第2,059回 熱いファイト、そして、お客様に楽しみと興奮を
最終戦は新日本ドーム大会。
第1試合は中神朝香VSパーシー町田。最近は後半のタッグマッチにも顔を出している中神が優位に試合を進め、グラウンドの攻防でもイニシアチブをとって攻め込む。最後はドロップキックから強引に押さえ込んで3カウント奪取。勝負タイム9分15秒。
第2試合はタッグマッチ。スカルオーク、中瀬ピラニアVSスーパーUSA、ザ・マスカレード。4日前の名古屋でタッグベルトを失ったスカルオーク、その恨みをB級外人にぶつけるようにファイト、最後は得意のパイルドライバーでマスカレードを18分29秒沈めた。
外人同士の6人タッグマッチのあと休憩。
休憩後は今大会の目玉「5大シングルマッチ」。重たい試合が続くと見る方も疲れるので賛否両論あったのだが。
休憩明けは川端明子VSヤロスラブリ。
久々来日のヤロスラブリ、本国でレスリングスクールの先生と2足のわらじを履いてのレスラー稼業。2週間の巡業が終わり、明日帰国できるとあってノリノリの攻め。対戦相手の川端は体重が軽いのでフロントスープレックスを乱発。そして逆片エビで痛めつける。ヒールのギミックも板についてきたが、川端も逆襲のSTF,油断していたのかヤロスラブリ、痛みに耐えかね無念のタップ。勝負タイム11分49秒、川端明子が強豪外人相手に白星。
そして、
「次の試合に登場する藤田一美選手は最後のファイトとなります。ファンの皆様より一層の声援をお願いいたします」
このアナウンスのあと、
勇気という名の、白いボールを胸に、夢を追いかける、どんなときも・・・
「WINNING」がかかり、藤田一美が最後のリングへ。
(あー、膝痛い、腰痛い。でも今日でこの仕事は最後)
対戦相手は若手の金井美香。
これは藤田に花を持たせようという大甘マッチメイク。落ち着いて攻め込んだ藤田、パイルドライバーで追い込むも、金井もジャーマンで反撃。そして金井、立て続けに2発目のジャーマン!!
(うわ、いた・・・)
ワン、トゥ、スリ
小川あかりレフェリーがマットを3つ叩いた。
勝負タイム15分32秒、藤田一美、ラストマッチを白星で飾れず敗北。
「・・・・やられました、甘くないですね」(藤田)
そう言い残して藤田はシャワーへ向かった。
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セミ前は真田美幸VSスーパーカムイ。リングネームを変えてから狂乱とパワーファイトに磨きをかけてきたスーパーカムイだが、この日は真田の蹴りで動きが止まる苦しい展開。
「これで終わりだ!」
最後はコンビネーションキックでバッタリと倒され、そのあとフロントスープレックス、パワーボム、ダイビングプレスと畳み掛けられ、返し続けていったカムイだったが、
「潰れろ」
最後はハイキック一撃で沈んだ。勝負タイム20分49秒、真田美幸が勝利。
セミは瀬戸田光VS我那覇愛のシングルマッチ。我那覇がレッグラリアートを繰り出せば瀬戸田はタイガースープレックス、よくある実力者同士の消耗戦となったが、休まず攻めた瀬戸田が裏投げ、ムーンサルト、2度目のタイガースープレックス、裏投げとこれでもかと大技を乱発し逆転勝利。とうとう団体アンバー2の座を我那覇から強奪した!
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メインはSPZ戦、王者TMクローンズに対するは、アリス・ウインズ・ダーガソン。前シリーズの最終戦で瀬戸田を落とし、真田からギブアップを奪った実績が評価され2度目の挑戦。
(クボカワは確かに強い。でも最高のパフォーマンスを発揮するだけだ)
だが試合が始まるやTMクローンズがシュートスタイル全開で攻め込む。ダーガソンもSTFで反撃したがあっさりと脱出される。そして強烈な掌底でぶっ倒し3カウントという衝撃的結末。勝負タイム12分21秒。王者が12度目の防衛に成功。
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メイン終了後、藤田一美の引退セレモニー。
スーツ姿に着替えた藤田一美が(どよめきが起こった)リングへ向かい、マイクを取ってファンに挨拶。
「こんばんは」
「いつもSPZをご愛顧いただきましてありがとうございます。私、藤田一美は腰と右ひざを痛め、お客様に熱いファイトを提供することができないと判断しましたので、今日を持ってプロレスラーを卒業します。でも、SPZには凄い選手がたくさんいて、今まで以上に熱いファイト、そして、お客様に楽しみと興奮を提供できると確信しておりますので、引き続きのご愛顧よろしくお願いいたします!」
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藤田一美
SPZ83期
2091年5月13日、岡山武闘館大会での対 鳥海理奈戦でデビュー。
2100年4月21日」、新日本ドーム大会での対 金井美香戦で引退
稼働月数108ケ月、出場試合数(概算)792試合
タイトル歴
第174代・178代SPZ世界タッグ王者
(パートナーは我那覇愛)
第131代あばしりタッグ王者
(パートナーは川端明子)
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