第1,764回 欲野深子の意地
78年目1月
「新春ロケットシリーズ」開幕。
シリーズ第4戦鹿児島大会で空位となっていたSPZ世界タッグ戦の王者決定戦が行われた。先月のタッグリーグで優勝したカンナ神威、テディキャット堀VS越後しのぶ、金森麗子。
2冠王を狙っていつものように隙のない試合運びを見せたカンナ神威だったが、
「せあっ」
伏兵・金森麗子の得意技、ハイクラッシュを食らってしまい戦線離脱。あとは孤立したテディキャット堀を越後がハイキックで落ち着いて料理して終了。勝負タイム28分53秒、越後組が新王者に輝いた。金森麗子はタッグベルト初戴冠。
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最終戦は新日本ドーム大会。
外人同士のシングルマッチのあと、第2試合は晴れて世界タッグ王者になった金森麗子が登場。きょうは新人の斉藤智子をパートナーに、リュクスローズ1号&ファンシーローズ2号と対戦。キーパーソンとなったのは斉藤。外人組の猛攻をかいくぐって金森につなげるかどうかが焦点だったが、あっさり分断作戦にはまってしまい、13分13秒、ファンシー2号のパワースラムにフォール負け。
外人同士のタッグマッチをはさんで、休憩後第4試合はサキタン&アドミラル・ヤジマが登場し、テディキャット堀&結城千種と激突。しかしサキタン、このメンツの中では頭抜けているので優位に試合を運び、最後はT堀を捕らえて13分0秒、掌底で3カウント奪取。
セミ前第5試合はネグシハベシ国の2人が登場。マキーナ姫、エナ・ガロニンティスに対するはブルーフェンリル、レッドフェンリルのタッグマッチ。
「祖国の財政危機を救うため、私たちは勝たなくてはなりません」
マキーナ姫が奮戦し、最後は得意のマキーナ・ミスティカ(変形の垂直落下式ブレーンバスター)で3カウントを奪った。勝負タイム11分54秒。
セミは「SPZ王座次期挑戦者決定戦」として行われた、越後しのぶVS小下小石。
国民的アイドルグループと兼業ながら、トップグループに迫る実力をつけてきた小下。しかしこの日の相手はタッグ王者になってノリに乗っている越後しのぶ。打撃をもらって動きが止まってしまい、最後はDDTでフォールを奪われた。勝負タイム18分56秒。
「来月こそ、カンナ神威を潰す!!」
試合後高らかにマイクで宣言した越後だった。
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メインはSPZ戦、王者カンナ神威に対するは、アポカリプスの欲野深子。まともに戦っては勝ち目が薄いと判断したのか、入場時にスタンロッドを構えて入場した欲野だったが、
「欲野さん、そ、それはちょっと・・・・」
セブン山本レフェリーが厳格にチェックし、あえなく没収。場内笑い。
それでも欲野深子、王者の激しい攻めを懸命に耐える。そして20分過ぎに仕掛けた。。
「はっ」
欲野深子の代名詞、KOスリーパー。しかしディフェンスを固めていたK神威、なんとかロープに逃れる。これで攻め手がなくなったかと思われた欲野だが、K神威のサソリ固めを耐えると、もう一度KOスリーパー!!
「ぬ・・・ぐ・・・がっ」
カンナ神威、今度はポイントをずらせなかったらしく、あえなく失神。危険と判断したセブン山本レフェリーが試合を止めた。勝負タイム27分32秒、欲野深子、SPZ女王奪還。
「ファファファファ・・・よくやった欲野深子、さすがは私が養成した戦闘マシーンよ・・・ワハハハー」
オーロラビジョンに大写しになる高笑いの欲野深三医師。アポカリプス軍がカンナ神威に一矢報いた。
「カンナ神威さんの強さは認める。だが失神させてしまえばそんなものは関係ない、そう考えて作戦を立てて、たまたまそれが今回はハマっただけ。」(欲野)
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