第1,646回 フローラ小川の90%の力
74年目6月シリーズ さいたまドーム大会
休憩後、外人同士のタッグマッチを挟んで、因縁の対決。
第5試合。小川あかりが弱り切った表情で入場。
対戦相手は先々月と同じく実の母親フローラ小川54歳。しかし表情や風貌、体のつくりは10代後半のそれで若々しく、年配の雰囲気はみじんもない。
「欲野先生にお願いしてips細胞を大量注入してもらって若返りに成功したわ」
あははハハハハハ!!
場内爆笑
「あかり、あなたは格闘技に向いてないのよ。大きな事故をやらかしちゃう前に、母さんがあなたを再起不能にしてあげるわ」
「わ、私だってパワーはともかく、テクニックならSPZで一番だから」
「なにがテクニックよ。あんたみたいのはね、『くそみそテクニック』っていうのよ。」
「・・・・くっ」
「さあ、おしゃべりはおしまいにしましょう。90%の力で相手してあげる。90%。」
なんということだ。
小川あかりは静かに瞑想を始めた、そのあと
「オンマイタラシティソワカ・・・・フォォォォォォ・・・・アアアアアアッー、ぬおおおー かっー、あおおーっ、うーっ、ふはーっ!!」
あられもない声で気合を込めるフローラ小川、現役時代に使った筋肉細胞を再起動させている。
「問題は、この筋肉の動きに腱や靭帯がついて行かないことだけど、30分くらいなら何とかなるらしいの。さあ、覚悟なさい」
因縁の対決のゴングが鳴った。
闘いが長引くと不利(という設定)のフローラ小川がエルボーをやドロップキックを連発して追い込んでゆくが、小川あかりも腕関節を取って反撃、そしてニーリフトを叩き込む壮絶な母娘暴力が展開された。しかし20分過ぎに仕掛けた小川あかりが逆片エビ固め。
「はうあっ」
腰に爆弾を抱えているフローラ小川はこれでへなへなと力が抜けてしまった。
「これでとどめ」
小川あかり、トドメのストレッチプラム。力の入らないフローラ小川、抜けられない・・・
「ギャーッ」
バシャアッ!!
フローラ小川、口元から緑色の液体を吐いて悶絶した。
カンカンカンカン
危険と判断したセブン山本が試合を止めた。勝負タイム24分34秒。
「ぐ・・・ごぼっ」
口から緑色の液体を垂れ流しながら苦しむフローラ小川。勝ったものの呆然とする小川あかり。
「おっかしいなあ」
欲野医師がノートPC片手にリングに上がり、フローラ小川の状態をチェック。
「でもこれで実戦データが取れた。再調整が必要やね。」
謎のナース軍団が現れフローラ小川の身体を銀色のシートで包み、ストレッチャーに乗せて引き揚げた。場内爆笑。
小川あかり、呆然とした表情で引き揚げた。
セミは入社2年目のカンナ神威が抜擢されて、ガラパシ・ガルパンと一騎打ち。しかしやはりロシアのトップ選手の壁は厚く、キャプチュードに敗れてしまった。
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そしてメインはSPZ戦、王者菊次莉乃の対するは、長原ちづる。普段はタッグを組んでいる両者が激突。
「はっ」
まだベルトを巻いたことのない長原が積極的に攻めてゆくが、菊次も重たいチョップを放って動きを止める。そして菊次、ムーンサルトで大ダメージを与えておいてのミサイルキック。これ以上は受けられないと判断した長原、ジャーマンで勝負をかけるが菊次返す。ならばと奥の手パワーボム。しかしこれも返される。ならばと長原、裏技のダイビングプレス。しかしこれも菊次返した。
「そんな・・・」
攻め疲れを隠せない長原、そこを組みつかれて倒されてしまう
菊次2度目のムーンサルト。長原ギリギリで返すもこれで動けなくなった。
「これで終わる」
3度目のムーンサルトで長原沈んだ。勝負タイム23分31秒、王者が初防衛に成功。
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