第1,855回 結城千種の決意
83年目7月
「サマースターナイツシリーズ」開幕。
「市ヶ谷さんに誰をぶつけましょうか・・・・」(杉浦社長)
「大物外人呼ぶと金かかりますしねえ」(山本和男統括部長)
最終戦のドーム大会、市ヶ谷の相手をどうするかでマッチメイク委員会は紛糾したが、けっきょく、結城千種を連続挑戦させることにした。
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初戦青森大会のオーロラビジョンで結城千種は挨拶。
「市ヶ谷さんにどうしても勝ちたいので、自分を極限まで追い込みます。私は今、長野県の山奥で秘密特訓を行っております。巡業を欠場するのは申し訳ないのですが」
場内どよめき。
「今シリーズ最終戦、ドーム大会。究極の結城千種であの人に挑みます。これでだめなら、私はこの会社から、身を、退きます」
ええええええええええええええええええええええええ!!
「オーホホホホ、とうとう結城千種、頭がおかしくなったようね。」
リング上で高笑いの市ヶ谷様、しかし青森大会メインイベントでは、結城の秘密特訓で気が散ったか、本来の暴れっぷりが影をひそめ6人タッグで手痛い敗戦を喫した。
(市ヶ谷&遠藤亜美&真美×VS小下小石○&マキーナ&ブリザード)
「か、かいせつの杉浦さん、大変なことになってきましたねえ」
アナウンサーが蒼い顔で。
「まあ・・・これはですね、リング上でやったことのある人、それもトップを取った人にしかわからないでしょう・・・・ナンバー2はあくまで敗者だとしか彼女は考えられなかったのかもしれませんねえ」
「会社としてどうするつもりですか」
「・・・・・さあ、今言われたばっかりなので、シリーズ終了後に面談を持ちます」
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シリーズ第6戦宇都宮大会メインでマキーナ姫&エステルブリザード組があばしりタッグを奪取。
マキーナ姫が老獪なファイトでつなぎ、最後はエステルがコブラツイストでブルーフェンリルからギブアップを奪った。勝負タイム28分40秒。
シリーズ最終戦新日本ドーム大会
「結城千種・負けたら即引退マッチ」
そう新聞は書きたてた・・・・
決戦の3時間前
結城千種はワンボックスカーの後部座席で決然とした表情
(あの人に勝つ、それ以外何もない)
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