第2,136回 腰痛ベルト
95年目8月 SPZクライマックス
第3戦は広島若鯉球場大会。
瀬戸田(2点、タイガーSH 16.33)中瀬P(0点)
けが人同士の一戦。お互い腰に物々しいテーピングを施しており良好なコンディションとはほど遠い。しかし地元凱旋で燃えた瀬戸田が頭突きをごっすんごっすんごっすんごっすん入れて行ってペースをつかむ。シリーズを完走するためには短時間で決着をつけるしかない。そう判断した瀬戸田だが、中瀬Pも目標とする「Sクラ1勝」のために懸命に応戦。
瀬戸田、傷む腰も構わずフロントスープレックス、スクラップバスターの攻め、しかし中瀬Pもビッグブーツ。しかし続くニーアタック狙いは背面トペで潰された。瀬戸田光、2発目のスクラップバスターを決めて怯ませるや
「アーッ」
伝家の宝刀タイガースープレックス。これで3カウント奪取。
瀬戸田、初日を出したものの険しい表情で控室に消え、着替えを済ますやタクシーに乗り広島駅へ向かった。一足先に新幹線のグリーン車で博多入りして翌日の試合に備える。
Sカムイ(4点、エルボーからの片エビ固め 11.19)橘(2点)
予選会ではスーパーカムイが勝っているカードの再戦。パワーならスーパーカムイ、スピードと技術では橘。しかしコブラツイストをしつこくかけ続けて優位に立ったスーパーカムイ、バックドロップで投げて追い詰めて、最後は強烈なエルボーを叩き込んで3カウントを奪った。
F長沢(4点、ジャーマンSH 26.39)真田(0点)
SPZ現王者と元王者の対決、
「あいつは試合の緩急がないから怖いんだよね」
20分を越えるシングルマッチの場合、動きの緩急をつけたほうがスタミナも持つし、お客さんも引っ張れるというのが現代プロレスのセオリーだが、長沢はとにかくしゃにむに攻めて攻めるスタイル。最初のうちは受け身をちゃんと取っていった真田だが、息が徐々に乱れてきた。そうして追い込まれていって、ジャーマンで3カウントを許した。
ジニアス(4点、シャイニングウィザードからの片エビ固め 12.27)中神(0点)
メインイベントはジニアスが順当勝ち。10分経過のアナウンスからラッシュをかけてシャイニングウィザードで中神を沈めた。
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第4戦は博多大会。
瀬戸田(4点、裏投げからの片エビ固め 13.59)橘(2点)
前夜のうちに博多入りして、日中をまるごと体のケアにあてた瀬戸田光、この日からテーピングのほかに、コスチュームの上から腰痛ベルトを装着してのファイト。恥ずかしいが背に腹は代えられないと判断。その甲斐あって投げまくって優位に立ち、タイガーSH、これは返されたが間髪入れず裏投げ。これで勝利。
「ここからが正念場ですよ、長沢さんとかカムイさんとか真田さんとか残してますから」
試合後、瀬戸田は着替えを済ますや荷物をまとめ、営業のワゴン車の後部座席に寝転がりながら福岡空港へ向かいいったん帰京。都内の病院で体のケア。
中神(2点、腕固め 13.18)中瀬P(0点)
(Sクラ1勝のためにはここで勝つしかない)
予選会では中瀬が勝っているカードの再戦。念願のSクラ1勝のためにはここで勝つしかない。残りのトップグループ相手から白星を挙げるのはリアリティがないと考えた中瀬が攻めて行くが、その焦りを見逃さなかった中神朝香、グラウンドの攻防からスッと腕を極めた。
「ギャーーーーー」
たまらず中瀬はギブアップ。中神朝香、うれしいSクラ初勝利。Sクラ公式戦19試合目で初めて勝った。
F長沢(6点、ネックブリーカードロップからの片エビ固め 14.51)Sカムイ(4点)
とにかく投げて投げていったファンシー長沢がジャーマン2連発であいてをグロッキーに追い込み、ネックブリーカー2連発で追い詰める。しかしスーパーカムイも最後の力を振り絞ってエメラルドフロート、しかしF長沢返して3度目のネックブリーカー、これで3連勝。
ジニアス(6点、ジニアスダイブからの体固め 14.43)真田(0点)
ジニアスも危なげなく3連勝。ジニアスダイブはかわされて自爆したものの何事もなかったかのように起き上がり
「覚悟して」
ジャーマン一閃、これも返されるや
「せいっ」
右腕を振りぬいてラリアット。しかし真田返す。しかし起き上がれない。ここでもう一度ジニアスダイブ。こんどは決まって3カウントが入った。真田美幸、悔しい3連敗・・・
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