70年目8月
SPZクライマックス 第70回の記念大会。
優勝賞金700万円の行方は北条咲と玄海恵理に絞られた。
7戦目は仙台大会。
小川(6点、逆片エビ固め 18.42)P藤原(2点)
「小川さんは攻めやすいところがありますので」
なにしろ体重が軽く非力だから投げやすいのだ。P藤原、余裕の表情で小川を追い込み
「これでどうだっ」
得意のジャーマン。一度は返した小川だったがもう目がうつろ。しかし小川、追い詰められながらも一発逆転を狙っていた。不用意に組みついてきたところを転ばせてSTF!
「きゃああ・・・」
これは何とか振りほどいたP藤原だったが、小川休まず逆片エビ固めを仕掛ける。P藤原の腰に電気が走った。
(だめだ)
P藤原無念のタップ。えええええええ!小川あかり、ペガサス藤原にも勝った。
北条(12点、ラリアットからの片エビ固め 8.31)F三井寺(2点)
北条咲、手堅いファイトを徹底し、三井寺の挑戦をラリアットで退け全勝キープ。
カガミ(6点、DDTからの片エビ固め 14.43)NOTORI(4点)
4点同士の対戦はカガミが制した。徹底的にグラウンドに引きずり込んでNOTORIの動きを止め、サウンドクリエーターでNOTORIの足を封じ、DDTでトドメ。遅ればせながら3勝目を挙げた。
玄海(10点、キャプチュードからの片エビ固め 12.24)神田(6点)
玄海危なげなく完勝。いくら神田の打撃が強くても玄海の肉体にはさほどの効果がない。
「どうりゃ」
この日2度目のキャプチュードで神田から3カウント。これで優勝の行方は最終戦メインの北条VS玄海の行方にゆだねられることになった。
「2試合やらなきゃならんのか、きっついな」
玄海ひとりごちる。
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そして最終戦は横スペ大会
NOTORI(6点、農鳥からの片エビ固め 17.06)小川(6点)
小川あかり、連戦疲れなのか、最終戦はNOTORIのスピードについていけず、おなじみのズルズルパターンで攻め込まれ、最後は農鳥を叩き込まれて敗北。
敗れたものの小川あかり、6点でリーグ戦を終える長足の進歩。P藤原や玄海に勝つなど大物キラーぶりを発揮した。
「最後は勝てませんでしたけど、リーグ戦をかき回すことはできたのかなと思います」(小川)
神田(8点、裏拳からの片エビ固め 14.50)P藤原(2点)
ペガサス藤原、ここまでまさかの2点という低空飛行ぶり。この日も神田に殴られる苦しい展開。そのままズルズルと攻め込まれ、最後は裏拳で殴り倒されて終了。元SPZ王者ペガサス藤原、これはもう落日なのか。
「・・・どうなんでしょうね」(P藤原)
カガミ(8点、DDTからの片エビ固め 14.58)F三井寺(2点)
横スペのセミ登場にハッスルするフェアリー三井寺。普段はアイドルタッグの片割れとしてファイトしているが実はそこそこの実力者、このシリーズも結果は出なかったが仕事師ぶりを発揮。しかしこの日もカガミに追い込まれ、DDTに敗北。
この結果3位はカガミと神田が入り、直接対決では神田が勝っているので神田が3位となり、スポーツドリンク1ケースが授与された。
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そして最終戦メインイベント
玄海(12点、掌底からの片エビ固め 16.55)北条(12点)
どちらもパワーには定評があるが、玄海のそれはけた外れだ。北条が勝っているとすれば経験からくる試合運びなのだが、そんなものは玄海のパワーが破壊する。頭突き連打、バックドロップ。北条いいところなく攻め込まれる。
―化け物
北条なすすべなし。玄海、相手の逡巡をあざ笑うかのように掌底を叩き込んで3カウントを奪い、まず本割で勝利。
いいところなく敗れた北条、セコンドの肩を借りて引き揚げた。
この結果リーグ戦1位は12点で玄海と北条が並んだので、20分のインターバルを置いて、優勝決定戦が行われることになった。
ドワアアアア
「今勢いは私にある」
余裕綽々の玄海。北条は苦しい表情で2試合目のリングへ。
20時20分、優勝決定戦のゴング。
「むん」
くみつくやボディスラムでちぎり投げられ、北条受け身を取ったが苦しい表情。そして重爆ドロップキックの追い討ち
「このおおおおおお」
北条、懸命にラリアットを撃ち込むが玄海むくっと起き上がり
「オラァ!!」
ノーザンライトSHでお返し、倒れたところをレッグドロップ。
―勝負は捨てられない
北条シャイニングウィザードで懸命の反撃も受けきった玄海、スクラップバスター
ここで両者ダウン
ワーワーワーワー
「これでっ」
先に起き上がった北条サソリ固めしかし玄海プッシュアップで振りほどく
「終わりだ―――――」
ここで玄海、今日初めてのラストライド、北条頭からマットへ。
ワン、トゥ・・・・どどどどど
返した北条だが目がうつろ。
玄海
「気持ちよく眠りな!」
キャプチュード!
ワン、トゥ、どどどどどどど
北条の粘りに場内拍手
玄海掌底でなぐりつける
しかし北条、倒れながら懸命にロープをつかむ。
そして起き上がって玄海に蹴りを入れる。
―がっ
玄海の表情ゆがむ
しかし玄海、北条を突き飛ばしてハイキックのお返し!
しかし北条ロープをつかんで倒れない
「おらああああ」
しかし玄海、ここを勝負どころと判断して、組みつくや北条を抱え上げてパワースラム気味に叩きつけた
「うぼあッ」
これで3カウントが入った。
20分37秒、パワースラムからの片エビ固めで玄海恵理の勝ち
玄海恵理SPZクライマックス2連覇。
表彰式、Sクラ優勝者だけが抱ける大トロフィーを手渡されにっこり。
「ふいー、しんどかったけど、まあ当然の結果だけどな」
玄海、賞金700万円を手に入れにっこり。敗れた北条は準優勝となり横浜中華街のお食事券が贈られた。
「2年連続でお食事券ですよ。もう。お金はともかくあのトロフィーはもらいたかったですねえ・・・」(北条)
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