第2,076回 TMクローンズの不覚
92年目2月
「スノーエンジェルシリーズ」開幕。
シリーズ第2戦、三重サンシャインアリーナ大会でひさしぶりにSPZタッグタイトル戦が組まれた。王者瀬戸田光、真田美幸に対するはTMクローンズ、スカルオーク。昨年末のタッグリーグ優勝決定戦で敗れてしまっているので王者チームは背水の陣。しかしTMクローンズ強い。序盤は静かな攻防、これは力押しの消耗戦になるかなと場内のファンが予感したところ、12分過ぎにTMがいきなり仕掛けた。
「あ、がっ・・・」
すっと組みついて梅コブラ。悪いことに瀬戸田の腕関節が極まってしまった。真田がカットに入る前に瀬戸田タップしてしまった。勝負タイム13分13秒。王座移動。
TMクローンズ2冠王、場内どよめきの後大歓声。こんな勝ち方はTMにしかできない。
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最終戦は、本拠地に戻って横スペ大会。
第1試合はパーシー町田VS下辻かすみ。もう前座の定番カードと化した。こんかいはP町田が先輩の意地で攻め込んで行って、チョップ連打でやな顔をさせて、サソリ固めでいたぶる。さいごはP町田が水平チョップでなぎ倒してそのまま押さえ込んで10分4秒フォール勝ちという情けない結末。
第2試合は金井美香、ファンシー長沢VSスーパーUSA、モリエス・ビースト(初来日)のタッグマッチ。
「アラララタナララ!!」
モリエス・ビーストはアフリカ・ボツワナ出身の黒人選手。パンフレットに記されたプロフィールによると、母国で陸上選手をしていたが、難病の弟の治療費を稼ぐため単身アメリカに渡りプロレス入りを志したという異色の経歴の持ち主。黒人特有のバネを活かしてものすごいタックルで長沢をなぎ倒し、気合のチャントを口走る。場内どよめき。しかし金井もこんなのにやられるわけにはいかないとジャーマン炸裂。後頭部を打ってしまったモリエスは無念の3カウントを聞いた。勝負タイム17分29秒。
第3試合はスカルオーク、中瀬ピラニア、中神朝香VSカレン・アッカ―マン、ヤロスラブリ、ウェラ・グレトリの6人タッグマッチ。
世界タッグ王者になったスカルオーク、この日は後輩2人をコントロールしながら要所要所で出てくる省エネファイトに徹していた。しかし相手が実力派外人3枚となると厳しい。カレン・アッカ―マンのステップキックで中神が悶絶。これはなんとか返したものの、続くローリングエルボーに中神、力尽きた。勝負タイム15分6秒、その試合が終わると休憩。
休憩明けの第4試合に橘みずき、ハチェマーレ・ジニアスが登場。対戦相手はあばしり王者チームの我那覇愛、川端明子組。
橘みずき、放浪の海外遠征をしてきたわりには成長しておらず、この日も川端のSTFを食らって悲鳴を上げてしまう。しかしこの日はパートナーのジニアスが奮起し、元SPZ王者の我那覇をジニアスダイブで追い詰め、最後はネックブリーカーで3カウントを奪った。勝負タイム17分16秒。
セミ前からは3大シングルマッチ。まずは瀬戸田光VSスーパーカムイ。この試合は瀬戸田がトップグループの貫録を示し、17分7秒、ニーアタックでフォール勝ち。
セミは真田美幸VSジェイジェイ・コーディ。打撃を入れて行った真田だが、ジェイジェイは体格とパワーで上をゆく。バックドロップ連発でふらついたところを裏拳で殴り倒され、真田美幸は3カウントを喫した。勝負タイム25分20秒。
メインイベントはSPZ戦、王者TMクローンズに挑むのはAACの新鋭、ラ・ペルフェクタ。
試合はやはりTMのペースで進む。しかしペルフェクタもムーンサルト、ミサイルキックで応戦。そしてフランケンシュタイナー。なんとかロープへのがれたTMだったが、2発目のムーンサルトを食らってしまい、3カウントを奪われた。
ええええええええええええええ?
場内どよめき。勝負タイム22分2秒、あの無敵のTMクローンズがAACの強豪とはいえ3カウントを許すとは・・・・ともかくTM、まる2年間守った王座を手放した。
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