参戦したザ・ギャングスターズが登場。神田幸子&NOTORI組と対戦。
「オラオラオラオラー」
入場時に釘バットをふりまわすパフォーマンスで観衆のどよめきを誘ったギャングスターズの2人だったが、試合では実力者の神田が立ちはだかった。ラリアットやデスバレーを受けきった神田、
「それだけか」
最後はパートナーのNOTORIを呼び込み、合体パイルドライバーで18分54秒、ギャングスターAを退治した。
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そして、休憩後の試合、あおりVTRが流れる。
「小川あかり17歳、母親がSPZ王者というサラブレッド家系に生まれながら、試合はグダグダ、後半の試合でははっきり言って使えない。なのでセブン山本は考えた」
ここで画面が切り替わり、SPZ本社会議室で携帯電話を操作するセブン山本統括部長。
「あ、もしもし、わたくしSPZの山本と申しますが、西花子さんは御在宅でしょうか、ええ、」
「あ、どーも。娘がお世話になっております」
どええええええ。
ひさしぶりに流れるフローラ小川の肉声に場内どよめき。
「実は今度の新日本ドーム大会、休憩後の試合であかり選手がフォルトゥナ選手とやるんですけど、1対1だと微妙なんで、助っ人参戦してもらえないでしょうか」
どえええええええええええ!!
なんてことを考えつくのかセブン山本、元SPZ王者フローラ小川御年49歳をリングに上げようとするとは!
数秒の沈黙。
フローラ小川が言葉を返す
「ええっと・・・ギャラはどのくらいですか?」
どわはははははは
「・・・ワンマッチ100万でどうでしょうか」
えええええええええええええええええええええええええ
「それは額面ですか?手取りですか?」
どわははははは
「・・・・・手取りです」
「んー、わかりました、参戦します」
えーーーーーーーーーーーー
ざわめきの中あおりVTRは終わり、そして、試合、フォルトゥナ紫月、小川あかりの順に入場し、
そのあと、
23年ぶりに「ディヴェルティメントK138」がかかる。思いもよらぬサプライズの登場に場内どよめき大爆発。
花道奥に元SPZ王者フローラ小川が姿を現した!!!!
どわああああああああ
黒いジャンプスーツを着込み、背中には「母」とプリントされている。そして何やら武器のようなものを持って入場。
「赤コーナー、神奈川県出身、小川―、母―。」
リングアナが高らかにコール。場内爆笑!!
かくてSPZ史上初のハンディキャップマッチに。どよめく観客と、呆然とする小川あかり。
「か、かいせつの杉浦さん・・・・」
「まあ、プロレスはエンターテインメントですから。なるようにしかなりませんよ。小川母の立ち回りに期待しましょう。」
(互いの体力を極限まで削るプロレスより、頭を使ってお客さんを沸かせた方が、ビジネスとしてスマートです。)
杉浦美月、最初の仕掛けがリング上で炸裂した。ハンディキャップマッチ、
フォルトゥナ紫月VS小川あかり、小川母
勝負の行方はいかに?
(続きます)
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