第1,617回 この親不孝者!
そしてセミ前、小川あかりが弱り切った表情で入場。
対戦相手は先月と同じく実の母親フローラ小川53歳。しかし表情や風貌、体のつくりは若々しく、そんな雰囲気はみじんもない。
「欲野先生にお願いしてips細胞を大量注入してもらって若返りに成功したわ」
どええええええええええ!!!
場内爆発
「あかり、あなたは格闘技に向いてないのよ。大ごとになる前に、母さんがあなたを再起不能にしてあげるわ」
ようするに小川あかりのぐだぐだファイトに見切りをつけ、自ら引導渡し役を買って出たということのようだ。しかしそのためにips細胞の力を借りるとは・・・
「こんなのって・・・ありえない」
「さあ、おしゃべりはおしまいにしましょう。30%の力で相手してあげる。30%。」
もう言葉もない。
「フォォォォォォぃ」
気合を込めるフローラ小川、現役時代に使った筋肉細胞を再起動させている。
「問題はこの筋肉の動きに腱や靭帯がついて行かないことだけど、30分くらいなら何とかなるらしいの。さあ、覚悟なさい」
異様な雰囲気の中ゴングが鳴った。裁くレフェリーはセブン山本。
小川あかり、覚悟を決めたのかアームホイップで転ばせて執拗なスリーパー責め。しかしフローラ小川もドロップキックで応戦。単純な攻防でも盛り上がった。
「てやっ」
小川あかり、実の母親にチョップの連打でたじろがせる。しかしフローラ小川、
「この親不孝者」
エルボー炸裂。しかし小川あかりコーナー最上段にすばやく登って
「せい」
ミサイルキック。
「・・・・がふあっ」
もろにくらったフローラ小川、口から怪しい緑色の液体を吐いてしまった。どよめく場内
そのままフローラ小川棒立ち。内部エラーが発生したようだ。
「い、いまだ」
すかさずネックブリーカーを決めた小川あかりがフローラ小川から3カウントを奪取。
勝負タイム10分36秒。
「ギギギ」
口から緑色の液体を垂れ流しながら苦しむフローラ小川。勝ったものの呆然とする小川あかり。
「おっかしいなあ」
欲野深三医師がノートPC片手にリングに上がり、フローラ小川の状態をチェック。
「でもこれで実戦データが取れた。再調整が必要やね。」
謎のナース軍団が現れフローラ小川の身体を銀色のシートで包み、ストレッチャーに乗せて引き揚げた。場内爆笑。
小川あかり、呆然とした表情で引き揚げた。
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セミは長原ちづるVSクリス・モーガン
先月、玄海に惜敗したモーガンはリベンジするべくSPZマットに継続参戦。この日は新進の長原と対戦。しかし馬力の差は歴然であり、モーガンが余裕のファイト。観客にアピールしてからの強烈なパイルドライバーで悶絶させてからパワースラム。8分9秒、モーガンの完勝。
「玄海!シングルマッチ!シングルマッチ!」
モーガン様、アピールしてから引き揚げた。
そしてメインはSPZ戦、王者玄海恵理に挑むのは菊次莉乃。パワーはともかくスピードがあり、若手期待の星なので挑戦者に抜擢された。
しかし試合が始まるや玄海のペース。落差のあるバックドロップで菊次を悶絶させる。懸命にムーンサルトを繰り出した玄海だったが
「効かねえなあ」
強烈ラリアットのお返し。ワン、トゥ・・・ドドドドドド
そして玄海、ニーアタック、スクラップバスターの凄い攻撃。
「オラオラオラー」
そしてラストライド炸裂。しかし菊次返してミサイルキックで反撃しようとしたが玄海見切ってかわした。
壮絶な自爆。
玄海パワースラム、菊次返す!
「しぶてえやつだ、でもこれで終わり!」
玄海2度目のラストライド、
ワン、トゥ…どドドドドドド
菊次返した!ギリギリで。場内どよめき。あの玄海のラストライド2発を返した選手はいまだかつていない。しかし菊次頭を打ってしまったのか起き上がれない。ピクピクと痙攣している。
「よく頑張った、終了!!」
最後はキャプチュードで投げて3カウントを奪った玄海、21分32秒、粘る菊次を振り切って初防衛に成功。
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