第1,771回 79年目7月 サマースターナイツシリーズ
79年目7月
「サマースターナイツシリーズ」開幕。東北地方を南下するシリーズである。
「こ、腰がちょっと・・・」
ベテランのサキタンが腰痛のためシリーズ欠場。
新人の米野香月、前座でじっくり鍛える方針が取られたので第1試合で連敗を喫する日々が続く。
シリーズ第6戦宇都宮大会、メインで組まれたのはあばしりタッグ戦、アポカリプスの王者組、欲野深子、アドミラルヤジマからベルトを奪還するために本隊サイドは元SPZ王者のベテラン長原ちづるをテディキャット堀と組ませてぶつけた。
年季のある長原が試合をリードするかと思いきや、ヤジマもヘッドバッドを乱発し、長原を鼻から流血に追い込むえげつなさ。そして流れを作ってから欲野にタッチ。あとは欲野が冷酷にじわじわと2人を追い込み、サソリ固めでT堀からギブアップ勝ちをおさめた。勝負タイム28分58秒。
試合後、欲野深子がマイクを取った。
「IWWFで大金を稼ごうとした長原さん」
どわははは
SPZではグッズ収入は別にして、ファイトでは年収1500万以上稼げない。会社規定でそうなっている。
「もうかつてのSPZチャンプ長原さんじゃあないみたいだから、来月のSクラで大恥かく前にさっさと引退したらいかが?」
「ぐぬぬ」
それが正鵠を得ていることは本人が一番よくわかっている・・・・
シリーズ第7戦幕張大会では、メインでSPZタッグ戦、王者マキーナ姫、エナ・ガロニンティスに対するは、越後しのぶ、金森麗子組。このタッグマッチも何十回と組まれている鉄板カード。この試合、ともかく相手のペースにあわさずグラウンドへの引きずり込みを徹底したマキーナ姫とエナが何とか60分戦い抜き、初防衛に成功。負けないプロレスを徹底した。
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最終戦は新日本ドーム大会。
第1試合はユン・メイファVSエレナ・ライアン。人気外人同士の対戦は鋭い蹴りを連発したユンに凱歌が上がった。
セブン山本統括部長の挨拶のあと、第2試合は斉藤智子VS米野香月のシングルマッチ。入社2年めの斉藤智が力の差を見せつけ、わずか4分24秒、裏拳をぶち込んで米野を殴り倒した。
外人同士のタッグマッチの後休憩。
休憩明けは元SPZ王者長原ちづるが登場。テディキャット堀とタッグを組んで、アポカリプス軍のスパルタン子&アドミラル・ヤジマと激突。この試合はスパルタン子が暴れまわり、豪快なレッグドロップで長原を悶絶させる。しかしテディキャット堀も試合終盤のどさくさに紛れてスパルタン子を裏投げで落とし存在感を発揮。
しかし最後はアドミラルヤジマが
「アドミラル・インパクト!」
と叫んで、T堀をジャンピングパイルドライバーで落としてフォール勝ち、勝負タイム18分49秒。勝どきを上げるアポカリプスの2人だった。
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セミ前は越後しのぶ&金森麗子VSルミー・ダダーン&ブルーフェンリル。タッグベルト奪取に失敗した越後だが、外人相手に出ずっぱりの猛ファイト。優位に立ったまま押し切り、最後は合体パイルドライバーからレッグドロップと畳み掛けて18分39秒、勝利。
「SPZクライマックス!優勝する!」高らかに宣言する越後さんだった。
セミはマキーナ姫&エナさんVS小下小石、結城千種のタッグマッチ。
来月に迫ったSPZクライマックス、存在感を示しておきたいマキーナ、小下、そして結城。しかしマキーナ姫とエナさんもタッグ王者の意地を見せて懸命のファイト。しかし試合終盤、エナさんの口元に小下のエルボーが入ってしまい流血。
「…いた」
顔をしかめたエナさん、得意のタントラロックに捕らえたが結城がカット。そのあとは両軍決め手を欠き、30分時間切れドローとなった。
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新日本ドーム大会メインイベントはSPZ戦、王者カンナ神威に対するは、殺人戦闘マシーン・欲野深子。
「カンナ神威の強さは認めよう。だがKOスリーパーで落としてしまえば関係ない」
「…油断のならない相手だ」
隙をうかがうファイトに徹した欲野だったが、体力に勝るカンナが技をガンガンかけてゆく。けっきょく、相手の息切れを待って仕掛けたカンナ神威がジャーマン、裏投げとたたみかけて3カウントを奪い、2度目の防衛に成功。
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