第1,521回 70年目7月 サマースターナイツシリーズ
時に、西暦2078年
2月下旬
長らく都内の病院でに入院していたSPZ60期・元SPZ世界王者・ハルカ(本名:大月遥)が目を覚ました。
しかしー
「ここは・・・どこ?」
「俺だよ。遥、俺がわからないのか?」(加藤貴明)
「・・・・・・・」
この後、大月遥は検査やら何やらを回されて、「15歳時以降の記憶が欠落している記憶障害」と診断された。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
慟哭する加藤貴明。彼女は死の淵から生還したが、二人で過ごした日々の記憶を失ってしまった。
************************
7月シリーズ「サマースターナイツシリーズ」開幕。
シリーズ初戦青森大会でSPZ世界タッグ戦が組まれた。王者玄海恵理、NOTORIに対するは元王者チームの北条咲、神田幸子組。
「どおりゃああ」
始まると玄海のパワフルな攻めが目につく展開。何とか北条が流れを引き戻そうとするが、玄海が力まかせの攻めを見せる。そしてNOTORIは引きどころを誤らないクレバーなファイトで絶妙のアシスト。
(このままじゃいけない)
北条、剛腕ラリアットで流れを変えようとするが
「やりやがったなあああ」
玄海ものすごいスクラップバスター。
こうなっては神田にタッチするしかなかった。
「オラオラオラー」
玄海パワースラム、これは懸命に返した神田だったが、北条を場外に突き落としてからサンドイッチラリアットが火を噴いた、神田たまらず3カウントを聞いた・・・勝負タイム27分47秒、王者組みが5度目の防衛に成功。
「ウァハハハハ、誰とやっても負ける気がしねえぜ」(玄海)
***********************
勢いに乗る玄海恵理は、シリーズ第5戦宇都宮のSPZ選手権でも北条の挑戦を真正面からしのぐ。スクラップバスターで相手を怯ませると
「オラオラオラー」
得意のパワースラム。これは何とか返した北条だが
「これで終わりだーーーー」
ラストライド炸裂。ものすごい高さから落とされて北条、フォールを返せず、勝負タイム23分16秒、王者が6度目の防衛に成功。
***********************
そしてシリーズ最終戦、新日本ドーム大会。
「ハルカ引退試合」
前日になって急きょ団体ホームページ上で告知された。カードは「当日発表」とされたが、3年間生死の境をさまよったハルカがリングに戻ってくるとあって、驚きをもって迎えられた。
ハルカ、3年ぶりの復帰戦はファンに別れを告げる引退試合となった。
いきなり告知されたのでファンは騒然となった。当日券を求める長蛇の列ができ、会場に入れなかったファンも多かった。
いつも通り、午後6時30分、第1試合前に奥森リングアナが本日のカードを淡々と読み上げる。
「第5試合セミファイナル30分1本勝負、北条咲、ペガサス藤原、ハルカ VS 小川あかり、野村あおば、大竹玲子」
ドワアアアアアあああ!!!!!!
その瞬間、場内が爆発した。
« 忙しくて蒸し暑くて20130619 | トップページ | 第1,522回 痛みの記憶(5) »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント