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2017年8月20日 (日)

新説ドラゴンクエスト3 90日目

90日目 11月27日

(今日は大一番だ・・・・)
ヤマタノオロチとの決戦の日。
普段よりやや遅く起きたセメント、練習用の鋼の剣で斬撃の練習。そのあと雑穀の粥の朝食を済ませ、セメントは旅の服に着替えて、大地の鎧を装着。ドラゴンシールドを持ち、剣と鞭を携えてサンチャゴ号に乗り込んだ。

三時間ほどの航海でジパング着。ヒミコの屋敷に乗り込む。きのうと同じようにヒミコは人間の姿で玉座に伏している。またヒミコが語りかけてきた。

「わらわの本当の姿を見たものはそなただけじゃ。黙っておとなしくしている限りそなたを殺しはせぬ。それでよいな?」
しかしセメントは黙って昨日手に入れた草薙の剣を抜いた。
これでヒミコ、いや、ヤマタノオロチも覚悟が定まったのか、
「ほほほ そうかえ。ならば生きては返さぬ!食い殺してくれるわ!」
みるみるうちに昨日見た巨大なヤマタノオロチへと姿を変えた。
「ひいっ」

驚愕する神官たち。
「みんな、安全な場所に下がって!ボクが退治するから!」
右端の頭は再生せず、頭は四つだけだが、ヤマタノオロチも目の前の女勇者を殺さない限りは魔王軍内での出世どころか死によりすべてを失ってしまう。そう考えたのか、死に物狂いで火炎を浴びせ、4つの頭をぶつけてくる。

ばきばきばきばき
巨大な屋敷内での戦い、ヤマタノオロチはその巨体を走らせ、ふすまや障子、柱を壊しながらセメントを追い込んでゆく。しかし時折放ってくる炎はやや弱体化していた。

(やつも相当苦しいんだ)
セメントは手負いのヤマタノオロチへ懸命に剣を振るった。きのうと同じように斬っても斬ってもヤマタノオロチは動ぜず、炎を吐き巨体をぶつけえてくる。セメントは大きな頭をぶつけられ、突進に弾き飛ばされていたが気は確かにもっていたし、3か月間の旅でセメントの精神も肉体も強靭なものになっていた。斬って、高度回復魔法でダメージを癒す。この繰り返ししかない。

奴が力尽きるのが先か、ボクの魔力が尽きるのが先か・・・・・・・・面白いじゃない。
「だらあっ!」
セメントは返り血を浴びながら剣を振るった。自分も何度も弾き飛ばされて頭から流血し、火炎を浴び続けた頭はズタズタ。

ーとにかく落ち着いて一撃一撃をちゃんと入れよう。

斬る。攻撃を受ける。回復魔法を唱える。ひたすらこのループ。もう屋敷はすさまじい惨状を呈していた。床は一面さながら血の海。
ボオオオオ
ヤマタノオロチも懸命に火炎を吐きつけてくる。木造の建物をブスブスブスと焦がす。
(これが魔族の体力か・・・・確かに人間離れしている)

女勇者セメントは愚直に斬撃を入れ続けた。戦いは昨日以上に長引いた。

このままやりあって、回復のための魔力が尽きたら負けだ・・・そうなったらどうする?

セメントは恐怖を打ち払うように剣を振るった。とにかく、踏み込みを早くして少しでも強い斬撃を入れるだけだ。しかしあまりにしぶとい敵にセメントも疲労の色を隠せなくなったそのとき、ヤマタノオロチも我慢できなくなったのか、中央の大きな口をぱっくり開いてセメントを噛みくだきにかかってきた。
(タイミングがバレバレだ・・・)
セメントは鋼の鞭を懐から取り出すと、迫ってきた口の中へ鞭の先端を突き入れた。
ピギャアアアアア!!
頭部を金属の鞭で貫かれたセンターは動きが止まる。そこをねらって側面からの刺突!
大量の血しぶきが飛ぶが。セメントは剣を突き刺したまま柄を力点にして刃を回転させたごりっという骨が砕ける音、中央の首も用をなさなくなった。

残る首は三本。しかしセンターの首を失ったことはヤマタノオロチにとって致命傷だったらしく、血をまき散らしながら炎をゴオオオと吐いてくるだけとなった。それでも勝負を捨てないヤマタノオロチにセメントは少しばかり畏怖した。
(これが、魔族の力か・・・・)

でもやらなければこっちがやられる。それは今まで三か月の旅でいやというほど味わったこと。右側から巨体に飛び乗り、右側で残った首をめがけて草薙の剣を振り下ろす。振り下ろす、そして突き立てる。
ピギャアアアアア
そして右から二本目の首もその用をなさくなった。しかし左側の二本の頭からなお炎を吐きつけてくる。しかしセメントも意地になってきて、回復魔法で体勢を立て直すと、左から2本目の首の動きを見切って剣で薙ぐ。とうとうヤマタノオロチの巨体が崩れ落ちた。その勢いで動きの止まった首を斬撃し、そのまま体重をかけて斬り飛ばす。
(可哀想にな・・・いま解放してやるから)
左端の最後に残った首が懸命にセメントに噛みついてくるが。セメントも懸命に剣を合わせていき、
「いやっー!」
炎を吐こうとしたのか、少しの溜めを見逃さず草薙の剣を深く突き立てた。
グァァァァァ

これで最後の一本もその用をなさなくなり、そのあとも胴体がじたばたと動き続けたが、ほどなく大量の血を噴出して動かなくなった。セメントは膝をついてぼう然とヤマタノオロチの最期を見ていたが、あたりはあちこちから火災が。闘っているうちにヤマタノオロチが吐きまくった火炎によって木造屋敷に火が回ってしまったようだ。このまま巻き添えになってしまうはごめんだと考えたセメントは武器を回収して屋敷を脱出した。

「ごほっ、ごほっ・・・」
焼け落ちる屋敷から這うようにして出てきた血まみれのセメント。動揺する神官と村人たち。炎は一晩中燃え上がり、神殿とヤマタノオロチの遺骸を焼き尽くした。
・・・ボクは、勝ったのか・・・
村人の家に転がり込み応急手当てを受ける。激闘を制した女勇者は泥のような眠りに落ち、そして夜が明けた。

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