ロマサガ2リプレイ(7)
7.ジェラール帝 南バレンヌ進出
「魔物は強い。生半可な兵士では犠牲が増えるばかりだ」
王都に戻った皇帝ジェラールは、表向きレオンの喪に服す期間として、表立った軍事行動をいったん控えた。まずジェラールは戦闘員養成所を拡充し、すべての16歳以上の男女に徴兵制を敷いた。貴族も平民も、3年間養成所に預けてみっちり剣や槍、弓の扱いを叩きこむ。そしてそのなかから有能な戦士を選抜し、近衛兵団をつくった。近衛兵団はさらに猛特訓を課し、モンスター相手にも闘えるだけの気力体力技能を身に着けさせた。近衛兵団に選抜されなかったものは、任期いっぱい城の警護や後方支援にあたる。
「剣の通らぬ魔物も多い。術法研究所を建設するのだ」
皇帝ジェラールは多額の資金をはたいて、城下町に術法研究所を作るよう指示した。クジンシーの館ではライトボールやファイヤーボールがあったから勝てた戦いも少なくない。今後魔物はどんどん強化されるだろう。それに備えて術法をどんどん強化せねば・・・そうジェラールは考えたのであった。
レオン皇帝の死から2年後、皇帝ジェラールは南部バレンヌ進出の決意を固めた。
(南バレンヌにあるヴィクトール運河を取り戻す)
十数年前にモンスターの手に落ちたヴィクトール運河。今そこには魔物が要塞を築いている。ここを解放しない限りアバロンの守りは安定しない。
そう考えた皇帝ジェラールは4人の精鋭・・・ジェイムズ、ベア、テレーズ、エメラルドおよびバックアップ隊を引き連れ南バレンヌ遠征の旅に出た。
まずソーモンの街で一泊し、そこから南下。3日目の朝に運河要塞に到着。だが要塞の正門はガーゴイルの大群で固められていた。
「これは無理だ」
今の自分たちの力ではこれを全部掃討するのは容易ではない。何か別に潜入する方法を考えないと犠牲が増すばかり。その夜は近くのニーベルの街に立ち寄り一泊。この町もモンスターに悩まされているが、近くにある龍の穴という格闘家の集団に守られているので人的被害は少ないらしい。さっそく翌日皇帝一行はすぐ近くにある龍の穴を表敬訪問した。
十数人もの格闘家たちが殴る蹴るの訓練をしている。
(練習熱心なことだ・・・だが実戦で魔物に通じるかどうか・・・)
そうジェラールは練習状況を見ながら一番奥にいる格闘家のリーダー、カールと面会。
「近くに魔物の棲家となっている洞窟があり、その半ばに巨大なスライムがいて打撃が通じない・・・そいつだけ退治してもらえないか?」
カールも洞窟の魔物に手を焼いているらしい。
「よしわかった、協力しよう」
ここで格闘家と協力関係を構築しておけば人員の補充も少しは図れ、より有為な人材が戦闘員養成所に集まるだろう・・・そういう打算もジェラールにはあった。
いったんニーベルにもどって一泊し、翌日、カールからもらった地図を頼りにモンスターの棲家を発見した。
「それでは突入する」
104.アムネジア(短剣を持った女性型の妖精)2体、ヴァイパー、マンドレーク
105.マンドレーク2体、クリ―パー(花を咲かせた植物型の魔物)、溶解獣
106.アムネジア2体、屍食鬼、マンドレーク
107.マンターム(大きなシロアリのような怪物、センチベタ(大ムカデ)、溶解獣
108.ロトンビースと、ゴブリン2体
109.ワニゲータ、かえるの王様、ヴァイパー2体
110.かえるの王様2体、溶解獣
111.ナイト2体、ヴァイパー
112.ホブリン2体、フライアー(翼の生えた頭蓋骨)、クリ―パー2体
113.ナイト2体、溶解獣
114.大ヒル2体、マンドレーク2体、ヴァイパー、溶解獣
115.スライム2体
116.大ヒル2体、スライム、溶解獣、マンドレーク2体
117.大ヒル2体、溶解獣2体、マンドレーク、ヴァイパー
118.大ヒル2体、ヴァイパー2体、マンドレーク2体
119.大ヒル2体、ヴァイパー2体、マンドレーク、溶解獣
洞窟の地下2階の奥まで進むと、大ヒルの大群が出てきて吸血攻撃に難儀したが、テレーズのでたらめ矢と皇帝のライトボールで数を減らして、残った敵を掃討すれば問題はなかった。大ヒルをあらかた掃討した後、洞窟の先に見えたものは大量の人骨と、牛ほどもある大きなスライムだった。
「あれは…ぜラチナスマター・・・」
魔道士エメラルドがつぶやく。打撃があまり効かないスライム系の中でも強じんな体力、そして電撃まで繰り出す強敵だ。
「皆の者、心していくぞ!」
120.ゼラチナスマター
皇帝とエメラルドのファイヤーボール2連発、そしてジェイムズの巻き打ち、テレーズは矢を射る。ベアは防御に徹した。
ビリリン
しかしゼラチナスマターも電撃を放ちベア、ジェラール、エメラルドを吹っ飛ばす。
「・・・怯むな!エメラルドよ、術を叩き込むのだ」
悶えながらジェラールが指示。そして皇帝が2回目のファイヤーボール、しかし敵も2度目の電撃を繰り出し、これでジェラールは倒れてDYING状態に陥った。
「ぐおっ」
しかしここでエメラルドが2度目のファイヤーボールを炸裂させ、ゼラチナスマターはついにブボバッ!と爆発四散した。
「陛下!」「ジェラール様!!」
「うう・・・」
「しっかりしてください」
テレーズがハーブの粉を水で溶いたものを口移しで飲ませ、ようやく皇帝は起き上がることができた。
「・・・すまない」
「どうしますか?このまま追撃しますか?」テレーズが問う。
「いや・・・・私もやられてしまったし、格闘家との約束もある・・・この先はカールたちに任せよう」
一行はそこから先には進まず、王家の紋章を記した紙を貼ってから引き揚げた。すぐさま龍の穴に出向きカールにゼラチナスマターを撃破したことを伝える。
「よくやってくれた、では出撃だ!」
そう言ってカールは手下2名を連れ、嬉々としてモンスターの巣へ出発した。
「・・・やれやれ。もしものこともあるから後を追うか」
皇帝一行もカールの後を追ってモンスターの巣へ取って返し、先ほどの目印を置いた地点から先へ進むとほどなく洞窟の最奥にたどり着いた。もうカール達と小悪魔のモンスターが戦いを繰り広げていて
「ずりゃああ」
カールの飛び膝蹴りが炸裂し、小悪魔を絶命させた。
「これでメンツが保てた・・・これからは帝国に協力しましょう」
これで龍の穴の格闘家と協力体制が構築できた。洞窟を出てその夜はニーベルに一泊し、いったん皇帝一行はアバロンへ戻りについた。
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