第1,491回小川あかり、小川母 VS フォルトゥナ紫月
そして、試合、フォルトゥナ紫月、小川あかりの順に入場し、そのあと、23年ぶりに「ディヴェルティメントK138」がかかる。思いもよらぬサプライズの登場に場内どよめき大爆発。
黒いジャンプスーツを着込み、背中には「母」とプリントされている。そして何やら武器のようなものを持って入場。
「赤コーナー、神奈川県出身、小川―、母―。」
かくてSPZ史上初のハンディキャップマッチに。呆然とする観客と小川あかり。
「もう現役離れてだいぶ経ってますから、抜本的な手段で瞬殺します」
小川母は手に持っていた武器のようなもののビニルカバーを外すと、
ロケットランチャーを構えた。
「えっ」
場内固まる。
「ネット通販で買いました。アメリカ軍の放出品で意外と安かったの」
ドカーン。
フォルトゥナ紫月、こんなのを食らったら死んでしまうのでとっさにマットに伏せた。ロケット弾は青コーナーに当たり、リング上は大爆発音と煙が。
「けほけほ。あー、はずしちゃいましたか―、仕方ありません。ンじゃあ、引退後に修得したCQCで・・・」
「はっ」
この隙を見逃さずフォルトゥナ紫月が小川母へスピアータックル。
「ひぎぃっ」
これで腰を打ってしまった小川母、
「こ、腰が・・・・」
悶絶。リング下で倒れこんでしまった。
あとは小川あかりVSフォルトゥナ紫月の普通のシングルマッチが展開されたが、内容は推して知るべし。小川あかりの攻めを澄ました顔で受けきったフォルトゥナ紫月。相手が攻め疲れてきたところへ、力のこもったブレーンバスターで反撃。小川がふらふらになったところへ、
「えいっ」
エルボー一撃。小川あかりはこれで沈んでしまった。それでも勝負タイム29分52秒のいい勝負が展開された。やはり母親がリング下で観ているということで小川も気合がいつも以上に入ったのだろうか。
マットに倒れ伏す小川あかりを一瞥してから小川母が場外で横たわったままマイクを取った。
「つ、次はこうはいきませんわ。大人をなめてはいけません。親バカですから・・・・陽電子砲でも手配します」
次回参戦あるんかい、けっきょく小川母は担架に乗せられて退場した。
*****************************
セミは北条咲が登場。前月ベルトどりに失敗したのでセミに回った。初来日の悪役外人レスラー、ブラッディ・ユゲスと対戦。相手のラフファイトをひとしきり受けた北条、頃合いを見計らってパワーボムでユゲスを退けた。
「今日はうまく試合を作れた。ベルトどり?会社が判断することだが、焦らず次のチャンスを待つ」
*************************
そしてメインはSPZタイトル戦、王者ペガサス藤原、3度目の防衛戦の相手はカガミ・アスカ。前月のタッグ戦でP藤原から足殺しでギブアップを奪った実績が評価された。
「インド式レスリングの恐ろしさを見せてあげますわ」
「こういう選手権試合でものをいうのは技ではなく気迫と根性。」
カガミは独特のムーブでP藤原に向かっていったが、ペガサス藤原もチョップやエルボーで手数を返す。早い段階で大技を出すとどう返し技を食らうかわからないので彼女なりに考えた戦法。焦れたカガミがアキレス腱固めを仕掛けるもロープに近い。蹴り連打でペースをつかんだかに見えたP藤原だったが、ジャーマンを狙ったところで60分時間切れのゴングが鳴った。両者ダウン。王者が3度目の防衛に成功した。
« プロレス技シリーズ53 ラストライド | トップページ | 第1,492回 取説ちゃんと読んだのに »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント