新説ドラゴンクエスト3 92日目
92日目 11月29日
ヤマタノオロチ(魔界での名はアークヒドラ)討たれる。この知らせは魔族の間諜によってまたたくまにネクロゴンドのバラモス城に伝えられた。
「馬鹿が」
魔王バラモスはすぐ緊急対策会議を招集した。側近のエビルマージ数名を玉座の間に入れて3時間ほど対策を協議。西の大陸の侵攻責任者のボストロールは所用で欠席。
「問題なのは」
バラモスが渋面を浮かべながら口走る。
「アリアハンの養成所上がりの小娘が3か月でヤマタノオロチを一人で殺すところまで力をつけてしまったことだ。これだから人間というやつは油断ならぬ。あと3か月したらここに乗り込んでくるやもしれん。草の根分けても見つけ出して殺せ!」
「承知しました」
「かしこまりました」
側近のエビルマージ衆が返答する。事ここに至ってバラモス軍も女勇者セメントの脅威に気づいてしまったようだ。
一方そのころサマンオサ城では
「あいつは悪い奴じゃないんだがなあ。戦い方がワンパターンなんだよ」
ゾーマから世界侵攻のサブに任命されたボストロールが一人ごちる。討たれたアークヒドラとは幾多もの戦線で共闘し、多くの人間を地獄へ叩き落とした盟友だった。永年一緒にやってきただけあってアークヒドラの弱点も見抜いていた。火炎放射で非力な人間の軍勢を始末する能力には長けているが、真の強者を相手にした時は優位に持ち込めず力押しの消耗戦になってしまうという欠点を持つ。そして今回の戦いでは女勇者が諦めなかった。先に根負けしなかったからアークヒドラは討たれてしまった。そうボストロールは分析した。
(近いうちに必ず、またあの女勇者はサマンオサにやってくるだろう。勘のいい奴らしいからネクロゴンドヘの手掛かりをたどっていけば当然私にたどりつく。だが魔族にあって人間に無いもの。それは力だ。)
セメント抹殺の方法を考えるボストロールであった。
(残りのオーブは2つ・・・・)
ヤマタノオロチとの死闘で疲弊したので、セメントは航海に出ることにした。この日は午前中荷物整理を兼ねて休養し、午後から出航。船中泊。
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