新説ドラゴンクエスト3 第28日 バンパイアとマタンゴ
28日目 9月25日
女勇者セメント3敗目。朝早く起きてカザーブ経由でノアニール西の洞窟の探索に出た。地下2階にあった回復の泉をベースに探索を行ったが、バンパイアとマタンゴの混成チームに不覚を取った。マタンゴの甘い息で朦朧としているところへ打撃のラッシュを食らい、あえなく倒れてしまった。
「フハー、フハー、ジュルルルン」
力尽きたセメントへバンパイアが上から覆いかぶさりセメントの首筋に噛みついて吸血!
(あーっ・・・)
かなりの血液を奪われセメントを襲う激しいめまい。恍惚の表情を浮かべるバンパイア。セメントは恐怖心をこらえながら救難信号呪文を発した。バンパイアが2度目の吸血をせんとセメントにのしかかったところでセメントの姿はその場から消えた。
次の瞬間、セメントの体はどこかの一室に横たえられていた。
「ここは」
「ロマリアの教会。緊急信号呪文を感知したのであなたをサルベージした」
当直らしい中年の女魔道士が説明する。
間一髪、救難信号が間に合ったらしい。貧血状態のセメントを見た当直魔道士が高度治癒魔法を唱えた。セメントの傷がみるみるうちにふさがってゆく。
しばらく横になっていると体に残ったダメージ感が消えた。
「悪いけど・・・これ請求書。10日以内にゴールド銀行の窓口で払っておいて」
先ほどの女魔道士が羊皮紙を手渡した。
「あまり無理を・・・しないでね」
そのあとセメントは常宿している宿屋に転がり込んだ。
(ボクはまだまだ弱い・・・難なく倒せる敵のはずなのに・・・)
セメントは一人旅の苦しさに嘆息した。
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