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2013年12月10日 (火)

第1,631回 格闘家としての本能

73年目11月
シリーズ最終戦横スペ大会メインイベント前で公開されたあおりVTR、

夜の新宿二丁目、雑居ビルの2階にある小さいレストラン。
ジュウウウウ・・・・

50歳くらいのおばさんがカキフライを揚げていた。場内爆笑。

頃合いとみるや、50歳くらいのおばさんはカキフライを菜箸ですくってキッチンペーパーをしいたバットの上に置いた。そして皿を用意し、付け合せであらかじめ用意しておいた生野菜を盛り、もう片方に小ぶりのカキフライを5個並べた。

「はい、上がりましたよ」

冬が近づく2081年、定番メニューにはないが、別途手書きされた「本日のおすすめ」の一番上に「カキフライ1000円」とあった。

「季節のメニューを用意しないと固定客はついてこない・・・・」

元SPZ王者にしていまは新宿二丁目で洋食店「ザ・ガロニ」を経営しているフローラ小川53歳、調理場でため息をついていた。長年の夢である自分の店を持ったが、あまり儲かっていないらしい。

そして夜10時
「オールオーダーストップです」
「じゃあ、先に上がらせていただきますね」

フローラ小川53歳、レジ締めと後片付けをスタッフに任せ、裏口から店を出た。流しのタクシーを捕まえて一言、
「六本木まで」
場内爆笑。

そして30分後、六本木の雑居ビル、エレベーターに乗り込んだフローラ小川、押しボタンの下にある鍵穴に持参した秘密のキーを差し込み、隠しボタンを押した。こうすることで隠しフロアである地下2階に行ける。

地下2階、秘密オフィスのドアにもテンキー入力装置があった。
「1、1、9、2、E」
ピーという電子音がしてドアが開いた。そこは秘密の病院だった。そこには白衣を着た初老の男。マッド医師欲野深三だ。

「じゃあ、フローラさん、用意はいいかね」
フローラ小川(本名:西花子)、コートを脱いでブラウスの袖をまくった。
欲野医師の右手にはぶっとい注射器が!コワイ!
「ちょっとちくっとするけど勘弁ね」
「ぎゃああああああああああああ」

フローラ小川絶叫。ここで画面暗転。場内爆笑!!

午前0時、若返りに成功して10代後半の肉体を取り戻したフローラ小川、タンクトップとスパッツの練習着をまとっている。

「ウオオオおおおお」

スパーリングの相手は屈強な体つきの謎の男性戦闘員クリーチャー。場内どよめき。フローラ小川、相手の当たりを懸命に受け止め、足を引っ掛けてグラウンドに持ち込み、もみ合った後うまく相手の腕関節を捕らえてぎりぎりとひねりあげる。

バキッ

フローラ小川、容赦なく相手の右腕をへし折った。
「UOAAAAAAAA」
口から緑の液体を吐いてもがき苦しみリング下に転落する戦闘員。

「これで・・・15人」
荒い息をつくフローラ小川。コーナーにもたれて差し出された怪しい補水液を飲む。

「もう一丁!!」
叫ぶフローラ小川。
よく見るとリング下には腕や足をへし折られた謎のクリーチャーが転がり呻いている。殺伐!!

シャッターが開き、新手の戦闘員クリーチャーが現れてフローラ小川に突進する。
「グワーッ!!」
1分後、この夜16回目の悲鳴が轟いた。

ここでナレーション。

「SPZクライマックスで全敗に終わったフローラ小川、さすがに自らの非力を悟り、秘密特訓と肉体再改造を決意。」

「ips細胞で若返りに成功したフローラ小川だが、最大の課題は長年のブランクで失われた実戦カンと、格闘家としての本能を呼び覚ますことだった。」

爆笑

「ふがいない三流レスラー、小川あかりを引退に追い込むため、フローラ小川は死をも恐れぬスパーリング特訓を行った。アポカリプス病院秘密研究所の特殊クリーチャーを相手に格闘訓練を重ね、実戦カンを取り戻しつつあった」

「アー、アー、アアーッ」

若返り肉体での活動限界ギリギリまで特訓を重ね、19体のクリーチャーを倒した。いっちゃった表情で荒い息をつく。そしてその場に崩れ落ちた。

2時間後、ストレッチャーに乗せられて病室に運ばれたフローラ小川、投与したips細胞の効果が切れたのか、表情はもうおばさんのそれに戻っていた。病院の患者ガウンを着た状態でゆっくりと上体を起こす。そして両手を握ったり開いたりしてつぶやく

「取り戻した・・・あの、カンカク・・・・・」

そのあとフローラ小川、ベッドから起き上がり私服に着替えたあと、来た時と同じように秘密クリニックを抜け、六本木の交差点に立った、もう明け方に近くなっていた・・・・・タクシーを捕まえ、
「笹塚まで」
家路についた。

そのあと、明け方の東京を走るタクシーをバックにウルトラタッグリーグ戦の出場チームがテロップで流れる。

フローラ小川&NOTORI

菊次莉乃&長原ちづる 

玄海恵理&小川あかり

ダークジョーカー&ダークヴィーナス

欲野深子&サキタン

レミー・ダダーン&ゴールドフェンリル(IWWF)

スバリカラス&ハリノキ・リブレ(AAC)

ユン・メイファ&エレナ・ライアン(IWWF)

15分に及んだあおりVTRが終わり、横浜スペシャルホールに詰めかけたファンは驚き、また笑い転げた。

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