第1,546回 旗揚げ70周年のSPZ
71年目4月
横浜のお嬢様プロレス団体「スーパースターズ・プロレスリング・ゼット」(略称SPZ)は、激動の21世紀の中、明るく激しく健康的なお色気のプロレス興行を提供し続け、ついに旗揚げ70周年を迎えるに至った。経済誌や総合雑誌のインタビューに杉浦美月社長やセブン山本統括部長が登場し、「お客様に支えられてここまで来ました、まあこれからも頑張ります」という優等生的インタビューをこなした。
そして例によって「旗揚げ70周年記念パーティー」が横浜はベイサイドホテルのバンケットルームで挙行された。お取引先、マスコミ各社さんを招いて盛大なパーティーが行われた。OGも多数の元選手が参列した。
「これからもSPZは、理想のプロレス興行のあり方を希求してまいります!」
杉浦社長があいさつ。
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新人テストで中島瞳(京都府山科区出身)を採用。リングネームは出身地にあやかって「山科瞳」にした。しかし基礎ができていないので、4月は巡業に同行させずひたすら道場で受け身を叩き込んだ。
「旗揚げ70周年記念エッセンシャルシリーズ」開幕。ドーム級の会場を回るビッグなシリーズなので観客動員はさすがに超満員続きとはならなかった。
シリーズ第4戦名古屋大会メインは玄海恵理、NOTORI対カガミ・アスカ、閼伽裏のタッグマッチ。なんとカガミが閼伽裏とタッグ結成。
「まあ、グレンタイさんと手を組んでみるのも良いかと」
要するに心もとないパートナーだと自分の負担が増すから、タッグマッチの試合運びには定評のある小川あかりと手を組んだらしい。
「誰と誰が手を組もうと同じことさ、あたしを倒そうと思ったら核ミサイルでも持ってくるがよかと!」
ここで勝つか善戦すればタッグベルト挑戦もありえる連合タッグだが、玄海の圧倒的肉体にたじたじ。
「オラオラオラー」
ラストライドは何とか閼伽裏がカットしたが、そのあと閼伽裏がつかまってしまい、玄海のキャプチュードに閼伽裏が3カウントを奪われた。勝負タイム40分56秒。玄海が相手の関節技を警戒したため試合が長引いた。
試合後、カガミ・アスカがマイクを取った
「閼伽裏さん・・・タッグ王座どりのために、共闘しましょう」
カガミが差し出した手。
「やなこった」
小川あかりが立ち去りかける
「じゃ、じゃあ私もグレンタイに入るって形で、それならどう?」
どわああああ
閼伽裏がふりむく。
「で、いまなら秘伝のインドカレー缶詰1ダースプレゼントするわ」
テレビ通販の売り子かよ!
「のった」
これでまさかのカガミ・アスカ、グレンタイ入りとなってしまった・・・・
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