第1,523回 ハルカ引退試合(上)
そして最終戦、新日本ドーム大会。
「ハルカ引退試合」
前日になって急きょ団体ホームページ上で告知された。ハルカ、3年ぶりの復帰戦はファンに別れを告げる引退試合となった。
「第5試合セミファイナル30分1本勝負、北条咲、ペガサス藤原、ハルカVS小川あかり、野村あおば、大竹玲子」
ドワアアアアアあああ
第1試合前のカード発表で場内が爆発した。
まずは第1試合
菊次莉乃VS長原ちづる。勝った方がシングル初勝利の一戦。新人らしい基本的な攻防が続いた後、長原の息が乱れたのを待って菊次がソバット、しかしこれを返した長原が体ごとぶつかるタックルで菊次をなぎ倒しがっちりフォール。
「やったー!!」
13分31秒、長原がプロ初勝利をスコア。
外人同士のシングル戦を挟んで、第3試合はアプリコットつばさ&フェアリー三井寺のアイドルタッグが登場。対戦相手はNOTORI&小早川志保の実力派コンビ。
最近は玄海とのトリオを組んでメインに出ることが格段に多くなったNOTORI&小早川、しかしアイドルタッグの速いタッチワークに苦しむ。フェアリー三井寺の強烈なパイルドライバーがNOTORIをたじろがす。しかしタッチを受けて出てきた小早川がダイビングプレス。場内大盛り上がり。
最後は4人が入り乱れる攻防の中、分断作戦に成功したアイドルタッグ、フェアリー三井寺が逆片エビ固めでNOTORIからギブアップを奪った。勝負タイム16分38秒、その試合が終わると休憩。
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休憩明け第4試合はカガミ・アスカVS神田幸子。実力派同士の試合。神田が打撃を入れようとするが、カガミも必要以上に付き合わずグラウンドで寝かそう寝かそうと仕掛けてくる。そんな息詰まる攻防が続く。しかし神田がステップキック、裏拳で勝負をかける。これを何とか返したカガミ、ネックブリーカーで反撃。どちらに転ぶかわからない勝負となったが
「潔く散りなさい!」
カガミ、得意の足殺しアキレス腱固め、「サウンドクリエーター」炸裂。
「うぉぉぃおぉぉぉぉ」
サウンドクリエーターの面目躍如。神田、あられもない声をあげた挙句、無念のタップ。勝負タイム26分57秒。
激戦を制したカガミ、試合後のお茶会パフォーマンスをこなした。
「ふぅ…敵を屠った後に飲む紅茶もまた格別ですわ・・・」
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そして、場内にいつもの定型アナウンスが流れた。
「次の試合に出るハルカ選手はこの試合が最後のファイトとなります、ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします」
ドワアアアアアあああああ
まず場内に流れたのは「セントポール組曲第4楽章」
小川あかり、大竹玲子、野村あおばの3人が入場。青コーナー側に陣取り相手側の入場を待つ。
そして3年ぶりに流れる「Rumbling Hearts」
ハールーカ!ハールーカ!!
花道、北条とP藤原に挟まれてハルカが3年ぶりに姿を現した。場内ドワアアアと大爆発、ものすごいハルカコールにドームが揺れる。
ハルカ、さすがに不安げな表情。何しろレスラーだった時の記憶がない。
「おりゃああああ」
リングまで数歩のところで北条とP藤原がいきなりダッシュして、
リングインして、
相手3人に襲いかかった。ハルカに試合させない考えだ。
北条が小川あかりを蹴り倒して場外に落とし、大竹はP藤原がもみあいながら場外へ落とした。
レフェリーはセブン山本、本部席にゴング要請のサインを送った。
カンッ
北条がまず野村あおばを子ども扱い。しかし野村も北条のタイガードライバー狙いをリバースで切り返し、小川あかりにスイッチ。
小川と北条がグラウンドの攻防。基本的な攻防をきっちりやっているうちに5分経過5分経過。小川が、大竹にタッチ。北条もP藤原にタッチ。
P藤原、ブレンバスターで大竹を叩きつける。しかし大竹もスリーパーで反撃し、小川あかりにスイッチ。
ここで、コーナーに控えるハルカが、おずおずと右手を挙げた。
えええええええええええ?
ここでP藤原、小川あかりの目を一瞬見やってから、赤コーナー側に下がり、ハルカにタッチ!
どわああああああああああああ
場内ハイテンションマックス
ハルカ、3年ぶりのリングイン、
かつての付け人
小川あかりと
相対。
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