第1,534回 もう実家には帰らない
「・・・・・・・てやる」
「へ?」
「ぐれてやる・・・・・・・・!!」
バキョッ
小川あかり、起き上がるやいなや小川母の顔面を思い切りグーで殴った!!吹っ飛ぶ小川母。
「シね、クソババア!もう実家には帰らない!」
とかなんとかいってリングを降りて花道を引き揚げる小川あかり。場内どよめき。
「あわわわわ」
呆然とした表情で起き上がる小川母。場内笑い。いきなり家庭内暴力の展開。来月以降のアングルはどうなってしまうのか。
「か、かいせつの杉浦さん・・・・」
「うーん…ちょっとこれは良くないですねえ。親を殴るのはいかんですよ。いくらプロレスのリングとはいえやっていいことと悪いことがあります。子供の教育によくありません」
放送席でしらじらしいことを口走る杉浦社長だった。
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ざわめきのなか始まったセミファイナルはペガサス藤原VS北条咲。最古参のペガサス藤原、懸命に向かっていったものの北条が攻めを受けきり、タイガードライバー、パワーボムで快勝。勝負タイム9分8秒。
メインイベントはSPZ戦、王者玄海恵理に挑むのはカガミ・アスカ。下馬評では玄海有利だが、足殺しがはまればわからない。
しかしふたを開けてみれば玄海が盤石の猛攻。相手のグラウンド攻めをさせず徹底的に立ち技でダメージを与える作戦。玄海、ビッグブーツであっさりと3カウントを奪った。勝負タイム13分20秒の凡戦ともいえる内容。今回カガミはほとんどいいところがなかった。玄海、シングル王座も8度目の防衛に成功。
「ヌワハハハハ、わが道に敵なし!」
「いざゆけ若鷹軍団」がかかる中、意気揚々と勝ち名乗りを受ける玄海だった。
翌日の京スポ一面はSPZタイトル戦の結果よりも、小川あかりがグレてしまった事件が報じられた。
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70年目11月
「私の写真集なんてタチの悪い冗談でしょう」
神田幸子まさかの写真集発売。あのSPZきってのシューターが写真集を出すとは。ファンの間は騒然となった。
「ダイヤモンドシリーズ」開幕。青森から始まって東北地方を南下するシリーズ。シリーズ第6戦宇都宮大会、
何かが起こるといわれているSPZの宇都宮、メインで組まれたのはとりあえず組んだSPZタッグ戦、盤石の王者玄海恵理、NOTORIに対するはカガミ・アスカ、フェアリー三井寺組。
どうせチャンピオンチームが暴れまわって防衛するんだろという弛緩した館内の空気。缶ビールを空ける音多数。
「おらっ」
玄海が出てくるや試合の流れが一方的に。重たいチョップ、重爆ドロップキック。そしてラリアット。三井寺さんなにもできずズルズルと追い込まれる。カガミもいいところなく玄海に攻め込まれるふがいない状況。カガミ、足殺しで勝負をかけるがここはNOTORIが落ち着いてカットに入った。
(おーっとあぶねえ・・・)
これで決まらないと挑戦者チーム苦しい。あとは孤立した三井寺を捕まえて玄海、キャプチュードで屠った。勝負タイム24分11秒、王者組が8度目の防衛に成功。
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そして最終戦は本拠地に戻って横スペ大会。
不良化した小川あかりが横浜にやってくる。
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