第2,118.5回 次の道へ
時に、西暦2102年、秋の気配深まる中
「窪川さん、この間の話、考えていただけましたか」
西新宿のホテルの個室レストランで、窪川希望(TMクローンズ)は黒服と密談していた。
「おおむね了解しました。11月末まではSPZとの出場契約が残っていますので、公表は12月以降でお願いします」
「承知しました。では契約書に署名捺印を」
窪川希望(TMクローンズ)、用意された総合格闘技イベントの出場契約書を10分かけて熟読したのち、2通の契約書にそれぞれ署名し、傍らのハンドバッグから三文判を取り出し捺印した。
(さあ、これで、後戻りはできない・・・)
TMクローンズ、今度はその足で戸塚のSPZ本社へ向かい、山本社長に面談の申し入れ。
総務部で30分ほど時間をつぶしたのち、TMクローンズは社長室に呼ばれた。
「話って、何?」
決裁書類を片付けたばかりの山本社長が問う。
「突然ですが、SPZを辞めます」
「・・・そうか」
« 第2,118回 94年目9月 ウルトラソウルシリーズ | トップページ | 本日休載 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント