第1,884回 コンビ解体へ(下)
84年目9月シリーズ
初戦新潟大会
「ひぃああああッ!!」
クリスティン・ロパトカのアキレス腱固めを懸命にこらえた市ヶ谷だが、これ以上我慢すると巡業に差し支えると判断したのか、ついにタップ。
48分25秒、王座移動。外人組がタッグベルトを奪取!!
場内ええええええ?あの無敵を誇った市ヶ谷様がやられてしまうとは・・・
(えっと・・・この場合どうするんだっけ・・・・)
ふらつく頭でリングに戻った遠藤亜美、負けるとしたら自分だと思っていた。
「イチガヤ・レイカに勝利したぜ!!」
タッグベルトを巻きワハハハハと勝どきを挙げる外人2人、なんとそのまま缶ビールを飲みながら控室へ引き上げた・・・・
「くっ」
アキレス腱を押さえて痛々しそうな表情の市ヶ谷。若手に命じてシューズを脱がせてコールドスプレー。亜美も駆け寄り、市ヶ谷を引き起こそうとしたが・・・・
「何でカットに入らないのよこのポンコツ!!」
市ヶ谷一喝、うわあ完全に八つ当たりだ。そして市ヶ谷持っていた自らのリングシューズで遠藤亜美の頭を思い切り殴りつけた。
「イタッ」
ここで遠藤亜美の中で何かが弾けた。
「しにさらせーーーッ」
なんと亜美、市ヶ谷に掴みかかり押し倒し、上からマウントパンチで殴りつける!!
カンカンカンカン!!
セブン山本統括部長がゴングを乱打する。若手が制止すべくリングインしてくる。エキサイトとした2人がとっくみあいの殴り合い。仲間割れ、仲間割れ、負けてベルトを失ったとはいえなんと見苦しい。
リング上は大混乱に陥り、セコンド陣総出で引き離された2人、
「くきぃーっ!!」
まるで怪鳥のような叫び声をあげる市ヶ谷様、
「もうあなたのような三下ポンコツとはタッグ組んでられませんわ!コンビ解消よっ!!」
とか言って荒れ狂いながら花道を去って行った。
これを受けてSPZ運営はカードの見直しを図り、遠藤亜美は市ヶ谷とタッグを解消し、その後の地方巡業はユキ萩原、斉藤智子らとタッグを組むように変更された・・・・
(あれ、市ヶ谷さん、わざと負けましたね・・・)
横浜の本社で映像を見ていた杉浦社長はピンとくるものがあった。
いまの自分に対抗しうる存在は、壊れてしまった結城千種を別にすると、遠藤亜美しかいない。そのためにはこれ以上コンビを組むわけにはいかない・・・そう考えたのか・・・・
そして最終戦は、さいたまドーム大会。
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