92年目1月
シリーズ初戦の山梨大会で、空位となっていたあばしりタッグ王座決定戦。気になるカードは、我那覇愛、川端明子VSカレン・アッカ―マン、ヘレン・アッカ―マン。
「どうして自分がいまさらあばしりなんでしょうか」
SPZベルトを巻いたほどのトップどころの選手があばしりレベルに降格されるという屈辱を味わった我那覇愛。しかし対戦相手のアッカ―マン姉妹もEWAマットで鳴らした実力派外人なので勝負はどちらに転ぶかわからない。執拗なアキレスけん固めで我那覇を苦しめる。我那覇の飛び技を封じるためにまず足を狙ったか。そうやって動きを止めておいてのレッグドロップ投下。外人ペースで試合が進む。
「ズアッ」
ヘレンのラリアット、我那覇のダイビングプレス、このあたりから試合が荒れだして、最後はリング上で川端とヘレンがのこり、このまま川端がやられるかと思われたが、川端明子がSTFを繰り出し、ヘレンからギブアップ勝ちをおさめた。勝負タイム59分22秒。川端明子はこれであばしりタッグ3度目の戴冠。
「まあね、こうやって川端さんと並んでベルトを巻けることは嬉しいよ」(我那覇)
****************************
最終戦は新日本ドーム大会。正月早々のビッグマッチとあって、超満員の盛況。
外人同士のシングルマッチのあと、第2試合は金井美香VSパーシー町田。
前座要員のP町田、この日もあまりいいところなく金井に攻められっぱなし。そして8分9秒、あっさりとジャーマンを食らって敗北。
休憩前第3試合は6人タッグマッチ。
川端明子、ファンシー長沢、下辻かすみVSスカルオーク、中瀬ピラニア、中神朝香。
若手中堅選手を善玉・悪役に分けた6人タッグ。あばしり王者に返り咲いた川端だが、いつものように地道に腕関節を取っていくスタイルは変わらず。悪役の3人は新人のファンシー長沢、下辻から切り崩す作戦に出た。しかし長沢も最近は地方では後半の試合によく起用されているので、この流れについて行って、中神にフロントスープレックス!試合は盛り上がった。
「全く使えねえ奴らだ」
スカルオークが前面に立ってのファイト。川端のバックドロップを空中で体を入れ替え押しつぶす。そして
「中瀬、かませっ」
中瀬ピラニアに後を託す。
恐ろしい踵落としの2連発で川端を沈めて3カウント奪取。勝負タイム18分2秒。試合後、中瀬はあばしりベルトどりをアピール。その試合が終わると休憩。
****************************
休憩後の試合は我那覇愛、スーパーカムイVSカレン・アッカ―マン、ヘレン・アッカ―マン。
この試合はスーパーカムイが暴れまわり、白い絶叫でカレンを追い込む。最後はベテランの我那覇が特別出演し、連携攻撃、サンドイッチラリアットでヘレンをなぎ倒し16分30秒、3カウント奪取。
セミ前もタッグマッチ。橘みずき、ハチェマレ・ジニアスVSジェイジェイコーディ、スーパーUSA。
先月のタッグリーグでまさかの全敗に終わった二人が再起をかけてリングへ。しかしジェイジェイコーディはベテラン外人らしく老獪さとパワーを兼ね備えており、ジニアスの攻めをやすやすと受け行ってしまう。橘みずきにはコブラツイスト責め。この流れに焦れた橘がニールキックを叩き込むも受けきったジェイジェイ、デスバレーで叩きつけて、これはギリギリで返されたが、場外に落として痛めつけて流れを渡さない。なんとかバックドロップを切り返してジニアスにタッチした橘。そしてようやくUSAの引きずり出しに成功。
「ジニアスダイブ!」
必殺のジニアスダイブが炸裂し、USAから3カウント奪取。勝負タイム24分17秒。
セミは瀬戸田光VSアリス・ウインズ・ダーガソンのシングルマッチ。
次期SPZベルト挑戦権のことを考えるとお互い負けられない一戦。しかしこの試合は瀬戸田が良く攻め、ジャーマンでダーガソンを追い込む。ミサイルキックは叩き落とされたもののなんとかダーガソンの攻勢をしのいで…といきたかったが、パイルドライバーで頭を打ってから流れが変わった。ダーガソンの執拗なアキレス腱固め攻勢。
一度はロープに逃れたがついに足に電気が走ってしまいギブアップの言葉を吐いた。勝負タイム15分59秒。
**************************
メインはSPZ戦、王者TMクローンズに対するは真田美幸。TMクローンズ、きょう防衛に成功すれば、連続防衛記録16となり、吉田龍子らを抜いて歴代2位となる。
序盤は真田の打撃をTMがうまくさばいてゆく感じで進み、そして要所で腕関節を取ってペースを渡さない。緊張感に包まれた試合は長引いた。そしてボディスラム、ドロップキックを交えて反撃し、そろそろ大技を混ぜてくるかと思われたころ、トラップが発動した。バックの取り合いからスッと腕関節を極めたTMクローンズ、
「グァァァ」
真田たまらずタップ。王者が16度目の防衛に成功。通算防衛回数も25に伸ばし、歴代の大横綱クラスの選手にはいってきた。勝負タイム45分18秒、序盤は長かったが、最後は割合あっさり終わってしまった。
最近のコメント