大帝国リプレイ(9)
(9)
6月第4週。
「毎週のように帝都に敵部隊が襲来するのは恐れ多い」
東郷はマイクロネシア攻略を決断。とうとうガメリカの支配する領土に殴り込みをかけるのである。東郷は南方の2拠点、マイクロネシア、マニラを攻略する「南風作戦」を立案した。
「出撃は山本のじいさん、小澤、リンファ、デーニッツ、そして俺」
精鋭5艦隊をマイクロネシアに送りこんだ。
マイクロネシアを守る敵将はキャシー・ブラッドレイ。しかし山本・小澤の先制攻撃であえなく撃沈。いっぽう東郷率いる別働隊はスプルアンス軍と激戦。リンファ艦隊が大破に追い込まれたものの、最後はデーニッツ艦隊がミサイルを撃ちこんで敵部隊を全滅させた。
「恐れるな、我に続け!」
あとは陸軍部隊が揚陸し、市内各地を掃討し制圧に成功。敵の提督、キャシー・ブラッドレイは捕縛したが、迎賓館で暴れまわるので、東郷自ら「説得」にあたった。
欧州戦線はドクツ軍が今度はエイリスに侵攻し、壮絶な戦いが繰り広げた。エイリスは女王セーラ・ブリテン自らが艦隊を率いて出撃したが大破に追い込まれ、セーラも軽傷を負った。しかしそのとき、北アフリカ戦線でイタリン軍が敗れ、ドクツ軍はロンメル隊を北アフリカ救援に送らざるを得なかったことで戦況は一変。エイリス軍が優位に立ち、ドクツ軍を追い返して行った。
6月第5週。
キャシー・ブラッドレイを提督に登用。東郷の「説得」が功を奏したようだ。彼女の乗っていた巡洋艦は修繕され、「G蒜山」と命名されて日本軍に編入された。
しかしその週末、ハワイから朽木・イザベラ率いる大艦隊がマイクロネシアを奪還すべく襲来してきた。東郷、山本、田中、デーニッツが迎え撃ったが、田中が大破、東郷、山本艦隊も中破に追い込まれた。
7月第1週
南雲艦隊の陣容が手薄だったので、60式巡洋艦を建造し「妙義」と命名し、南雲艦隊に編入した。
「惑星エースメガが?」
海軍のあずかり知らぬところで、陸軍の8個師団がガメリカ軍の前線基地のある惑星エースメガを急襲し、占領自体には成功したが、これはガメリカの罠で、ガメリカ軍は大艦隊を編成し、惑星エースメガを包囲し、陸軍を孤立させた。
「まったくしょうがねえなあ」
東郷長官は単独でエースメガの陸軍救出を決意。山下陸軍長官は祖父である山下元帥の七光りで長官に就任できたと陰口をたたかれており、山下陸軍長官は陸軍部内で孤立しつつあった。そこで功をあせった山下長官は陸軍単独で惑星エースメガ制圧を決意し、軍を差し向けたがまんまと罠にはまってしまった。
東郷艦隊はエースメガを急襲し、守護艦隊を撃破し、宇宙港を経由して上陸し、生き残った山下をはじめとする陸軍兵士を艦に乗せ、惑星エースメガから脱出した。
7月第2週
「マイクロネシアの戦いで疲れていると思うが、マニラを叩く。」
帝都に敵艦隊を侵入させるわけにはいかない。そう考えた東郷はマニラ攻略を指示した。東郷は軍勢を3つに分け、マニラの各戦域を攻略にかかった。敵将イーグル・ダグラスのいる主戦域は東郷、小澤、南雲、宇垣の4艦隊で攻略にかかった。南雲艦隊が大破に追い込まれたが、またも東郷真希が乗艦し、不思議なバリアを発動させたこともあり、撃破に成功。現地採用提督ララー・マニィ率いる部隊はデーニッツ、ブラッドレイ、リンファの部隊が担当。リンファが中破に追い込まれたが、数的優位を生かしなんとか撃破に成功。はずれに位置するガメリカ第3戦闘艦隊は山本が年の功で先制攻撃に成功し、撃破。
「いまだ、制圧するぞ」
敵艦隊がほぼ全滅となったのを見て、山下は攻略を指示。揚陸して基地の要所を制圧し、マニラ攻略を果たした。
「これで帝都の守りは万全だ。市民に不安を与えずに済む」
敵将イーグル・ダグラスは「アイシャルリターン」という捨て台詞を残し、ハワイ方面へ逃亡。
東郷提督は日本に凱旋し、帝に戦勝を報告。中帝国戦線の勝利の余韻覚めやらぬ中、南方でも電撃的勝利を収め、東郷長官の名声は高まった。
しかし東郷の行動は相変わらずで、日本に帰還したのいいことに陸軍長官の山下利古里とホテルにしけこむ外道ぶり。参謀秋山は頭を抱え込んだ。表向きは先日のエースメガ攻略戦の反省会だが、やることやったのは明らかだった。それ以降山下のつんけんした態度がガラッと変わり、陸軍は海軍に協力的な姿勢を見せるようになった。
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