(46)エンリケ帝の変心
「正直言って人間主体で七英雄を倒すのは無理がある」
いくら養成所で鍛えたところで巨大な魔物の一撃を食らえば即DYING。雑魚魔物ですらそうなのだから七英雄に勝つにはいかに伝承法を習得した皇帝及びその選抜部隊と言えど厳しいのではないか。そうエンリケ帝は考えた。ましてや自分はただの船乗り。
「だから、七英雄を倒すにはコッペリアしかいない」
この発想はなかった。いやあれはただの自動人形ですよ。こちらの指示はきかないからただやみくもに剣を振り回しているだけで、正直いってあまり頼りにならない。
そうタンボラ、ミネルバが指摘するが、皇帝は
「だから逆に考えるんだ。ソーモンのヒラガさんに頼んであいつに伝承法の意思を注入できればさして血を流さずに七英雄と闘えるのではないか」
「・・・・・」
「エンリケ様は皇帝の器ではなかった」
インペリアルガードのミネルバが断じる。
「人魚の村に行こうとするわ、コッペリアに王位を継がせようとするは・・・発想が斬新すぎる。」
アバロンに戻ったエンリケ皇帝は部下の官僚に月光の櫛について調べさせ、この間掃討したサバンナの地下、モール族が作れるらしいという情報をつかむや陸路でまたサバンナへ向かった。白アリの巣だったところをたどってモール族の村へ
「うん、作れるよ。この壺に月の光を入れてきて」
といってモール族から魔法のツボを渡された。
いったん洞穴を出た一行、ビハラ、メルー砂漠経由でテレルテバに出てアバロンに戻った。
863.砂竜
864.ワイバーン、ブレイザー
そしてアバロン城下町の宿屋、満月亭でベランダにモールのツボを置いて一晩寝て月の光を集め、またサバンナの地下に取って返した。
「うん、これなら月光の櫛は作れるよ」
加工賃としてモール族長に1万クラウンを支払、翌朝族長のところを訪れると櫛ができていた。
「よし、ルドン高原へ行くぞ」
またビハラ経由で砂漠を経てテレルテバから軍船でアバロンに戻り、三日ほど休養してから一行はルドン高原に向かった。
865.リザードロード、バシリスク、大河馬、ラットラー
866.トウテツ
867.かえるの殿様、ゴルゴン、ラムリザード
「あなたの誠意はよくわかりました。これからは帝国に協力しましょう」
月光の櫛をうけとったネレイドは態度を軟化させ、アクア湖の水の採集を許可してくれた。皇帝は瓶にアクア湖の水を詰め、ルドン高原を後にした。
868.リザードロード、ラムリザード、スティンガー、ラットラー
そしてアバロンで休息した後、レオンブリッジ、モーベルムを経て海路でマーメイドに行き、村はずれの岩山にある魔女の祠に突入した。
869.ペインパープル2体、アルラウネ、ラットラー
870.マーリド
871.マンティスゴッド
魔女の祠でアクア湖の水、卵の殻、ウミツバメの巣をそろえたところ、魔女はたちまちのうちに調合を行い水中に潜れるという人魚薬をつくりあげた。
872.タームバトラー2体
873.毒液獣、ゴールドバウム、毒ヒル
874.カイザーアント
875.ジャン
マーメイドに戻ったエンリケ皇帝はひとことつぶやいた。
「私はもう戦いたくない・・・」
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