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2018年4月 9日 (月)

新説ドラゴンクエスト3 207日目

207日目 3月24日
女勇者セメントは眠った。ひたすら眠った。
昼前にようやく目が覚めた。
(ああ、もう闘わなくていいんだ・・)
パンと茶の朝食をとり、ゆっくりと荷物を整理し、ダーマの宿坊を出た。
(ラーミア、お願いね)
アリアハンへひとっ飛びで凱旋。

驚くべきことに魔王バラモスの死はアリアハンにも伝わっていた。ネクロゴンドで魔王軍と交戦していたイシス連合軍が、エビルマージマネージャーを通じて「魔王消滅のため3か月間の休戦をしたい。」という申し入れを受けたので、早馬の伝令を通じてイシス王家にバラモス死亡情報が伝わり、魔道士協会の通信を介してアリアハン王家にも伝わった。「それはまことか?」
「イシス王家からの情報です。確度は高いかと存じます」
「そうか・・・セメントがやりおったか」
昨年夏に養成所を卒業し魔王討伐の旅に出た十数人の戦士はほとんどが無残な最期を遂げたが、セメントは7ヶ月で腕を上げ、ついに魔王バラモスの討伐に成功した。

夜、セメントはアリアハンに凱旋した。生家では母親コバトフの他、養成所の恩師数人が冒険者の生還を出迎えていた。
「セメント…ほんとうに、良く頑張ったね」
セメントに魔道の基礎を教えた女魔道士が涙ぐみながら祝福。
「うわああああああん」
セメントも涙が止まらなかった。この7か月の苦しかった日々が脳裏をかすめる。何回か死の寸前まで追い詰められ、バラモスには一度は敗北し、恥辱を受けた。
母親の手料理で、養成所の先生方とささやかな慰労会の後、
「先生、実は・・・・」
バラモスを倒した時のことを女魔道士に打ち明ける。
「うん、うん、それで・・・」
恩師は黙ってセメントの話を聞いた。
「世界はこれで平和になるのでしょうか」
「そうね・・・魔王軍も一枚岩じゃないっている噂は聞いたことはあるわ。でも往々にして、リーダーを失った組織なんてのはあえなく瓦解するものよ。しばらくは残党との戦いが続くことくらいは覚悟しなくちゃいけないけど、ね。」
「そうですか・・」
「とりあえず明日は宮廷であなたの帰還式と祝勝会よ。わたしたち養成所の教官も魔王軍には散々苦しんだから・・ねえ。」

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