WASオールスターリーグ戦(20)
(20)
広島若鯉球場大会、昼の部、灼熱の攻防。
○B来島(8点)(12分47秒、リングアウト)伊達遙●(6点)
休憩明けに組まれた好カード。SPZの蹴撃者、伊達と新女のパワーファイター・ボンバー来島が激突。
伊達が間合いを取って打撃を入れようとするも、ボンバー来島は間合いを詰めてその圧倒的肉体で弾き飛ばす。ならばと伊達も組みついて殺人ヒザ魚雷を入れようとするも、B来島もこの動きを読んでいてすかさず押し倒してグラウンドに移行。異種格闘技戦のような試合展開となったが、両者灼熱バトルに疲れたのか、場外乱闘にもつれこむ。場外でパイルドライバーを決めたボンバー来島、すかさずリングに戻る。伊達もふらつきながらエプロンに上がったが、ここでボンバー来島がロープ越しのラリアット!まともにくらった伊達は場外フェンスに激突し悶絶。そのままカウントが進み、ボンバー来島のリングアウト勝ちが宣告された・・・
○G山本(8点)(7分2秒、首固め)結城千種●(5点)
グリズリー山本、中盤戦から極悪の本性を出してきたようだ。この日はまともにプロレスをやると見せかけて、数分間普通にファイトした後、結城千種がネックブリーカーか何かを狙って突進してきたところを隠し持っていた栓抜きでノドを一撃!もがき苦しむ結城を嘲笑いながら首固めで丸め込んだグリズリー山本が4勝目を挙げた。SPZの井上レフェリーは見て見ぬふり・・・・
△草薙みこと(9点)(17分22秒、両者KO)サンダー龍子△(11点)
サンダー龍子、昨夜の市ヶ谷戦で大立ち回りをやったせいかいまひとつ本来の爆発力が出ない。草薙の空気投げを連続して食らうなどやや劣勢。しかしサンダー龍子もラリアット3連発で逆襲に転じ、パイルドライバー、プラズマサンダーボムの猛攻、しかし草薙もノーザンライトSHを連発して流れを渡さない。SPZ王者とWARS王者がお互い一歩も譲らない大技の攻防。草薙、いったんサンダー龍子の動きを止めようとドラゴンスリーパーを仕掛けたがサンダー龍子強引に振りほどいて2発目のプラズマサンダーボム!しかし草薙も返して組み付いて草薙流兜落とし!両者ダウン。
「奥の手を出すしかないか」
サンダー龍子、急場しのぎの延髄ラリアットで草薙を倒すと、コーナー最上段に登ってムーンサルトを狙った、が、草薙すくっと起き上がりコーナー上でサンダー龍子のバックを取った。やばいと恐怖の表情でこらえるサンダー龍子だったが、草薙もここが勝負どころと判断したのか雪崩式ジャーマンで投げようとする、が、サンダー龍子、投げられた瞬間にコーナーポストを蹴って態勢を崩した。両者コーナー最上段から不自然な形で落ちてしまった。打ち所が悪かったのか、そのまま両者起き上がれず10カウントが数えられダブルノックアウトの裁定となった・・・
「ダブルKOの場合でも勝ち点1付くんだっけ」
記者席がざわめき。事前に渡された大会規定ルールブックでは、時間切れ引き分けは両者に1点、両者リングアウト、両者反則、無効試合は0点となっており、ダブルKO、ダブルフォールの記載がなかった。運営痛恨のミス。けっきょく小淵沢氏の裁定で両者に勝ち点1がプラスされることになった。
○武藤めぐみ(8点)(14分37秒、レフェリーストップ)B市ヶ谷●(10点)
※飛びつき腕ひしぎ逆十字
やはり昨晩の大肉弾戦の影響か、市ヶ谷の動きが今一つ。C斉藤戦で負傷した右太もものサポーターも相変わらず。一方の武藤めぐみも昨日の草薙戦で腰を痛めており、痛み止めの注射を打ち腰痛ベルトを装着してのファイト。しかしドロップキック連発を見せるなど動きは好調。市ヶ谷はタックル弾き飛ばしを起点に攻め立てようとする。10分経過のアナウンスとともにB市ヶ谷が勝負をかけ、タイガードライバー、ビューティボムの猛攻、しかし武藤も返して場外エスケープ。しかし市ヶ谷も追撃すべく追ってきた。武藤を引きずり起こし鉄柱にごつん。鉄柱を背にしてフラフラの武藤、ここで市ヶ谷、タックルを狙ったが武藤ギリギリで身をかわす!市ヶ谷鉄柱に右肩を強打し悶絶。
