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2014年10月17日 (金)

第1,834回 それぞれのデビュー戦

82年目5月
「バトルカデンツァ」開幕。

ことしは新人3人の出来がよく、コーチ役の金森麗子も習得の速さに舌を巻いた。

「まだ新人特有のスタミナの難とか、線の細さとか問題はありますが、ひととおり受け身を覚えさせましたので、5月シリーズ中にデビューさせちゃっていいと思いますよ」

これを受けてSPZ上層部な新人3人(遠藤亜美、遠藤真美、鳥海理奈)のレスラーライセンス発行を日本レスリングコミッションに申請し、3人のデビューが承認された。

「3人とも、これ」

シリーズ開始前の堂々練習終了後、杉浦社長から渡された紙袋の中にはリングコスチュームとシューズが入っていた。

「5月シリーズの地方大会のどこかでデビュー戦だから、まあ気張らずに先輩の胸を借りる感じで、お願いね」

(デビューが、OKでた・・・)

3人ともうれしさを隠せない。

その夜遅く、杉浦社長とセブン山本統括部長はカード編成で悩んでいた。

「あの双子の妹の方、キックの威力はけっこうなものがあるって話が、道場でミットを持っていた鉄子さんが吹っ飛んだそうです」

「んー、番狂わせは起こしたくないのよねえ」(杉浦社長)

新人のデビューは地方興行の前座で先輩相手に何もできずにぶざまにやられるのが通過儀礼。長いSPZの歴史でも、「デビュー戦勝利」という離れ業をやってのけたのは数えるほどである。

杉浦社長、ホワイトボードに対戦カードを書いたり消したり書き直したりを繰り返していたが、最終的に遠藤亜美の相手のところに、ある中堅選手の名を書き入れた。

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初戦山梨カイメッセ大会で青江理奈改め、鳥海理奈デビュー戦。出身地の有名山岳である鳥海山にあやかったリングネーム。

対戦相手は1期先輩のREI。なんと鳥海、1期先輩のREIをラリアットで追い込むなど健闘。あわやデビュー戦白星かというところまできたが、

「ゼェゼェ・・・・」
10分経過時点で息が上がってしまった。そこを落ち着いてボディスラムで投げたREIがフォール勝ち。勝負タイム11分28秒。
(あっぶな・・・やられるかと思った)(REI)

第2試合は双子の妹、遠藤亜美のデビュー戦、

相手は元SPZタッグ王者にまでなったことのある金森麗子。今シリーズはユキ萩原や上沼垂と言った若手が負傷欠場しているので、ベテランの金森がデビュー戦の相手を買って出た。

金森、ちょこんとエルボーを当ててたじろがせた後、
「ぬわあっ!!」

ものすごいハイキック一撃。この一発で遠藤亜美は戦意喪失。続くフォールを返せず4分51秒、終了。試合後もダメージの深い遠藤亜美は小川あかりレフェリーにおんぶされて引き揚げた。

「打撃が好きそうなコだったから、プロレスの打撃ってまあこんなものだよということで」

(金森)

「うう・・・・」

控室でもなかなか起き上がれなかった遠藤亜美、心配そうに覗き込む遠藤真美。

(自分も、あさって、この世界に足を踏み入れるんだ・・・)

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第2戦別府大会第1試合では遠藤真美のデビュー戦。

対戦相手は一期先輩のREI。よく打撃を繰り出したのだが、息が切れたころにストレッチプラムで捕獲され、

「うわあーー」

悲鳴を上げてしまう。そしてREIがニーアタック。10分19秒、遠藤真美デビュー戦白星ならず・・・

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シリーズ第4戦、鹿児島大会で組まれたのはあばしり戦、王者金森麗子、斉藤智子に対するはミスUSAマスク、ダイナマイト・サラ。

外人勢のパワーに苦しむ金森と斉藤。何とか粘りのファイトを見せた王者組だが、最後は斉藤智がつかまり、ダイナマイト・サラのタイガードライバーにフォール負け。勝負タイム30分3秒。あばしりタッグが海外流出。

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