ROAD TO CADENZA(1)
レッスルエンジェルスサバイバー プレイ日記
輝くエッセンシャル
ROAD TO CADENZA
「はぁ・・・・・美しい」
時に西暦2097年、
東京・新宿のはずれ、新宿五丁目の高級マンション、
物語はここから始まる。
ひとりの天才アーティストが100インチの大画面を食い入るように見ていた。
録画しておいたSPZプロレス中継。大画面でSPZの中堅レスラー、我那覇愛のファイトをいやらしい目で見ていた。
(はぁ、はぁ・・・・肉厚なヒップ、筋肉の付いた太もも・・・・健康的なふくらはぎ・・・・・)
まあSPZの売りの一つが、健康的なお色気を振りまくことにあるので、こういうファンも少なからず存在した。
(おっと、そろそろクライアントと打ち合わせの時間だ、)
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一時間後
「何ですって?」
代々木にある小売業チェーンの本社会議室。
「いや、昨今は広告費用への投資も厳しい目が向けられて費用対効果を問う声がかくかくしかじかですので、来年度の半田先生への制作依頼は見送らせていただきたく・・・」
男の名は自称映画監督、半田阿佐雄(はんだ・あさお)。映像制作にはそこそこ通暁しているアーティストで、生活費稼ぎのためにいくつもの企業のCM動画撮影を請け負っていたが、1本当たり1000万円単位の料金を請求していたので、クライアントの業績が下向くとすぐ打ち切りの憂き目にあっていた。
その夜
「くそっ、誰もわしの芸術を理解せん。しょせんサラリーマンなぞその程度。上長の言うとおりに動く傀儡でしかない・・・」
新宿三丁目の行きつけのバーのカウンター席で半田は愚痴っていた。
新しいクライアントを開拓しないと、マンションの家賃が払えなくなる。
そう思いながら半田は3杯目のIWハーパーを飲み干した。
「んだとおらあ!もう一度言ってみろ!!」
「何度でもいいますよ!ひいこら現業やってるのは俺らなんだよ!監査で重箱の隅つつくなってんだ!」
テーブル席で言い争う声。酔客がエキサイトするシーンは稀にあること。
「お前部長になって、のぼせあがってんのと違うか?」
酔った背広姿のサラリーマンが一触即発
「おう、そこの社畜ども」
「んだてめえは?」
「静かに飲めねえ奴は金おいて出て行け」
半田は言い放った。
「なんだおらあ?」
そういいながら半田は来ていた上着を脱ぎ、Tシャツを脱いだ。
「俺の筋肉を見ろ、それでも事を荒立てるのかね」
ジムで鍛え上げた見事な肉体・・・シックスパックがきれいに出ている
「く・・・急用を思い出しちまったぜ、帰る」
といいながら2人のサラリーマンは財布から2万円を取出し、それを置いて足早にバーを出た。
「ばかなやつらだ」
半田氏、Tシャツを着てカウンター席に戻った。
「あんた…ただの芸術家じゃあなかったんだな」
バーテンがぼそりと。
「会わせたい人がいる、明日、交流会に来てみないか」
「交流会?」
これが、すべての災厄の始まりであった。
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