第1,803回 達人の域
80年目10月
「ビッグパワーシリーズ」開幕。日本海側の都市を主に回る地味なシリーズ。欲野深子、アドミラル・ヤジマ、そして新人の内野笙子も負傷欠場したため、総勢16名での寂しいサーキットとなった。
シリーズ第4戦神戸大会でSPZ世界タッグ戦、王者小下小石、結城千種に対するは、ガラパシ・ガルパン、レッドフェンリルの外人チーム。
あいかわらずガルパンのグラウンドさばきは玄人はだしだが、パートナーのレッドフェンリルがシビアな攻防についていけない。やむを得ずガルパンが前面に立って奮闘するも、悪い意味での出ずっぱりになってしまい、結城をアキレス腱固めで追い込むも小下にカットされてしまう。これ以上長引くと危険と判断した結城が必殺タッチアウトでガルパンの戦意を絶ってカウント3奪取、勝負タイム29分22秒、王者組が4度目の防衛に成功。
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最終戦は新日本ドーム大会。
第1試合はユキ萩原VSミスティアマスク。新人の萩原、外人相手にも臆せずレスリングを挑んでいったが、ミスティアマスクも相応の実力者なので掌底で動きを止めて、あっさりとバックドロップで新人を沈めた。勝負タイム11分36秒。
続く第2試合は金森麗子、斉藤智子のあばしり王者コンビが出陣し、カトリーヌ・マレス&アリッサ・サルーンと対戦。斉藤が蹴って蹴ってカトリーヌを追い込み、最後はタッチを受けた金森がハイクラッシュでアリッサを沈めた。勝負タイム9分15秒。
「イージーマッチでしたね」(金森)
休憩前第3試合は、休憩前に組むのが惜しいほどの好カード、
小下小石VSガラパシ・ガルパン。
先シリーズカンナ神威に敗北した小下はこの位置から再起を図るが、ガルパンの膝蹴りが入ってしまったらしく苦悶の表情を浮かべ挽回できない。そのままズルズルと攻め込まれ、ガルパンが変形ドラゴンスリーパーで12分52秒、ギブアップを奪った。ガルパンが先日のタッグ戦の雪辱を果たした。
休憩明けはマキーナ姫とエナ・ガロニンティスのネグシハベシ国亡命タッグが登場、スティングレイ&レッドフェンリルと対戦。レッドフェンリルが最終戦とあってラフファイトに出て鉄製の凶器でエナさんをどつくという暴挙に出るも、マキーナ姫が猛反撃。ノーザンライトSHの連発で外人チームを追い込む。最後は乱戦の中、きっちりマキーナミスティカでレッドフェンリルを沈めた。勝負タイム28分3秒。
「いつの日か、王国の再興を・・・・」
無政府状態でえらいことになっている母国ををいつか再興するためにファイトマネー稼ぎに励むマキーナ姫であった。
セミはS・越後しのぶVS結城千種。8月のSクラでは越後が勝っているカードの再戦。次期SPZ挑戦権のことを考えるとお互い負けられない一戦。こんかいは2連敗は避けたいと結城が奮起し、終始積極的に攻めて最後はシャイニングウィザードで越後を沈めた。勝負タイム20分43秒。
そしてメインはSPZ選手権、王者カンナ神威に挑むのは、
入社1年半の市ヶ谷レイカ。
先月結城を倒したにせよ少々早すぎるのではという声もあったが、セブン山本統括部長が「一度の挑戦ではカンナ神威の牙城は崩せない、したがってまず一度挑戦させておくことが今後を見据えたうえで重要」と反対論を押し切りこのタイトル戦が実現した。
(相手は馬力はあるが、修羅場をかいくぐってきた経験ではこちらが上だ)
ちからまかせの市ヶ谷のラリアットをあっさり見切ってかわすカンナ神威、それでも市ヶ谷、ボディスラム、掌底で手数を繰り出す。
(油断はできないな)
カンナ神威、まずグラウンドに引きずり込んでの腕攻めで市ヶ谷の動きを止めにかかる。こうなると市ヶ谷苦しい。ドロップキック、そして傷む腕を振るってのラリアットでつなぎDDTで反撃するも受けきったカンナ神威、ノーザンで反撃
「YOUUUUUU」
ここで市ヶ谷、勝負をかけたゴッデスボム、しかしカンナ神威は2で返して
「これに耐えられるか?」
狙い澄ました飛びつき腕ひしぎ逆十字、さんざん腕を攻められている市ヶ谷レイカ、これ以上耐えることは無理と判断してあえなくタップ。
勝負タイム29分43秒。王者が9度目の防衛に成功。通算防衛回数を28とし、歴代単独4位に躍り出た。
「腕攻めの仕掛けがはまってくれた。あのゴッデスボムとかいう技は2発は食えないから。なんとか結果をこっちに転ばせることができた」
カンナ神威、もはや達人の域。
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