新説ドラゴンクエスト3 第89日目 セメントVSヤマタノオロチ
89日目 11月26日
船でジパング入りし、ジパングの洞窟へ。混乱魔法を唱えてくる鬼面導士に混乱させられたが、一人旅なので焦らず目の前に動くものを鞭で撃破してゆけば問題なかった。ほかには豪傑熊という大きな野生の熊由来の怪物が出たが、力は先日遭遇したグリズリーほどではなかったので落ち着いて撃破できた。ほかにはメタルスライムの大群が出たが、炎魔法をこらえながら戦っていれば向こうから逃げて行ってくれた。
洞窟奥で般若の面を入手。セメントにも装備できそうだったが危険な感じがしたので袋にしまっておいた。洞窟の地下二階には大量の人骨が。
(酷いことを・・・・)
ここでヤマタノオロチはいけにえを無慈悲に殺戮していたのだろうか。なおも先に進んでゆくとヤマタノオロチが待ち構えていた。
「はて、いけにえの指定日は来週だったはずだが・・・・はっ。きさま、女勇者か?・・・まあいい。探す手間が省けた。愚かな人間よ。魔族の力を思い知るがいい」
セメントは無言でゾンビキラーを構えた。
ヤマタノオロチは五体の首から燃え盛る火炎を吐いてくる。ドラゴンシールドでしのいでも熱いものは熱い。それでもあのスカイドラゴンと同じくらいの衝撃なのでなんとか耐えられた。ならばとヤマタノオロチは5つの首で入れ代わり立ち代わり噛みついてくる。しかし落ち着いて動きを見ていれば躱せる攻撃で、むしろ巨体の突進で弾き飛ばされるのが痛かった。それでも落ち着いて斬撃を入れていって、こちらがダメージを負ったら高度回復魔法をかけていって、無心で巨体に斬りかかっていった。
(これは我慢比べだ)
ヤマタノオロチも邪龍族の系譜を持つ誇り高い魔族だけあって無尽蔵とも思える体力。いくら斬りかかっても平然とした感じで血をしたたらせながら炎を吐きつけてくる。
(落ち着いて、落ち着いて・・・)
斬撃を入れる。炎を吐きつけられて弾き飛ばされる。転がって態勢を整えながら回復魔法。相手の突進を横に飛びのいてかわし、巨体に斬撃。ヤマタノオロチは甲高い声で啼くが、それでも炎を吐いてくる。
(相手の攻撃は対処できないほどじゃない、こっちの魔力が尽きるのが先か、相手の体力が尽きるのが先か・・・)
一時間ほど激しい戦いが続いたが、ついにヤマタノオロチの動きが緩慢なものになった。炎を吐いてくるが全身に負った傷と夥しい出血で動きが止まった。セメントはここを先途とヤマタノオロチの巨体に駆け上がり、右端の首の付け根にゾンビキラーを突き立てた。「グヘーッ」
あられもない声を上げ、ヤマタノオロチの右端の頭は動かなくなった。
「うらあーっ!」
セメントはゾンビキラーを、突き刺した状態のまま、鋼の鞭を取りだして動かない首に巻きつけ、渾身の力で鞭を引いた。
「ピガーッ!!」
この攻撃でついに右端の首が切断された。切断面から夥しい血が流れる。
切断された首は、口から剣のようなものを吐き出した。そして生命の危機を感じたのかヤマタノオロチはほうほうのていで洞窟の奥へ逃走を始めた。
「待てオラァ!」
セメントは吐き出された剣を拾ってから追撃。
しかしヤマタノオロチは突き当たりにあるワープゾーンから洞窟を脱出した。
「この野郎」
反射的にセメントもワープゾーンへ。飛び出たところはヒミコの屋敷の中だった。
「ヒミコ様!」
ヤマタノオロチは異形の姿から人間の女性の姿に戻り、ヒミコの御座所の上に横たわって虫の息。神官が数人で手当てをしていた。ヒミコはセメントの姿を認めると、セメントの脳内に直接語りかけてきた。
(あの魔物はヒミコに化けていたのか・・・?)
「わらわの本当の姿を見たものはそなただけじゃ。黙っておとなしくしている限りそなたを殺しはせぬ。それでよいな?」
セメントはちょっと考えたが、ここはいったん引くことにした。こっちも激闘で相当の深手を負っているし、ヤマタノオロチも今度は死に物狂いで攻撃してくるだろう。消耗戦になった時ものをいうのはまず魔力。あしたまた来よう。
セメントは踵を返し、屋敷の出口へ向かった。
「ほほほ・・・良い心がけじゃ」
サンチャゴ号に乗り込み、ダーマ東の宿屋で一泊。明日の激闘に備え、身体を休めた。
(今日と同じことをもう一回やるだけ・・・自分を信じてやろう)
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