全日本古河大会観戦記(2)
第1試合 渕正信VS井上雅央
「さむさむ」和田京平レフェリーが直前までストーブにあたっていた。まず「YOSSHA」Tシャツを着た井上雅がリングへ。そのあと場内に「デンジャーゾーン」がかかり、赤い還暦Tシャツを着た渕正信がリングへ。明日還暦を迎える渕さんなので、50代ラストマッチと銘打たれていた。
井上雅は良く言えばがっしりした体格。悪く言えば腹がやや出てきた中年太り。Tシャツを脱いで丁寧に畳んでセコンドに渡すしぐさに笑い。しかしセコンドが乱雑に扱いせっかく畳んだのが崩れたのを見て「ああっ!」と突っ込む井上雅がおもしろい。
ロックアップで組み合ってから、ロープブレイクを経て渕さんがいきなり左ひざへの関節蹴りを見舞い、井上雅の動きを止めにかかった。年齢を重ねてもえぐい攻めは健在。膝関節を気にして苦悶の表情を浮かべる井上雅。渕さんはいきなりスモールパッケージを2連発で仕掛けたが井上雅、秒殺はたまらんと返して、場外へエスケープ。
井上雅、息を整えてからリングに戻ろうとするが渕さんが構えていて、和田レフェリーに「下がらせろよ」と文句をつける井上雅。けっこう時間をかけてリングに戻った井上雅だが、渕さんの顔面かきむしりにつかまってしまいうめき声をあげるが、井上も顔面かきむしりをやり返す。井上には厳格にチェックを入れる和田レフェリー。場内笑い。
井上雅はなんと和田レフェリーにも顔面かきむしりを見せる。しかし渕さんが前蹴りからのボディスラム連発、定番ムーブだ。井上雅の中年太りしたガタイを抱えてボディスラム。その都度しんどそうに肩で息をするフッチー。そしてダウンした井上雅へ股裂き攻撃!
(股裂きをくりだす渕さん)
うめき声をあげてこらえる井上雅。そして逆エビ固め。渕さんがじわじわと井上雅を追い込んでゆく。そのあとスローモーな逆さ押さえ込みの応酬があって場内沸く。和田レフェリーのカウントが遅いと文句をたれる井上雅。
井上雅も渕をコーナーに追い込んでから「オリャー」と奇声を発し串刺しラリアットを狙うが、キックで迎撃されてしまう。たまらず井上雅は2度目の場外エスケープ。またリングへ戻った井上雅だが、渕さんが勝負をつけに来てスモールパッケージの連発。
何度か返した井上雅だが、ついに根負けし5度目のスモールパッケージで3カウントを喫した。勝負タイムは14分44秒。渕さんが出した技はボディスラムと逆エビ、股裂きと逆さ押さえ込み、首固めくらい。それで試合を成立させてしまうのだからキャリアというものは恐ろしい。渕さんが50代最後の試合を白星で飾った。
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