第1,748回 カンナ神威14度目の防衛
78年目5月シリーズ
「バトル・カデンツァ」
そしてシリーズ最終戦は横スペ大会。
第1試合は斉藤智子VS山科瞳。空手の経験をひっさげてプロレス入りした斉藤、デビュー戦を白星で飾るなどいいスタートを見せた。この日も得意の掌底で山科を追い込む
(まともにもらい続けたらやばい、離れてやらないと)
これは判断ミス、斉藤はスッと間合いを詰め膝蹴りを打ち込んでくる。斉藤、ネックブリーカーを返して、
「うああああ」
裏拳をさく裂させ、なんと元あばしり王者の山科瞳から3カウントを奪取してしまった。勝負タイム14分50秒。デビューシリーズを2勝2敗で乗り切った斉藤、驚異の新人だ。
「一日も早く後半で使ってもらえるよう頑張ります」(斉藤)
続く第2試合はテディキャット堀VSアドミラル・ヤジマ。
なんとこの試合、デビュー2年目のヤジマが奮起し、元世界タッグ王者のT堀を10分6秒パイルドライバーで破るという快挙。
外人同士のタッグマッチを挟んで、休憩明け第4試合は越後しのぶ、金森麗子が登場し、ルミーダダーン、ジ・USAと激突。熱戦が展開されたが、最後は金森がつかまってしまい、18分57秒、外人組の合体パイルドライバーにやられてしまった。
*************************
第5試合はシングルマッチ、アイドルレスラー小下小石VSエナ・ガロニンティス。
きょうはマキーナ姫がメインで大きなシングルマッチに臨むので、パートナーのエナさんも休憩後の位置で珍しいシングルマッチ。試合はグラウンド中心の消耗戦が展開された。焦れた小下がバックドロップに捕らえようとするが、エナさん巧く空中で切り返して押し潰し、そのあと逆にジャーマンで投げ返す。この試合双方決め手を欠き、30分時間切れドローとなった。
そして
「次の試合に登場する野村あおば選手はこの試合が最後のファイトとなります、ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします」
この試合を最後に引退する野村あおばがリングへ、対戦相手は新人の結城千種。
―長引いたら不利、さっさと沈めないと
身のこなしを生かしていきなりドロップキック4連発、そしてネックブリーカー、これでひるんだ結城をスリーパーで痛めつけて、最後は至近距離からエルボー一撃。これで3カウント奪取。勝負タイム10分27秒。
最終試合を制した野村あおば、深々と一礼してから引き揚げた。
セミファイナルはアポカリプスの精鋭2人が登場、欲野深子、サキタンVSガラパシ・ガルパン、キラー・キエフ。
一進一退の攻防が展開されたが、ガルパンの集中力が切れず、変形ドラゴンスリーパーで落としにかかる、サキタン、落ちてしまったが欲野が懸命のカット、なおも欲野とガルパンがやりあう中、30分タイムアップのゴングが鳴った。
+++++++++++++++++++++++++
そしてメインはSPZ戦、
絶対王者カンナ神威に挑むのはマキーナ姫。
カンナ神威のあまりの強さにさじを投げたSPZマッチメイク委員会、ストップ・カンナ神威の可能性はともかく、実力者を順繰りに当てて行きましょうというマッチメイクをせざるを得なかった。
―できることなら、勝って、ベルトのリース料をSPZに請求して母国の会計の足しにする・・・・
ネグシハベシ国の財政危機を救うべく懸命のファイトのマキーナ姫。
なんでもかの国では社会保障を賄うために消費税が120%まで上がってしまったらしい。グラウンドでの攻防が展開されたが、結末は突然に。足関節の取り合いをしていたら突然マキーナが痛がり出した。アクシデントの負傷か。このチャンスを逃さずカンナ神威、サソリ固めでギブアップを奪い勝利。勝負タイム30分53秒、王者が14回目の防衛に成功。
+++++++++++++++++++++++++++
メイン終了後、野村あおばの引退セレモニー。
「あたし・・・あたし・・今日で・・・・さよならです・・・」
小柄な体格ながら、飛び回るファイトで人気を博した名選手がリングを降りた。
野村あおば
SPZ79期
2077年5月8日、新潟市体育館大会での対 エナ・リチャーズ戦でデビュー。2086年5月23日、横浜スペシャルホール大会での対 結城千種戦で引退。稼働月数109ケ月、出場試合数(概算)792試合
タイトル歴
第108代あばしりタッグ王者(パートナーは山科瞳)
« 第1,747回 78年目5月 結城千種、デビュー。 | トップページ | ちょっと暑い20140604 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント