59歳のドロップキックをみたかい(4終)
セミファイナル 真田聖也 KAI VS 秋山準 潮崎豪
秋山準の試合を見るのははじめてであった。全日時代で若武者だったのがいまやハゲ隠しのスキンヘッド。この日は潮崎との世界タッグ王者コンビで出陣。裁くレフェリーはボンバ―斉藤。
KAIや真田は観客を沸かせる何かがない。対戦相手の秋山が客席にむけて「オラぁ行くぞ」などとしきりに声を出していて会場を盛り上げようとしていたのが良くわかった。KAIは肉体改造をして一回り大きくなったが。特に印象に残ったムーブはなかった。シリーズ中にやられたのか、胸元が赤く腫れていて、潮崎とのエルボーチョップ合戦でそこが破れて流血した。返り血を浴びながらファイトする潮崎。
秋山は要所要所でニーアタックを顔面に入れて流れを渡さないえぐいファイト。けっきょく最後まで真田KAIは秋山の余裕を消せず、15分過ぎたあたりでそろそろ行きますかと秋山が仕掛ける。真田をエクスプロイダー。これは返した真田だが、たてつづけにリストクラッチ式エクスプロイダーをくらった真田が3カウントを奪われた。まあ秋山の貫録勝ちなのか。
試合後、敗北に憤ったのか、KAIが秋山に突っかかる。カンカンカンカンとゴングが乱打される。秋山は落ち着いて頭突きで反撃してから引き揚げた。
20時10分、メインイベント(タッグリーグ公式戦)
カズハヤシ 近藤修司 VS 田中稔 金本浩二
ある意味全日ジュニアの頂上決戦的カードが福山のメインで組まれた。だが田中稔の動きが相当悪い。シリーズ中に首を負傷しており首後ろにテーピングをしてのファイト。当然そこを狙われカズのパイルドライバー、ツームストーンを食らって悶絶。動きが完全に止まってしまう!
「試合止めるぞ!?止めるぞ!?」
横たわったままの田中へ村山大値レフェリーが血相を変えて叫ぶ。この人もあおり方がうまい。「止めるなよまだやれる」金本が言い返す。近藤はレフェリーの制止を無視して田中の首のテーピングをはがし、なおも首に打撃を加えるというえげつない攻め。
なんとかカズ近藤の猛攻をかいくぐって金本にタッチしたが田中は場外でダウンしてしまう。第3試合に登場したスタックアームズの船木と河野がセコンドにつき田中に声をかけるという異常事態。(ほんらいこのクラスの選手はセコンドにはつかない)
船木の全日赤ジャージが印象に残った。二人がかりの攻撃を金本に加えるのを見た河野がレフェリーに抗議。怖い顔だが根はいい人だ。
金本も懸命に孤軍奮闘したので試合は盛り上がった。カズに得意の顔面ウォッシュを決める。しかし田中は戦線復帰してからもちょっとやられただけで動きが止まってしまい村山レフェリーがダウンカウントを数える始末。最後は金本がつかまってしまう。カットに懸命に入って流れを戻そうとした田中だったが逆にカズが得意のパワープラントで田中を場外に落とす。金本孤立。
金本、ジャーマンや丸め込みで反撃するも落ち着いて返した近藤、満を持して近藤がキングコングラリアット。一度は返す粘りを見せた金本だったが立て続けに2発目を食らって万事休す。ジュニアの頂上決戦は田中のコンディションの悪さを突いたカズ・近藤が20分の激闘を制した。首を痛めた田中は河野船木に気遣われながら退場。
最後は金本がマイクアピール「カズ、近藤!きょうはやられたけど、タッグリーグ、優勝決定戦でこの借りは必ずかえしてやる!!」などと叫んでから引き揚げた。この辺じつに新日出身者らしい。
メインが終わったのが20時40分頃、会場ロビーには武藤ベアーがファンと撮影に興じているが、私は急いで会場を出て降りしきる雨の中を5分ほど歩いて、中国バスの平成大学車庫へ急いだ。新宿行きの夜行高速バスはここから20時55分発車である。
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