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2016年12月16日 (金)

新説ドラゴンクエスト3 第1日

第1日 8月29日
「オルテガの娘、セメントよ」
 「・・・はっ」
「大体の話は校長より聞いた。一人で旅立つとな。その心意気たるやよし。だが、薪も一本では燃えぬ。この国に力を合わせたいという戦士がおらぬのであれば、世界を見て、そなたと心を通わず盟友を見つけて、しかるのちにネクロゴンドへ乗り込むが良い。世界は広い、あせらず大いに修行を積み、大いに学ぶが良い」
 「・・・・かしこまりました。」
マレス王に謁見したセメントは旅立ちの許しを得て、大臣から銅剣と国紋章入りの旅行許可証、そして当座の路銀を受け取った。
・・・・さて、これで後戻りはできない。
セメントはひとまず城下町にある自宅に取って返した。母親コバトフと祖父との3人暮らし。
「母さん、それじゃ、しばらくはここで地固めするから、本当に旅立つのはもう少し先になると思う」
 「・・・わかったわ」
アリアハンは他の国々のある大陸とは離れた大きな陸地なので、まずアリアハンを出なければならない。海にも魔物が出る関係上、定期船の来航はいつになるかわからない。となるとアリアハンを出るには東の洞窟の抜け道を通るしかない。ここまでは養成所の授業で教わった。とはいえ実戦経験の乏しいセメントがひとりで東の洞窟まで生きてたどり着ける自信がない。しばらくはアリアハンを拠点に旅立つための経験を積むべき、そうセメントは考えたのであった。

セメントは自室で旅支度を始めた。
養成所で着用していた旅人の服に着替え。大臣から頂いた銅剣を腰に装備し、持ち金をはたいて買った革製の盾を持ち、
「行ってきます」
セメントは大地に一歩を踏み出したのであった。
セメントは用心深かった。養成所の野外授業でアリアハン近郊の魔物、スライムや大カラスなどは倒したことはあったが、あれは教官引率の元での集団戦。場合によっては一人で複数の魔物を相手にしなければならない。セメントは城の建物が視界に入る位置で索敵を開始した。ほどなく下級の妖魔、スライムの5匹組に遭遇した。
ーここから始まる。第一歩。
セメントは銅剣を抜いた。踏み込んで一体のスライムに狙いを定め斬りかかる。
「ピギィィ」
手ごたえはあり、そのスライムは跡形もなく消え去った。
「がっ」
向き直ろうとしたときに、のこる4匹の体当たりを連続で受けた。たまらず片膝をつく。
「くっ」
女の体では一つ一つの衝撃が大きい。
「うぉっ」
セメントは勇を鼓してスライムに斬りかかりさらに一匹倒した。が今度は残り3体のスライム体当たり。1体は盾で受け止めたが、残る2体は背中に来た。
「がはっ」
養成所では多対多なのでワーワー言って立ち回っていればよかったが、一対多では自分ですべての魔物を倒すか、そのまえに自分が力尽きるかの二つに一つ。突きつけられた現実にセメントは慄然とした。
「くああっ!」
とにかく焦らず一つ一つ倒すしかない。そう考えたセメントは銅剣をふるい、さらに一匹倒し残りは2体。その残った2体が左右から体当たりしてきた。衝撃に転倒したセメントは転がって間合いを取る。
「があっ」
ーこんなのにやられるわけにはいかない
これより強い魔物はゴマンといる。養成所ではそう教わった。ふらつきながら左側のスライムに狙いを定め、踏み込んで斬撃を入れる。だが敵の残る一匹が背後から後頭部に体当たり。一瞬目の前が暗くなったが、

「いやあああっ」
気合を込めて起き上がり、もつれる足で最後のスライムに斬りかかる。なんとかその斬撃が入り、セメントは敵をすべて倒すことに成功した。
・・・はぁ、ハァ、ハ・・・
足もが小刻みに震えていたセメント、しばらくその場に座り込んで息を整える。全身を襲う鈍い痛み。
一歩間違えたら負けていた。
これ以上の索敵は無理と判断したセメントはほうほうのていでアリアハン城内に戻った。「あら、早かったのね」
セメントは自宅に戻り、ベッドに体を横たえた。
ーボクは、弱い。
突きつけられた現実、初陣に勝ったがその味は苦かった。

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