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8月第4週。
平良は今度は自らの女性副官、福原いずみを提督に登用するよう進言してきた。「異国人の登用はおやめください」などと言って・・・福原も先の満州会戦から復帰した巡洋艦「櫛形」「七面」駆逐艦「足和田」「長者」をひっさげての登場。これで日本軍の艦船は39隻まで増備された。
重慶でまた反乱。山本、南雲の2艦隊で鎮圧。
欧州大戦もたけなわ。宇垣を通じて入ってくる外電では、ドクツ軍がソビエトの本拠、モスクワに迫ったが、ドクツ軍艦隊はあと一歩というところを押し切れずにいた。
9月第1週。
平良という内憂を抱え、東郷はこの先どうしたものかと考えていた。ガメリカに打撃を与えるため、ハワイやラバウルを占領するべきか、内部充実を図るべきか。と戦略を練りつつ、愛国獅子団に属する福原いずみをホテルに誘う外道ぶり。まあこれは平良と福原を引き離す東郷なりの策。
欧州大戦では、極秘電でレーティア・アドルフ総統が激務のあまり血を吐いて倒れてしまった。部下に任せることをよしとせず、何でも自分で裁決していたため幾日も不眠不休で働いたあげく倒れてしまった。そして悪いことに掃討が倒れてすべての歯車が狂い、前線に資材や燃料の補給が来なくなり、ドクツ軍は大混乱に陥った。
9月第2週
南京モンにアルビルダ海賊軍が襲来。南京モンに山本、南雲、リンファ、ランファを急行させ、撃退に成功。
海軍に入った獅子身中の虫、平良英知は愛国獅子団を支援する財閥の娘と婚約を発表。傷心する福原いずみ。
懲りないことに中帝国のもと皇帝・シュウは日本の帝拉致を考え、ハニトラを日本に潜入させたが、ハニトラは例のハレンチ画像の件で有名になり過ぎており、日本中枢部への潜入など出来るはずがなく、あっさりと捕らわれてしまった。
9月第3週
レーティア・アドルフ総統の病状は回復せず、グレシア・ゲッベルスが代理として物動計画、軍事行動を差配したが、天才と凡人の力の差はいかんともしがたく、ドクツ軍の現場混乱は収まらず、そこをソビエト軍に付け込まれて大敗。
マニラにガメリカ軍の襲来。マニィ艦隊が大破に追い込まれたが、撃退に成功。マイクロネシアにもガメリカ軍が襲来。主力が南京から戻っていないのでデーニッツ、福原艦隊が大破し、日本軍は敗退した。
マニラにはエイリス艦隊も攻めてきたが、東郷、小澤の連係プレーで撃退に成功。
「まいったねえ」
ぼやくことしきりの東郷だった。
9月第4週
三国同盟を結んでいたイタリンでクーデターが発生、ムッチリーニ総統が前総統のピエトロにその座を追われた。しかしドクツ軍が背後を突かれてはたまらんとイタリンを制圧。
9月第5週
「エイリスの動きも活発だから、マレーの虎を攻めようか」
マニラの作戦会議室で東郷が山本と会談。
「だがわが軍はまだ物量が足りぬ」
東郷は人員を増やすべく、捕虜にした北欧出身の宇宙海賊アルビルダを「説得」し、提督に登用した。
「まったく長官は・・・」
副官の秋山は嘆く。東郷の魔手に掛かったのはリンファ、ランファ、ブラッドレイ、マニィに続いて5人目。
ドクツが占領していた大ローマ、パリはエイリス軍の手に落ち、欧州戦線はドクツ軍の敗勢が明らかになりつつあった。
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