第1.739回 これからは、明るく楽しく生きてゆきなさい。
77年目12月シリーズ最終戦
さいたまドーム大会
ワン、トゥ、スリ
セブン山本レフェリーがマットを3つ叩いた。セミファイナル、ダブル引退試合を制したのは菊次莉乃だった。
闘い終わってノーサイド、カンナ神威以外の全選手とスタッフがリングに上がり、2班に分かれて同時胴上げ!そのあと2人は握手して、小川、菊次の順に引き揚げた。
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さいたま大会、メインイベントはカンナ神威VSクリス・モーガンのノンタイトル戦。
SPZとIWWFの頂上決戦。クリスの馬力を何とかしのぐカンナ神威、シビアな攻防の決着は一瞬であっけなくついた。
「うおおー、グ、あああ」
15分過ぎにラリアットを狙って大振りしたクリスモーガン。その腕を捕らえてサッと腕固めで極めたカンナ神威、たまらずクリスは痛がり出しギブアップ。決着はあっけなくついた。
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メイン終了後、まず小川あかりの引退セレモニー。シックなスーツ姿に着替えた小川あかりがファンに最後の挨拶。
「いつも応援いただきまして、まことにありがとうございます。私、小川あかりは、首と腰を痛め、自分の納得いくレスリングをお見せすることができなくなりましたので、本日をもって現役を退きます。みなさん・・・・今日まで、本当にありがとうございました。これからも、SPZの応援をよろしくお願いいたします!」
そのあと10カウントゴング。ちょっと小川あかりは涙ぐんだ。
そして花道を下がろうとした小川あかりだったが、
ここで花道奥に小川母が現れて娘にねぎらいの言葉。
「あかり、お疲れ様、事故無く現役を終えられて、母さんもうれしいわ。んで、あなたは花束だと喜ばないし(場内爆笑)食べ物だとあとに残らないんで(爆笑)こんなんでどうかな。」
小川母、エルメスバーキンのバッグをごそごそやって、中から腕時計を取り出した。
「これからは、明るく楽しく生きていきなさい」
ダイヤモンドがちりばめられたフランクミュラーの腕時計を自ら娘の手を取り装着した。場内どよめき。そして2人でゲート前で手を振り、
「ども、バカ娘がお騒がせしました」
小川あかり、ちょっとムッとしたものの苦笑して、バックステージへと消えた。
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小川あかり
SPZ67期
2075年4月21日、釧路厚生年金アリーナ大会での対 相羽和希戦でデビュー。2085年12月24日、さいたまドーム大会での対 菊次莉乃戦で引退。稼働月数129ケ月、出場試合数(概算)874試合
タイトル歴
第139代SPZ世界タッグ王者(パートナーは玄海恵理)
第141代SPZ世界タッグ王者(パートナーは玄海恵理)
第143代SPZ世界タッグ王者(パートナーは玄海恵理)
第147代SPZ世界タッグ王者(パートナーはカンナ神威)
第100代あばしりタッグ王者(パートナーは長原ちづる)
第103代あばしりタッグ王者(パートナーは小早川志保)
第107代あばしりタッグ王者(パートナーは菊次莉乃)
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「かんどー的な引退セレモニーのあとでやりづらいんですけど・・・」
そのあと入れ替わりにジャージ姿の菊次莉乃が現れ、ファンに最後の挨拶。
「もう思い残すことはありません。シングルチャンピオンにもなれましたし、全国でいろんなおいしいものを食べて、ファンの方の声援を頂けた私は幸せ者です」
どわああああ
「今まで応援ありがとうございました。これからは結婚して第2の人生、明るい家庭を築きます!」
場内悲鳴とええええが交錯する中、菊次、ファンに手を振りながら引き揚げた。
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菊次莉乃
SPZ70期
2078年4月16日、京都市立体育館大会での対野村あおば戦でデビュー。2085年12月24日、さいたまドーム大会での対 小川あかり戦で引退。稼働月数105ケ月、出場試合数(概算)756試合
タイトル歴
第209代SPZ世界王者
第211代SPZ世界王者
(通算防衛回数4回)
第142代・第144代・第149代・第152代SPZ世界タッグ王者(パートナーは長原ちづる)
第99代あばしりタッグ王者(パートナーは神田幸子)
第107代あばしりタッグ王者(パートナーは小川あかり)
第56回・57回・58回ウルトラタッグリーグ優勝(パートナーは長原ちづる)
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年末のプロレス大賞、最優秀選手はカンナ神威、新人王はアドミラル・ヤジマ。シングルのベストバウトもカンナ神威VSクリス・モーガンの一戦が受賞。
タッグのベストバウトもSPZが受賞、マキーナ姫、エナ・ガロニンティスVS欲野深子、サキタンの一戦が選ばれた。賞金1000万円の半分を受け取ったネグシハベシ国の2人は即刻本国に送金したのは言うまでもない。
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