カウント19でリングに戻った市ヶ谷だが右腕が上がらない。急場しのぎに延髄斬りを放ったが、2発目は武藤にかわされ、起き上がったところを武藤の飛びつき腕ひしぎに捕らえられてしまった。市ヶ谷の表情が苦痛にゆがむ。女王の意地でギブアップの言葉をなかなか吐かないビューティ市ヶ谷、危険と判断したSPZ井上レフェリーが試合を止めた。止めるのが早すぎる!と井上レフェリーに食ってかかる市ヶ谷、しかし井上レフェリーも昨晩の市ヶ谷暴走で被害を受けており知るかボケと返し、険悪な雰囲気。快進撃を見せた市ヶ谷、ここでまさかの2連敗。首位の座もサンダー龍子に明け渡した・・・・
△M祐希子(5点、時間切れ引き分け)南利美(5点)△
ともに星の上がっていない両者の対戦。この一戦で南が取った戦法は時間切れ引き分け狙いだった。開始から10分以上グラウンド地獄に引きずり込み。巧みな技術でマイティ祐希子に攻め手を与えない。単純なヘッドシザースで引っ張るあたりさすがとしかいうほかない。しかしマイティ祐希子も南のキーロックを持ち上げてそのまま叩きつけて反撃。しかし南は不利に陥るとすぐさま場外にエスケープし波状攻撃を許さない。セコンドの保科からボトル入りの水を渡され、それで口をゆすいで一息つける南。炎天下で老獪なところを見せる。焦れたM祐希子がドロップキックを繰り出すも南はロープにしがみついて自爆させる。そしてまたM祐希子にからみついて延々とグラウンド。そしてスリーパー責め。大技や打撃は一切出さない異質なプロレスを展開する。20分が過ぎてもそのパターンが延々と続く。
しかし南も炎天下のレスリングで消耗していったのか、汗で滑ったりして精彩がなくなる。マイティ祐希子、強引に引きずり起こしてノーザンライトSH!しかし南もダメージの蓄積がないので2で返してすぐさま場外エスケープ。マイティ祐希子も追ってきて、場外で追いかけっこが展開されて笑い。しかし南、くるっとターンしてトラースキック一撃。クレバーなところも見せる。25分を過ぎても南の時間切れ引き分け狙いは変わらず、普段は見せない足4の字固めでの時間稼ぎ。マイティ祐希子がロープにたどり着いた時点で残り時間2分。そしてここで南、またも場外エスケープ。あせったマイティ祐希子がトペスイシーダを狙うも南も飛びのいてかわす。両者がリングに戻ったところで残り時間1分。マイティ祐希子、強引にジャーマンを狙うも南、回転エビに切り返す。1で返した祐希子、首固め、逆さ押さえ込みを連発するが南もことごとく返して首4の字固めで反撃。明らかに取りあえず出しておくといった感じだ。残り時間30秒。マイティ祐輝子、腕ずくで首4の字のフックを外し、南の首に手を回し強引にスタンドに移行しDDTでたたきつける。残り時間20秒、カウント2でフォールを返した南、今度は足を取ってアキレス腱固め。懸命にロープへ逃げたマイティ祐希子、残り時間10秒、もう時間がないと焦るマイティ祐希子は南を引きずり起こしてバックに回り奥の手、バックドロップホールドを炸裂。ワン、トゥ、ここで時間切れ引き分けのゴングが鳴った・・・・
灼熱の30分の激闘、ゼえぜえと荒い息をつく両者。そのままリングに倒れ伏して動かない。セコンドが駆け寄り介抱する。
「南選手・・・草薙選手の援護射撃狙いに行ってましたね」
解説の杉浦美月がボソッと。敗北ではないのでプライドは傷つかない。
「この・・・引き分けは、負けに等しいわ」
マイティ祐希子、控室でミネラルウォーターを飲みながらぼそっと。
こうして灼熱の8試合が終わり、昼の部が終了。客出し、清掃、客入れを経て午後6時、夜の部が開始。
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