第2,121回 TMクローンズというプロレスラーは死にました
最終戦は横スペ大会。
第1試合は滝翔子VSロック・リチャーズ。ロック歌手を目指していたが芽が出ず、プロレスに転向した異色の経歴を持つロック。リチャーズ、エレキギターをかき鳴らしながらの入場でファンを沸かせた。滝翔子と気合のこもった攻防。なんと最後はアームホイップから強引に押さえ込んだ滝がフォール勝ち。勝負タイム9分37秒。
第2試合は下辻かすみVSパーシー町田のシングルマッチ。前座要員の2人が熱のこもった攻防、最後は逆水平チョップでひるんだところを丸め込んだP町田が勝利。勝負タイム15分50秒。
第3試合は外人対決。カレン・アッカ―マンがラリアットでモリエス・ビーストをなぎ倒して15分17秒、勝利。その試合が終わると休憩。
第4試合は橘みずき、金井美香VSスカルオーク、中瀬ピラニアのタッグマッチ。
後輩が引退とあってスカルオークは複雑な表情。橘みずきはスカルオークと熱い攻防。スカルオークの強烈ヘッドバットが橘をたじろがす。そしてスカルオーク、金井にはパワーボム!しかし橘がカット。しかしスカルオークは長身を利したパイルドライバーで橘の脳天を突き刺し、3カウント奪取。勝負タイム27分27秒の熱戦を制した。
外人同士の試合を挟んで、
第6試合セミ前はスーパーカムイ、中神朝香VS真田美幸、SASAYAMAのタッグマッチ。来月のタッグリーグを見据えて組まれたか。TMが引退すればスーパーカムイのパートナーはおそらく中神になるのではといわれていた。SASAYAMAも格落ちと思われていたが、見事な跳躍力を見せてこの戦いに割り込んでゆく、が、スーパーカムイのタイガードライバーで頭を打ってしまいグロッキーに、
「終わりだー」
エメラルドフロート炸裂。これでSASAYAMAを沈めた。勝負タイム14分30秒。
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そしてセミファイナル、TMクローンズ最終試合
「T.M。クローンズ・・・・・」
サウンドエフェクトのあと、南利美のテーマだった「SPEED TK REMIX」がかかり、TMクローンズが決然とした表情でリングへ。
対戦相手は1期後輩の瀬戸田光。ラストマッチの相手に名乗りを上げた。
「さんざんやられたので、最後くらい叩きのめしてやりたいと思いまして」
ロープ際でファイトした瀬戸田、飛びつき腕ひしぎもロープに逃れた。頭を使った戦い方で試合を進んめ、スクラップバスター、ミサイルキックで追い込み、
「アーッ!」
ムーンサルトプレスはロープに逃れられたが、立て続けにミサイルキック。押さえ込む。
ワン、トゥ、スリ
この動きがなぜタイトル戦で瀬戸田出来ないのだろうか。いや、TMがもうやる気がなく流しただけなのか。ともかく勝負タイム12分16秒、瀬戸田光が勝利。
敗れたTMクローンズはむくっと起き上がると、無表情で花道を引き揚げた・・・
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そしてメイン、SPZ戦
王者ハチェマレ・ジニアスに挑むのは初挑戦のファンシー長沢。他の上位選手がことごとく敗れたので、チャンスが与えられた。しかしジニアスの流れるような攻めは止まらない。あわてたF長沢、バックドロップを繰り出すも単発。
ジニアス優勢のまま試合が進む。ファンシー長沢、うらなげ、しかしジニアス、シャイニングウィザード、ジニアスダイブの大技攻勢しかしファンシー長沢ロープへ。しかしジニアス落ち着いていて2度目のジニアスダイブ炸裂。これで3カウントが入った。勝負タイムい21分25秒、王者が2度目の防衛に成功。
メイン終了後、TMクローンズの引退セレモニー。
10カウントゴングもなく、それは窪川希望の決意表明だった。
髪の色を黒に染め戻し、黒いジャージに身を包んだ窪川希望がリングに上がり、叫んだ。
「TMクローンズというプロレスラーはさきほど死にました。応援していただいた皆様ありがとうございます。これから私は窪川希望として、違う道を進みます。市ヶ谷さんを倒せた時の胸の震えを私は一生忘れません。では、いってきます!!」
ここまで言い放つとTMクローンズはマイクを打ち捨て、リングを降りて花道をそそくさと引き揚げた。
場内どよめき。
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TMクローンズ
SPZ86期
2094年7月11日、うつのみや市体育館大会での対 仙涯零戦でデビュー。2102年11月25日、横浜スペシャルホール大会での対 瀬戸田光戦で引退。 稼働月数101ケ月、出場試合数(概算)762試合
タイトル歴
第251代・253代・258代・260代・267代SPZ世界王者
累計防衛回数26(歴代7位)
第176代・179代SPZ世界タッグ王者
(パートナーは鳥海理奈)
第181代・185代SPZ世界タッグ王者
(パートナーはスカルオーク)
第188代SPZ世界タッグ王者
(パートナーはスーパーカムイ)
第89回・91回・92回SPZクライマックス優勝
第71回・第73回ウルトラタッグリーグ優勝
(パートナーは鳥海理奈)
第75回ウルトラタッグリーグ優勝
(パートナーはスカルオーク)
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