第1,710回 小下小石デビュー戦
そしてセミファイナル。アイドル兼業レスラー、小下小石(こしたこいし)デビュー戦。対戦相手は小川あかり。
「プールの授業 見学席から 水着のあなたを えっちな目で 見つめていたの・・・」
アリーナの一隅に設けられた特設ステージでOKA3000立川支部の生歌が流れる中、小下小石がリングへ!
「普通新人のデビュー戦は地方の体育館で第1試合って相場が決まってるんですけどねえ」
解説の杉浦社長が嘆息。先方の運営からゴリ押しがあったのは想像に難くない。
まあこの試合、小川あかりがいいようにグラウンドで遊んで、最後は息切れした頃合いを見計らって伝家の宝刀STFでギブアップを奪った、勝負タイム10分2秒。小下小石、デビュー戦の味は苦かった。
「もっと強くなって、近いうちに小川さんを絶対に潰します」(小下小石)
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メインのSPZ戦、王者サキタンに挑むのはネグシハベシ国第一皇女、マキーナ・オケッチ・ネグシハベシ。
「勝ってSPZベルトを売却・・・」
とんでもないことを口走るマキーナ姫。ネグシハベシ国の財政危機解消のために真剣な表情でサキタンに向かってゆくマキーナ姫
「姫様ああ」
セコンドのエナさんが声援を送る。タントラカッターで優位に立つも、サキタンもムーンサルトで応戦、どちらに転ぶかわからないいい試合となった。コブラツイストで相手の動きを止めたマキーナ姫、
「マキーナ・ミスティカ!」
最後はボディスラムの態勢から頭から落とすという新技を披露したマキーナ姫、これで頭を打ってしまったサキタン、3カウントを奪われた!!王座移動!!
「姫さま!おめでとうございます!!」
SPZベルトがネグシハベシ国に流出!!勝負タイム51分58秒。場内どよめき!!
「勝てました、ですので、このベルトをネットオークションで売り払いたいと思います!!」
どわああああああ
「ええかげんにせえよ」
長原ちづるがリングに上がりマイク。
「このベルトにはねえ、76年分の汗と涙と血がしみ込んでいるんよ、わかってんのあんた?」
ドワアア
「SPZの伝統は理解していますが、私たちも国を背負ってやっています。これがいいカネで売却できれば母国の消費税80パーセント上げを先送りできます」
「くっこの・・・・」
大乱闘勃発。これは大変なことになった。菊次ら、そして若手選手も割って入りエナさんも応戦。杉浦社長がゴングを乱打するが何の効果もない。シュラバ!!
「まあ待て」
セブン山本統括部長がリングに入り説得。
「ちょっとベルト売却ってえのはうまかねえな。でもベルトの所有権はその時にチャンピオンに帰属するって会社の規約にも書いてあるからね。じゃあSPZ本社がベルトの所有権をネグシハベシ国の国債5000万円分で買い取るってのはどうっすかね」
「・・・・了解したわ」
かくてネグシハベシ国の一般会計に、SPZから5000万円が振り込まれることになった・・・・・
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