2.19馬場さん追善両国大会観戦記(4終
セミファイナル ミル・マスカラス、ドス・カラスVSカズハヤシ、NOSAWA論外
セミファイナルにマスカラス兄弟登場。スカイハイのテーマ曲だけで場内ドワアアア。しかし76歳のマスカラスにこの位置で試合させるのはきつかろう。対戦相手がマスカラスと対戦経験のあるNOSAWA、カズハヤシとカード的配慮がありありだった。マスカラス兄弟は肉体の衰えを隠すためボディスーツを着てのファイト。それでも先発を買って出たドスがメキシコ仕込みの関節技を披露。弓矢固めまで繰り出して沸かせる。
マスカラスもヘッドシザースを連発して沸かせるが、ラリアットで2人まとめてなぎ倒すのまではやり過ぎだろう。それでも11分の試合を成立させた4人の創意工夫は素晴らしいと思うしかない。マスカラス兄弟はダブルのアトミックドロップなど連携技もさすが。そしてマスカラスがジャンプしてのクロスチョップを連発。昔を知るファンにとってはたまらないシーン。最後は76歳のマスカラスがドスの助けを借りながらではあるがコーナー最上段から飛んでカズ・NOSAWA2人めがけてダイビングボディアタック。
(受け止めながら倒れたように見えた・・・が)
2人を倒した後、NOSAWAをフォールし3カウントが入った。お客さんが喜んでくれる以上、今できることを頑張ってやればいいという老いたマスカラス兄弟の開き直り。なんとも複雑な心境になるほかない。
メインイベント 棚橋弘至、ヨシタツVS宮原健斗、関本大介
馬場さんと接点のない世代4人のタッグマッチだが、メインイベントにはノスタルジーではなく、現在のプロレス界のトップを持ってきたという意図が感じられ、悪い選択ではないと思う。
全日本でタッグを組んでいる宮原ヨシタツが敵味方に分かれ、宮原は大日本のエース関本と、棚橋はヨシタツと新日時代以来のタッグを組んでメインイベントで激突。これはヨシタツが負けて終わるという結末が想像つくではないか。宮原と関本はそれぞれのテーマ曲で入場。棚橋ヨシタツは棚橋のテーマで入場。ゴーエースゴーエース。
序盤は静かな立ち上がり。筋肉ポーズなどを交えながらの攻防。だんだん大技が混じって行って、棚橋がネックブリーカーを披露。試合が動いたのが宮原が棚橋にジャーマンを狙ったが棚橋が踏ん張ったのを見て、関本が宮原ごとジャーマンで投げる。眉山炸裂。これで棚橋の動きが止まる。パートナーのヨシタツがヨシタツファンタジーで宮原を絞める。このあたりから宮原とヨシタツの一騎打ちっぽい状況に。宮原、膝蹴りを乱打してからジャーマン、これは返されたが腕をロックしてのシャットダウン式ジャーマンでヨシタツから3カウントを奪い、24分のメインが終わった。
この時点で10時20分。試合数が多いのとセレモニーがもたついて進行が少し悪かったか。宮原のテーマ曲が鳴ったあと、宮原と棚橋がマイクで競演。プロレスを最高に!愛してまーす!・・・うまくまとめおったな。
そのあと全選手、全ゲストが出てきて馬場さんの引退セレモニー。ジョニーエース、スティムボート、フレアーがビデオメッセージ。坂口征二さんが「天国でご満悦だと思います」などと閉会の挨拶。そのあと天国の馬場さんへ10カウントゴング。そして、木原リングアナが「300パウンドー、ジャイアント―、馬ー場ー!」のコール。そして王者の魂。あれから20年も経っているのだが、あの頃と変わらぬ会場の馬場コール。プロレスファンの情け深さを感じざるを得ない。
10時半過ぎ、セレモニーが終わり、客出しの音楽は馬場さんが好きだった「上を向いて歩こう」こういう細部に手が入っているところが良い。ロビーに降りると物販と写真撮影でごった返していた。ハンチングをかぶった渕さんがいる、ドリーがいる、ハンセンも、ドスカラスも。スーツ姿の西村はドリーに寄り添う。マイティ井上もいた。往年の名選手が小遣い稼ぎにいそしむ。これはこれでシュールな光景だ。
1階を出たところには献花台。ファンが供えたと思われる花束と馬場さんの好物だった大福餅の箱。泣けるね。
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