ロマサガ2リプレイ(8)
8.ジェラール帝 宝石鉱山の戦い
「更なる難敵との戦いが見込まれる。剣技を使うものも術法を覚えるように」
ジェラール一行は新築された術法研究所で2日間みっちり術の訓練を行い、全員がポピュラーな天の術である月光の回復術を習得した。
「アバロン城下町にブドウの木を植えよ」
ブドウを収穫し、国営ワイナリーでワインを醸造し、国内国外に販売し王国の収入の足しにしよう。そうジェラールは考えた。
強い軍勢を作るのには資金が必要だ。強力な武器防具を開発し、魔物に対抗できるようにならなければ安定した勝利は覚束ない。
「ルドンの宝石鉱山を制圧する」
ニーベルの南にあるルドン地方の宝石鉱山を制圧し、帝国の資金源にし、そのカネを元手にもっと強い軍勢を作らなければ。内政に長けたジェラールならではの発想だった。
「ジェラール様はレオン様と違って外堀をひとつずつ埋めていくのですね、敵にすると厄介なタイプです」テレーズが笑う。
「そうかな」
レオンの死後すぐに、ジェラールはテレーズを何度か抱き、子供を産ませた。だがテレーズは戦士として有能なので、婚儀は行わずあくまで愛人としての位置づけだった。出来た赤子は王家の血筋ということを隠すため、武器防具を開発しているアバチャ家に養子に出した。
「運河要塞を落としたら、少しはバレンヌも安定する。そうしたら軍備拡大は止めて魔族と停戦の道を探ろう。そうなったら結婚でも・・・するか」
「はい!」
その翌日、ジェラール皇帝の一行五人はバレンヌを出立した。すこし後をサポート中隊のおよそ50人が追う。サポート隊は医薬品、食料を運んだり、支配区域の確保にあたる。戦闘員養成所からえりすぐった精鋭ぞろい。
5日ほどかけてティファールの街に至り、宿屋で一泊して英気を養ったのち、モンスターが徘徊する宝石鉱山に突入した。しかし魔物がそこそこ出てきたので交戦を余儀なくされた。
121、パイソン(大きな紫色の蛇)2体、妖虫(キャベツくらいの大きさの芋虫)、スライム、ヴァイパー
122.マンターム、センチベタ、ヴァイパー
123.スライム4体
124.ワニゲータ2体、屍食鬼
125.ウエアフロッグ(刀で武装した蛙人間)2体
126.かえるの王子様3体
そして洞窟の奥には大きな黒い蛙が3匹待ち構えていた。
(緑の蛙より一回り大きい・・・だが、自分たちの力を信じてやるしかない・・・)
「かかれえっ」
すっかりさまになった掛け声を放つや、ジェラールはライトボールを放った。しかし蛙は気配でだいたいの位置を察し
「ゲロッ」
強烈な蹴りを叩き込んできた。たちまちのうちにベアが悶絶、そしてテレーズも悶絶。
「がふあっ」
「テレーズ危ない!」
皇帝が覚えたばかりの月光の術法でテレーズを蘇生させる。
「う・・ぬぁおー!!」
テレーズ、懸命に矢を放つが刺さっても黒い蛙はびくともしない。そこへジェイムズの巻き打ちの斬撃。カエルのうち1体は動かなくなったが、残りのうち一体が
「ゲロ・・・ッ」
テレーズに強烈なキック
「うぶっ」
テレーズの内臓が砕ける嫌な音をジェラールは聞いた
「貴様よくも」
ファイヤーボールを叩き込む、そしてエメラルドも同じ術で追撃、これで残る敵は一体となった。残った敵はベアの頭を踏みつけてきたが、そこへジェイムズの巻き打ち、エメラルドのファイヤーボールが入ってとうとうカエル軍団は全滅した。
「エメラルド…ベアさんを頼む!テレーズっ!」
瀕死のテレーズに駆け寄り、ハーブを水で溶いたものを口移しで流し込むが、テレーズは逆に大量の血を吐いた。
…グボボボボボ
「テレーズ、しっかりせよ」
「ジェラール・・・・いや・・・皇帝陛下・・・・私の屍を越えて・・・トワノ平和、トワノヘイワ・・・ぐふっ!」
そう言い残してテレーズはこと切れた。
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