第1,580回 そして「小川あかり」は消えた?
「バルス!」
場内大爆笑。閃光でリングが見えなくなった。しばらくその状況が続き、閃光と煙が収まるや
リング上には倒れこんでいる玄海と、閼伽裏のコスチュームの残骸。
どえええええ
「見ての通り、閼伽裏とかいう悪役レスラーは滅びました。それじゃ皆さんごきげんよう」
とかいって小川母は花道を引き揚げて行った。
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「大丈夫ですか」
若手選手が玄海を介抱する。どうやら閃光の影響でちょっとふらついているようだ。
「・・・ああ、なんとかな・・・・で、今日のあたしの相手は誰だ」
「フフフ」
セブン山本(SPZ統括部長)が本部席で叫ぶ
「いつまでもあんたにチャンピオンでいられると営業的に困るんだよ!出て来いメアンドロス!」
そしてAACのトップスター、メアンドロスが颯爽とリングイン。
「ああ、あんたか」
かくてメインイベントのSPZタイトルマッチが開始。
「はっ!!」
玄海、先ほどの閃光弾の影響を全く感じさせずメアンドロスを持ち前のパワーで追い込む。メアンドロス、得意のムーンサルトやレッグドロップを繰り出したが、これは玄海があえて受けた感じ。
「せっ」
追撃のミサイルキックを強引に叩き落としてから、タイミング良いカウンターの掌底で撃破。12分38秒、玄海強い。これで5度目の防衛に成功。
「ワハハハハハ、私を倒したければ核ミサイルでも持ってくるがいい」
わりとあっさりとメインイベントは終わった。翌朝の京スポ新聞一面は「閼伽裏、滅亡」の悪乗りした見出しとなった。
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71年目3月
先シリーズ最終戦で小川母の手によってバルスされた閼伽裏は存在が消えたことになり、団体公式サイトのホームページから名前が消えてしまった。そして発表された3月シリーズのカードにも閼伽裏の名前はなかった。
「閼伽裏選手はどうされたのですか」
記者団の質問に対しセブン山本が
「滅んだことになっています」
しかし最終戦のメインカードを目ざとく見つけた記者さんが問う
【SPZ世界タッグ選手権】
レッドロシアン、ダイナマイトへリング VS、玄海恵理 X
「エックスって誰ですか」
「知るかボケ」
セブン山本が記者に返す。
波乱含みのまま3月シリーズがスタートした。なお小早川志保は負傷が治らず引き続き欠場。
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